そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

軽減税率の導入が何故必要なのかを先に考えるべきである

2015-10-16 | 消費増税
集団的自衛権行使容認について、良いだけ引っ張りまわされた公明党の顔を立てるために、消費増税に当たって軽減税率の導入を検討に自民党が舵を切った。消費税を10%にするに当たって、所得の低い者がより多くの負担をすることになる、逆進性の緩和のために、食糧などを低く抑えようというのが軽減税率である。軽減税率の必要性とこの20年格段に進行した、格差社会の現実を踏まえ、低所得者への配慮は必要なことであって、ぜひとも実行していただきたい。
ところが、財務省の官僚どもが嫌々出した試案は、単なる”ゼニ”の還元である。税制とは全く関係ない、思想の伴わないバラマキである。しかもマイナンバー制度に悪乗りした時限法である。恒久法としてまず考えるべきである。それには、まず何と言っても軽減税率導入の必要性を、理解することである。ところが、巷間面倒なことが起きるとばかりに、方法論で引いていることばかりが語られている。

反対理由は、麻生太郎が言うように面倒なことが先に立っている。やれ、コストがかかる。やれ、品目の設定が困難である。やれ、小売業者に負担がかかる。やれ、増税しても減収になりかねない。
これらは、面倒だから貧困層は我慢しろという態度でしかない。
ピケティの指摘するように、格差は自然と拡大する。それが社会不安にもなり、人類にとって大きな障害になるというのである。そのために、富める者への増税を彼は説いている。そもそも政治とは富の再配分こそ最大の命題である。新自由主義的に、儲けるものが良いだけ儲けるというのでは、人類の進歩や文化などないに等しいものである。
しかも現在検討されようとしているのは、10%にした時に8%の留め置く品目の設定のようである。それなら意味はない。食料や医療や教育には、少なくとも5%以下、できればゼロにするべきである。
消費税の逆進性緩和のための恒久法として、しっかりとした論議をしていなければ、さらなる増税もできないしその意味もなくなってしまうことになる。
麻生太郎が、口をヘン曲げながらふんぞり返って、軽減税率導入に嫌々の駄々をこねる姿勢は非難されるべきである。為政者の態度とは程遠い。彼は富裕層を代表した為政者である。この男の主張など聞かなくてもいい。軽減税率の必要性認識することこそ優先論議されるべきである。

追記:私は消費増税そのものに反対である。今回の3%増税も結局は、軍事費のために使われる結果になっている。社会保障費のためと、議員自らの身を切るためというお題目であったが、どちらもやられていない。10%になれば、軍事費がさらに増えて、軍事的ごたごたが起きて軍事費がさらに増えること間違いない。更に、アベノミクスなる財政出動の公共投資で、財政再建は一層困難になっているからである。
コメント (1)
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