イギリスのレス・ロバーツ博士の研究グループがイラクの一般市民の死者数を推計する調査をやった結果を、科学雑 誌ランセットに発表した。その数字は、アメリカの侵攻以来なんと”122万人”のイラク市民が死亡していると発表したのである。122万人とは全く驚きの数字である。
イラク国内全体を正確に把握できる機関も組織もない。聞き取り調査による推計であるが、無差別に市民に聞いた結果を人口比に乗じたのである。選挙などで用いられる手法である。その数字が、122万人の死亡である。しかもファルージャなどの壊滅作戦の行われたところは除いてある。
内容は、死者の過半数がアメリカとその連合軍による殺害、交戦結果による被害である。また死者 のほとんどが女性と子供とされている。
一般報道では、民間人の死者は7万人を超えているという程度である。ロバーツ博士の調査結果と17倍も違いがある。恣意的に少ない数字を用いるにしても、あまりにもこの数字の開きは大きすぎる。
一方アメリカ兵の死者は、3700人を超えたとされている。イラクは、増派で安定したと、見え見えのウソの演説を、ブッシュは先 日行ったが、年を追ってアメリカ兵の死者は増えている。開戦当時のほぼ倍の、90名以上の兵士が毎月死んでいる。これで、イラクは安定したと報告した。因みに、イラクレジスタンスの報道は、この3倍の数 字を発表している。
一方先日引退した、FRB(米連邦準備制度委員会)の元議長のグリーンスパン氏が「イラク開戦は石油のためだった」とインタビューに答えている。大量破壊兵器だのアル・カイダなどデタラメな理由による開戦、侵攻は内部からも証言者が出たのである。
イラク戦争はウソで始まった。そして今もウソを重ねている。日本は、この戦争に国際協力や中東の安定化とやらに協力してきたのであるが、これからもウソを通すのだろうか?