キリ「桐」

ゴマノハグサ科の落葉高木。この科唯一の木本だとか。原産地は中国大陸で古くから我が国で栽培されている。
昔、女の子が生まれたら庭先に桐を植えておき成人して嫁ぐときにはその桐の木で箪笥を作って持たせたと言う言い伝えがある程成長が早い。そう言えば都市部ではほとんど見られず、郊外の田畑の片隅とか農家の庭先に植えられていることが多い。ただ、近年は耕作されなくなった元農耕地に大きくなった桐の木がぽつんとあるのが多々見られ、時代の変遷を感じさせる。
花は長さ５ｃｍほどもある大きなもので、淡紫色の筒型の５弁花は大変美しい。歩いているとこの花がぽつぽつと落ちているのに出会い、見上げると大きな桐の木がいっぱいに咲いているのを見つけることがあり、そのときの感じが大変心惹かれる。