そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

いまでも軍国主義を擁護し続ける自民党

2015-10-12 | 戦争
旧日本軍が多くの中国人を殺害した「南京事件」を巡り、ユネスコは中国が「記憶遺産」として申請していた資料について登録することを決定した。 悲しいことに、南京事件(大虐殺)はなかったといまだに主張する人物が、国政の中枢にいる。
中国とのパイプ役をかって出ていた、中国不理解の二階俊博総務会長の愚かさについては以前本ブログで、「智がなくなり貧相になる中国外交の現状」で書いた。
この二階総務会長はが徳島市で講演し、ユネスコ=国連教育科学文化機関が、旧日本軍が多くの中国人を殺害したなどとされる「南京事件」を巡る資料を、「記憶遺産」に登録することを決定したことを受けて、ユネスコへの日本の拠出金の在り方を見直すべきだという考えを示した。全く愚かとしか言いようがない。
鼓した機関に対しては独立性を重んじるべきで、金は出すが口を出さないとするのが、文明国のとる姿勢である。俺の言いなりになれというのでは、世界遺産への評価能力がないということになる。
そもそも、いまだにこれほどの大虐殺がなかったという見識自体が低レベルである。確かに犠牲者が30万人は多すぎると思われる。 ならばその数の根拠に話をするべきである。昨年当地で、映画「ジョン・ラーベ」を上映した。この映画も30万人が虐殺されたと述べている。
さらにもう一つ、日本軍と戦っていたのは蒋介石の国府軍であり、敵対関係にあった毛沢東の八路軍(共産党軍)と内戦状態にあって、毛沢東はこれを見捨てた。八路軍は日本軍とほとんど戦ってはいない。現政権が日本軍の残虐性と指摘すはるなら、見捨てた八路軍とその政権が後程樹立する共産党が、日本軍を非難するのには違和感がなくはない。
時の首相の近衛は、暴支を懲らしめると攻め入って「支那事変」と称さし、宣戦布告すらしていない「事変」で留めているのである。捕虜をジュネーブ協定の範疇から外す意図である。更に兵士以外の国民を大量に殺害している。下の100人切りの記事はプロパガンダの一種で、数字的には事実を越えてはいようが、そんなことは関係ない。因みに、ウルトラ右翼の稲田朋美は、この二人の将校の名誉回復裁判を起こしている。
南京事件については、先週のNNNドキュメント「南京事件・兵士たちの証言」で放送されていた。戦後黙する兵士の日誌を丹念に拾ってつなぎ合わせた、小野氏の努力には頭が下がる。41分の番組である。ご覧になって欲しい。
虐殺についての論議や、一般人殺害や女性や子供たちの殺害については、78年の年月が仔細については困難なことが多いが、両国以外で客観的にやるべきであると思われる。
二階総務会長や本ブログにも寄せられる、事実無根の反論には応じること気がない。加害者は被害者の声を、謙虚に受け取るべきなのである。このドキュメントの最後に、「私たちは戦争を被害者の目線で捉えようとするが、多くの人を殺害したことも知るべきである」と結んでいることを、真摯に受け止めたい。そうした姿勢を失った権力者どもが、「戦争法」なるものに”平和”という名を冠した法律を作るのである。国家の命に従って殺人者となった兵士たちは英霊として靖国に祀られている。ユネスコの遺産指定を評価する。
コメント (2)
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