オーストラリアのシドニーで開催されていた、APEC(アジア太平洋協力会議)が終了した。この会議は、太平洋をはさんでお隣同士だとする、やや難がある組み合わせでアメリカのアジア進出への便利機構として長年開催されてきた。
今回も、これほどの国家が集まった会議であるにも拘らず、多くの報道は小さな扱いしかしていない。日本だけではない。どの国もかわりない。食品の安全性や地球温暖化の協力を確認した程度である。極めてサロン的な、アリバイ創り的な会議と言える。
この会議は、メンバーは不定で1989年以来毎年首脳級が集まっているには、成果というものが見えていない。地上最大の太平洋を挟んだ関係国というのも無理がある。あまりにも、社会体制や経済力などに差がありすぎる。思惑が極端に異なる国の集まりと言える。
これに比べて先ほど行われた、上海協力機構(SCO)は明確すぎる内容と目的を持っている。アメリカが外れていることに加えて、地続きであることやエネルギーやテロ問題などで共通することが少なくない。今年は、大規模な軍事演習も行っている。
SCOはいわゆるBRICSの、ブラジルを除いたロシアと中国それに今年はインドが加わっている。世界はいつまでもアメリカに追随することを、国際社会と偽ってきた日本の外交に見切りをつけようとしている。
日本外交は、アメリカに顔色を伺う外交からの脱却をする時期に差し掛かっている。その試金石が、テロ特措法の延長である。民主党がいつまで反対を言うことができるか、注目していきたいところである。