「アリー スター誕生」で監督としても高く評価された俳優ブラッドリー・クーパーの長編監督第2作で、「ウエスト・サイド物語」の音楽などで知られる世界的指揮者・作曲家レナード・バーンスタインと女優・ピアニストのフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインがともに歩んだ激動の人生と情熱的な愛の物語を、バーンスタインの雄大で美しい音楽とともに描いた伝記ドラマ。
クーパーがレナードの若き日々から老年期までを自ら演じ、「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガンがフェリシア役を務める。共演はドラマ「ホワイトカラー」のマット・ボマー、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のマヤ・ホーク。クーパー監督と「スポットライト 世紀のスクープ」のジョシュ・シンガーが脚本を手がけ、製作にはマーティン・スコセッシ、スティーブン・スピルバーグが名を連ねる。
2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第96回アカデミー賞では作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞ほか7部門にノミネート。Netflixで2023年12月20日から配信。それに先立ち12月8日から一部劇場で公開。(映画.comより)
<2024年3月5日 Netflix鑑賞>
ブラッドリー・クーパーの初監督作も見ました。ベタな物語でしたが、それだけに安心して見れたし、何よりブラッドリーとガガがうまくて、とても魅力的な映画に仕上がってました。アカデミー賞授賞式で主題歌を披露し、ピアノを弾くガガと見つめ合っていたブラッドリー。二人が、今にもキスするのではないかと思うほど濃密な雰囲気を醸し出していたのが忘れられません。でも、ガガには彼氏がいるのですから、そんなことしないのです(笑)。
さて、今回は世界的指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインの生涯を描いた映画です。映画ファンなら、必ずどこかで耳にしているであろう彼の曲。才能あふれる彼はしかし、妻をこよなく愛していましたが、同時に男性をも愛したのです。秀でたアーティストは凡人ではないゆえ、やはり理解と受容が必要です。妻もそれはわかっていたのです。だから「私は大丈夫。自立しているから」あるいは「私の人生は私のもの」くらいに思っていたのです。しかし、年月を経て気づくのですね、「やっぱり淋しかった」と。そんな話です。
しかしこれは、凡人でも大いにあり得る話です。何も同性愛者でなくても、”ずっと妻に優しい”あるいは”愛されていることを常に感じることができる”ということは非常にまれではないでしょうか。どこかに不協和音を感じ、愛されていないことを疑いたくないから、多くの女性は自分の人生を自分で掴み取り、一人で生きてゆけるように、最初から自分の足で立つのです。「私は平気だわ」と言えるように。
それにしても、才能のある人の感性ってすごいですね。私にはとてもついてゆけないです。キャリー・マリガン演じる妻は成功した女優だったから、ある意味自分もアーティストで、彼を理解することができたのかもしれませんね。また、私は音楽の教養はありませんが、一つ一つの音楽シーンに心動かされました。わからなくても美しい。大画面で見れてよかった。おすすめです。