田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ベルサイユの子

2011年09月11日 22時27分06秒 | 日記
今頃すみません。録りおきしてあったものを鑑賞したもので・・・。

今は亡きギョーム・ドパルデュー主演作。彼は本当に繊細な感じの役者さんですね。こういう雰囲気、好きです。

華やかなベルサイユ宮殿。それを取り囲むように存在する広大な森。この中に、結構な数の人々がホームレスな生活をしているのですね。

考えてみれば、平和でいい場所かもしれません。日本の皇居の周りはどうなんでしょうか。案外寝ていると排除されるのかもしれませんね。

さて、そこに確信犯的に世捨て人の風情で暮らしているのがギョーム他、仲間たちです。彼らは楽しそうに過ごしているし、それなりの世界を築いています。そこへ、まったくの偶然からある母子が迷い込みます。

冒頭、この母子の切羽詰まった様子が延々と映されます。食べるものも寝る場所もなく、あてなくさまよいながら、それでも精いっぱい母は幼い息子を抱きしめながら眠ります。そして、とうとう何かにもたれて眠っているところを保護されるのです。

しかし、その係りの人の質問につっけんどんに答える母親の様子からは、一晩保護されてもそのあとをフォローするすべがないこと、だから何度も同じ目にあっていることがわかります。
 
そしてとにかく駅まで行って都会へ出ようとしていた先、道に迷ってギョームと出会うのです。
 
世捨て人のギョームはしかし、どこか紳士的で優しさを感じられます。そして二人が男女の関係になった次の日、母は幼い息子を置いていなくなってしまいます。

この辺は日本でも同じだと思うのですが、幼い子供を連れた若い女性が、仕事を始めて生活を立て直す難しさ・・・これがよくわかるだけになんだか責められない気持ちになります。きっと彼女は彼に抱かれたときに、ギョームの誠実さを感じ取ったのでしょう。

初めは驚くギョームも、「そのうち帰ってくる」と信じてぼうやの面倒をみます。しかし、不幸な偶然(彼の掘っ立て小屋が火事になり、場所を移動したために一度帰って来た母親には見つけられなかった)も手伝って、二人の生活が長引くことになります。そしてそのうち、情が移って本当の親子のようになってきてしまうのです。

ギョームはぼうやになんとか普通の生活をさせてやりたい、学校にも行かせてやりたいと思うようになり、実家に帰って働き始めます。認知までして、戸籍上の親子になります。しかし・・・やっぱり、ダメなんですね。自分で好んで世捨て人だった人間に、しょせん普通の生活は無理なんですね。

子どもは何に対しても敏感に理解します。無理をしているギョームを理解するし、自分を置いて出て行ってしまう彼のこともただ黙って受け入れます。

このへんは悲しいですね。そうしか方法がないとわかっていても、二度も親に捨てられたこの少年は、どんなにか心に傷を負うことでしょう。でも、無理して一緒にいても、幸せじゃないこともわかってるんですよね、きっと。

そして7年。祖父母に育てられた少年は、なんだか不良っぽくなってます。そしてあるとき母からの手紙を受け取るのです。

見ている方は、「さぁ、どうするのかな」とこれからひと波乱あるような気がしていたのですが、意外にあっさりと会いに行きます。そしてしっかり母親に抱き締められて、ジ・エンドです。

「この終わりかたって、どうよ」と正直思いました。この辺は、アジアとフランスの価値観の違いなのでしょうか。なんだか腑に落ちないような感じでした。

そんなありきたりなことを期待してしまう私が、「映画っぽい終わり方」に毒されているのかもしれません。

ともかく、ギュームとぼうや(マックス・ベセット・マルグレーブ)は素晴らしかったと思います。

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8ミニッツ(ソースコード)

2011年09月08日 14時35分15秒 | 日記
少し前に、飛行機で見ました。予備知識は全然なかったので、「ソースコード?なにそれ?」って感じでしたが、ジェイク・ギレンホールが主演だったので、見てみました。


<ネタバレありです>


アイデアというか、その発想は斬新だと思いますね。

ヒトって、死んだ瞬間に死ぬのではなくて、脳は少しの間働いているって言いますよね。以前に何かで聞いたのですが、ギロチンで処刑される人に「首を切られてからもまばたきするから、どれくらいでしなくなるかを測ってくれ」と頼まれた人が、本当に測ると数分の間はまばたきしていたとか。

ともかく、この映画は「死んだ人間の脳には、死ぬ寸前の8分間の記憶がしばらくは残っている」という説が前提になっています。そこで、一種のタイムマシンを発明した科学者が、その事実に基づいて、すでに起きた列車爆破事故の現場にいた男性(その事故で死亡)の脳に、別の男性の脳(意識)を飛ばして、事故の起きる8分前に甦らせ、犯人を突き止めさせる・・・そんなお話です。

実は同じ犯人が、味をしめたのか、より大きな爆破の予告をしてきたので、もう起きた事件をくつがえせないとしても、何とかして犯人を突き止めて、次の爆破を防ごう、そんな思惑が上層部にはあったのです。

しかし、意識を飛ばされたほうの人間は(これがジェイク)、最初はそんなことはわかりません。自分の容姿と違う自分にとまどい、目の前にいる見知らぬ恋人に戸惑うのです。

で、軍の上層部に説明されて、何度も同じ現場に送られるうちに、徐々にその使命を理解し、自分の意思で行動するようになるのです。

つまり、うまくいけば、この事故をも防げるのではないか、見知らぬとはいえ、目の前のこの女性だって救えるのではないのか・・・そう思い始めるのです。でも、この辺で明らかになるのですが、ジェイクもなんらかの理由で亡くなっているのです。まだ若い軍人だということで、それ用に保存されているんですね、上半身だけ。
意識の上では生きていただけに、ジェイクも大きなショックを受けます。

しかし、それなら余計にやり遂げなければなりません。ジェイクはそう思い直します。


ジェイクに事の次第を説明する上司にベラ・ファミーガ。好きですねぇ、彼女。カッコイイです!そして、最初は見知らぬ人だけれど、そのうち情が移る彼女にミシェル・モナハン。

科学者にジェフリー・ライト。彼は今回はちょい悪役です。大変優れたものを発明したことはすごいのですが、若者(しかも死者)の意識を自由に操って当然と考え、命令以上のことをしようとするジェイクを責めます。

しかも、ジェイクの試みが成功し、最初の事故をも防げ得たときは(そういう風に描かれていた。しかし、どこまでが現実でどこまでが意識の中なのかよくわからないところもあるので、確信はなし)「こんなこともできる装置をつくったんだぞ!」と言わんばかりに自分の功績にしてしまう。


実際、映画だからお話は美しく仕上がってるけど、こんなことができたら恐ろしい気がします、悪用されたときに。
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世界侵略:ロサンゼルス決戦

2011年09月08日 13時53分18秒 | 日記
少し前に、夏の休暇の時に乗った飛行機で見ました。早くアップしなきゃ~と思いながら、ついずるずると・・・。

さて、結論から言うと、とってもよくできていたと思います。実は、以前予告を見たときは、「また~こんなよく似た映画ばっかり作って~」と、少ししらけていました。

しかし!実際見始めると、あまりの手に汗握る展開に、飛行機に酔いそうになりました。途中息苦しくなって、本気で止めようかと思ったほどです。

とにかく、相手が強い、強い。人間がどんどん追いつめられて、息つく暇もない。たいがいこの手の映画は、所々で人間が盛り返す場面があって、そこで少し「ホッ」として、しかしまた窮地に・・・なんていう感じだと思うのですが、この映画はとにかく人間の側がやられっぱなし。

こんな強い相手が(多分宇宙から)攻めてきたら、もう私たちは絶滅するしかないんだろうなぁ、と見ながら思いました。

こんなに相手が優勢で、いったいどういう風に話が展開するのだろうと本気で心配しました。むしろ、ジョン・カーペンター監督なんかの作品だと、「あ~、このまま人類は絶滅するのかぁ」なんて安心(?)して鑑賞できたのかもしれません。

しかし、今回は主役もアーロン・エッカートですし、そんなはずはありません。彼は、過去に部下を死なせたことがあるとかで、若い軍人さんたちにもちょっと距離を置かれたりもしています。中には、目の敵にするやつも(亡くなった軍人さんの弟など)。

でも、彼は過去に失った部下たちの認証番号や生き様、いろんなことを覚えていて、片時も忘れられずにいることを打ち明け、部下たちの信頼を得ます。

私は素人なので、細かいことはわかりませんが、戦闘に行って命を落とすイコール見捨てられた、ということにはならないと思うのです。軍人なのですから。本当にこんなに根に持つものなんでしょうか。よくわかりません。

ともかく、最後は一致団結して敵に向かいます。いろんな事実を基に、相手の弱点や攻め方を推測してゆくところは、なかなか説得力がありました。やはり、やみくもに攻めるだけではだめなのですね。

強い女性の代表格、ミシェル・ロドリゲスも登場です。意外なところではブリジット・モイナハンも。彼女は戦う女性ではありませんが。

ということで、なんとかボロボロになりながらも、地球は救われました。でも、かなりのものを失っていたので、再生は大変な困難を伴うのでしょうね。
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インシディアス

2011年09月04日 17時25分30秒 | 日記
久々のホラー映画です。

<はげしくネタバレ。これからご覧になる方は絶対に読まないでください>

さて、「ソウ(1)」のラストシーンに衝撃を受けたものとしては、監督・脚本:「ソウ」のコンビ、製作:「パラノーマル・アクティビティ」のスタッフとくれば食指を伸ばさないわけにはいかなかったわけです。

主演はパトリック・ウィルソンとローズ・バーン。
私、このローズ・バーンっていう女優さん、知りませんでした。

さて、この映画、そう長くないからか、冒頭からガンガン話が展開します。
徐々に怖くなるのではなく、最初から「怖いぞ~~、ほらほら」と言っているようです。

新居に越してきたパトリックファミリー、荷物を解く段階から、「あれ?」と感じることがあったりします。

あと、冒頭にパトリック扮するお父さんに、ほとんど写真が無いことがふと話題に上ります。私たち観客は「ふ~ん、覚えておいたほうがいいんだろうな」くらいに流しながら見続けることになるわけです。

そして、持ってきたはずの荷物がないと思っていたら、誰も運ばないのに屋根裏にあったり、長男が突然意識不明になったり(しかし、体の調子に不具合はなく、単に意識がないだけ)、わけのわからないことが起こり続け、ついにはローズ扮する妻が人影を見たり、赤ちゃんが突然泣いたりするようになります。

そこで、ビビった一家はまたもや引っ越しをするのですが、残念ながら、怪奇現象は消えないのです。そう、家ではなくて彼らに問題があったのですね。

そこからは「永遠の子供たち」ばりの展開を見せ、不安から霊媒師を呼ぶ妻、「バカな!」といって彼らをインチキ呼ばわりする夫、と規定通りのシーンが続きます。

しかし、ここでお父さんに今までの写真がほとんどない、ということが大事になってきます。つまり、もともと父親には「幽体離脱」の才能があり、それが息子にも遺伝している、だから、長男は今までも短い幽体離脱は繰り返していたんだろうけれど、今回はあまりに遠くまで行ってしまったがために、帰れなくなってしまっている。そして、それは過去に父親に起きたことと一緒だ・・・そういうことだったのです。

そして、抜け殻となってしまっている肉体は、成仏できずに「もう一度生きてやりなおしたい」と思っている死人たちに狙われているため、なんとかその体に入り込もうとしてやって来る死人たちが時々見えてしまっていた。そして、それは、写真を撮ったときに写ってしまう・・・近くに来ている死人も、乗り移った死人も。そういうことだったのです。

遺伝という点では「きみがぼくを見つけた日」を想起させますね。特にこういう能力が遺伝するとなると。大変ですよね。

さて、その能力も記憶も、霊媒師によって封印されていたお父さんの出番です。今回は自分のその能力を使って、息子を助けに行かねばなりません。がんばれ!お父さん!

しかも、幽体離脱もあんまり長いと帰れなくなってしまいます。さっさと息子を見つけて帰って来なければ、自分も帰れなくなります。

ここからはスピーディに展開します。いろんな目に遭いながら、なんとか息子を見つけたお父さん。早く、早く。お父さんの体を狙う死人もいっぱいやってきています。早く帰らなきゃ!



さて、無事にお父さんの意識が戻りました。そして、息子も。あんなに長い間、意識がなかった息子も、ちゃんと帰ってきました。霊媒師はインチキなんかじゃなかったんですね。よかった、よかった。

帰ろうとした霊媒師、お父さんの顔を眺めて驚愕の表情。そして不意打ちに写真を撮ります。「なんで写真なんか撮った!」と襲いかかるパトリック。不運ですね、誰も物音に気付かぬまま、霊媒師は殺されてしまいます。

後にやってきた妻が見たものは、死んだ霊媒師と、彼女のカメラ。そこには何度か見た、死人の女性が写っていたのでした・・・。


怖かったですねぇ、マジで。でも、話に案外筋道が通ってるので、「なるほど、そうよな」と納得することができました。

これからどうするんでしょうね、この家族。
続編でも作るつもりなのかしら。
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カンフーパンダ2

2011年09月04日 00時12分05秒 | 日記
別に2Dでいいわ~と思っていたら吹き替えしかなかった。まぁ、いいんですけど。

うわさ通り、よくできていました。

子供が見ても、大人が見ても、心暖まるストーリーで、パンダのポーはなぜダチョウの父さんに育てられたのか、本当の親はどうして彼を手放さなければならなかったのか、が徐々に明かされて行きます。

こう書くとまるでハリー・ポッターですが、こちらのほうが断然わかりやすい(当たり前か・・・笑)。

本当に絵もきれいだし、夏休み、子供と一緒に見て、心もホッコリ、ちょっぴり涙、って感じで、ファミリー向けのお手本みたいな仕上がりです。

(最近のアニメは、あんなに素早い技や動きも、あんなにきれいに書けるのですね)

でも、ポーは完ぺきじゃなくて、「そうそう」と思うような抜け目がポコポコあるし、「そんなアホな」って笑えることろもいっぱいある。

上映時間も短くて見やすいし、とっても楽しめました。

「3」があるような終わりかただったように思います。
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