アンデルセン童話を原作とする1989年製作の名作ディズニーアニメを、「シカゴ」の名匠ロブ・マーシャルのメガホンで実写化したミュージカル映画。
海の王国を司るトリトン王の末娘で、世界で最も美しい声を持つ人魚姫アリエル。まだ見ぬ人間界に憧れる彼女は、嵐に巻き込まれた人間のエリック王子を救うため陸に上がる。人間界への思いを抑えきれなくなったアリエルは、海の魔女アースラに提案され恐ろしい取引を交わす。その内容は、3日間だけ人間の姿になる代わりに、美しい声をアースラに差し出すというものだった。
主人公アリエル役には新人女優ハリー・ベイリーを抜てきし、エリック王子を「ベラのワンダフル・ホーム」のジョナ・ハウアー=キング、魔女アースラを「ゴーストバスターズ」のメリッサ・マッカーシー、トリトン王を「ノーカントリー」のハビエル・バルデムが演じる。アニメ映画版も手がけた巨匠アラン・メンケンと、「モアナと伝説の海」のリン=マニュエル・ミランダが音楽を担当。(映画.comより)
<2023年6月25日 劇場鑑賞>
今回の実写化は、新人女優ハリー・ベイリーが歌唱力で選ばれたと聞いていたので、何としても本人の声が聴きたくて、字幕版にこだわりました。そのため、なかなかうまく時間が取れず、今頃になってしまいました。田舎は吹き替え版が主流で。
結論から言います。とてもよかった。王子さまは普通の男でしたが(笑)、アリエルはとてもキュートで、歌唱力はさすがの一言。こんなかわいらしい役は、本当に若い頃しかできないから、彼女はいい功績を残せましたね。お魚のフランダーを演じたジェイコブ・トレンブレイもとてもよかった。個人的には、人魚に男もいるのか、と単純な疑問を抱いてもいたのですが、海の王トリトンを演じたハビエル・バルデムはさすがの存在感。下半身が魚なのを見て「やっぱり人魚は女性の方が似合う」とは思いましたけどね(笑)。
王には7人の娘がいて、会合の時は集まって来るのですが、みんなすごい美女ばかり。きっと皆モデルさんだな。息子がいないところは、やっぱビジュアル重視ですね(笑)。映画は娯楽ですものね。
お話は、皆が知っている通り、王子様に憧れた人魚姫アリエルが、声と引き換えに3日間だけ人間になれる、そしてその間に王子様にキスしてもらえれば、永遠に人間になれるというもの。でも、そこはそれ、王子様がその気でも、魔女の妨害が入るというものです。
しかし、今回改めて”3日間”って、せわしないなと思いました。ろくに知らないのに、王子は若くて美しいアリエルをガンガン誘うし、もう夜に連れ出して二人きりになるし、そこでキスしそうになるんだけれど、こちらはアリエルが姫だとわかっているからいいものの、展開が早すぎて却って軽薄な男に見えたような気もしました。
ディズニーですし、当然ハッピーエンドなんですが、同じハッピーエンドでも、とても今風の”ポリティカル・コレクトネス”なエンディングでした。そうか、そういう展開があったのか!と思いました。素晴らしい。監督に拍手です。おすすめです。