田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

2011年04月11日 22時26分35秒 | 日記

ものすごく話題になってたから、期待してました。

もちろん、おもしろかったのですが、アメリカと日本の笑いの差を感じてしまいました。私、はっきり言ってあんまり笑えませんでした。

バチュラーパーティを否定するものではありません。私はむしろやってみたいクチなのですが、その後が笑えません。たとえば、パトカーを盗んだ罪で主人公たちは捕まってしまいます。手錠をされたまま座らされてるところへ、子供たちの社会見学。案内しているおまわりさんは「悪いことをすると、こうなります。彼らは負け犬だ」と鼻で笑って説明します。子供の一人が、携帯で彼らの写真を撮るのです。

こんなこと、許されないでしょう?もちろん、映画ですから誇張されてるのでしょうけれど、なんだか不快でした。

しかも、そのあと、彼らを使ってスタンガンの使い方の説明。子供たちの前で大の男3人をおもいっきり笑いものにするのです。なんて不快な人たちでしょう。こんなの笑えません。

しかし、それ以外はまぁおもしろかったと思います。アジア系の実力者がステレオタイプだったり、それぞれの彼女(新婦を含む)があまりかわいくない女だったりするのですが、まぁこのへんは意図的ということで(笑)。

どんなにヒドいバチュラーパーティでも、また記憶がまったくなくても、とりあえず友人のために必死になる男たちがよかったですね。ちょっと「サイドウェイ」を思い出したりして。それに、イザとなると優しいんですよ、みんな。赤ちゃんもあやすし、「放って行けない」とか言ってしっかり抱っこして行くんです。(それにしても、あの抱っこひもはどこから?笑)

ちょっと車を離れるだけでも、「ダメだよ、置いて行っちゃ」と抗議する奴がちゃんといるんですね。みんないい人です。

ところで、マイク・タイソンのおうちって、あんなにセキュリティ張り巡らしてるのに、虎を盗まれるときわからなかったのかな。ってそんなことヤボ?

でも、男の人のバチュラーパーティって楽しそう。男に生まれるんだったなぁ・・・。

あ、ヘザー・グラハムがめっちゃかわいかった!ヘザーって、ちっとも歳とらないね。なんでいつまでもあんなにかわいいのかな。憧れるなぁ・・・。

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息もできない

2011年04月03日 14時06分27秒 | 日記

ネタバレあり

 

今頃すみません。とにかく、見逃してしまっていて、でも気になって仕方がない映画でした。

「息もできない」・・・まさに、その通りの映画です。見ている間中、息が出来ない、心に迫ってくる、本当に息がつまりそうでした。

監督・主演などを兼ねたヤン・イクチュンは、「韓国の父親がこうなってしまったのは国のせい」とあちこちで述べているようですが(もちろん、すべてが国のせいと言っているわけではないでしょうが)、そんなものなのでしょうか。

実際、そこにいて経験したわけではないので、何とも言えないのですが、国の政策のせいで家族がゆがんでしまった、そんなことで許されるような状況でしょうか。家族・妻に徹底的に暴力をふるい、挙句には刃物まで持ち出し、「お母さんが殺されちゃう」と言って割って入った幼い娘まで刺殺してしまう、あるいは妻を殺してしまう。そんな父親が何人も登場するのです。父親が母親を殴り続けている間、子供たちはみんな泣き続けています。それでも、父親が手を緩めることはないのです。

あるいは、ベトナム帰りの父親は、精神に異常をきたしていて、妻や娘(この女性が、サンフンと出会う女子高生)を罵り続けます。妻はとっくに亡くなり、自分はその妻にも娘にも手をあげていたのです。それなのに、言い続ける言葉と言えば、「母さんはどこへ行ったんだ。外でよその男に股を広げているからと言って、帰ってこなくていいということにはならないぞ」などといった、およそ想像を絶するような罵り言葉なのです。

これらが根本は国のせい?じゃ、殴られ続ける母も我慢を続ける娘も国のせい?そういうもの?それで正当化されるの(正当化しているわけではないか・・・)?ともかく、私にはよくわかりません。

活写される状況があまりに悲惨で、「息もできない」わけですが、父親のせいで、目の前で妹と母親を失ったサンフン(ヤン・イクチュン)は、汚い言葉と暴力しか知らない設定なのに(実際そうなのだが)、なぜかしゃべり方は穏やかで、そうそう大声を出したりはしないのです。

冒頭から、殴られ続けている女と殴っている男を襲い、男をメタメタにしたあとに、女に「殴られているだけでいいのか」などと言うのですが、その言い方は怒鳴りつけるようではなく、至って穏やかなのです。

また、女子高生に結構シビアなことを言われても、ブチギレるようすもなく、淡々とやり過ごすその様をみると、「案外紳士じゃないの」とも思いました。

最初はこのへんに戸惑いました。実は映画を見ながら「なんだと、このやろう!」と言って相手をブチのめすのではないかとひやひやしながら見ていたからです。

私がステレオタイプすぎるイメージを抱きすぎていたのかもしれません。しかし、今は日本でも「つめてくれ」などといっただけで人を殺す、あるいはネットで無視されたというだけで大量殺人事件も起きる時代。サンフンのほうが紳士だと思いますねぇ。

ともかく、悲しすぎる背景・環境で生きてゆかなければならない人々。サンフンの友人、マンシクが「そんな父親でも、孤児の俺にしたら、いてほしい」と言います。しかし、どうしても父を許せないサンフンは数日後に「俺は、いっそのこと孤児のほうがよかった」と言います。その気持ちは痛いほどわかりますねぇ・・・。涙が出ます。

しかし、その実、その父親に自殺未遂をやられると病院へ必死に運んでしまうんですね、やっぱり。その気持ちもわかってしまう。言葉でうまく言えないけれど、どのシーンも深く心に突き刺さります。

借金の取り立てに行った先で、父親が妻に暴力をふるっているのを見るサンフン。金を返させるためにその父親を殴ったサンフンは、「人を殴る奴は自分は殴られないと思っている」という名文句を吐きますねぇ。これほど納得したことは人生に何度会ったか、と思うほど納得しました。

ともかく、やさぐれたサンフンも縁あって、つらい人生をいきている女子高生と出会い、なんだかんだと少しずつ、人生が変わってゆきます。もっとも、女子高生は「両親は仲良く、普通の家庭に育っている」と大ウソをついているわけですが・・・。

それで、ヤクザをやめて人生を立て直そうとしたところで悲劇が起きるわけです。このへんは、ちょっと予想がついて、今までのリアルな活写にくらべたら平凡な展開になってしまうわけですが、そういうことをも凌駕するようなラストシーンが用意されています。

このラストシーンをどう見るか・・・。私は凡人なので、やっぱり「女子高生が、自分の母の屋台が襲われた時の映像と、今、弟がやっている映像が重なって、すべてを知った」ということだと思いますね。悲しいけれど。

暴力の連鎖・・・今の日本にとってもひとごとではないだけに、悲しい限りです。

ここで、非常に恥ずかしいお話なのですが、私、女子高生の母の屋台が襲われるシーンが短かったので、そこにサンフンやマンシクがいたのに気付かずに見ていました。お父さんが暴れているのかと思っていたくらいです。それで、ラストシーンをうまく理解できなかったのですが、ネットの情報に助けられました。バカな私・・・。

韓国映画では、今「悪魔を見た」という映画が公開されていますが、あんまりエグそうなので、迷っているところです。韓国映画って、時にものすごくリアル(?)なものが来ますよね。「チェイサー」しかり。その底力を感じます。

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