田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

エルヴィス(Elvis)

2022年07月10日 17時36分45秒 | 日記

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 「キング・オブ・ロックンロール」と称されるエルビス・プレスリーの人生を、「ムーラン・ルージュ」「華麗なるギャツビー」のバズ・ラーマン監督のメガホンで映画化。スターとして人気絶頂のなか若くして謎の死を遂げたプレスリーの物語を、「監獄ロック」など誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々にのせて描いていく。ザ・ビートルズやクイーンなど後に続く多くのアーティストたちに影響を与え、「世界で最も売れたソロアーティスト」としてギネス認定もされているエルビス・プレスリー。腰を小刻みに揺らし、つま先立ちする独特でセクシーなダンスを交えたパフォーマンスでロックを熱唱するエルビスの姿に、女性客を中心とした若者たちは興奮し、小さなライブハウスから始まった熱狂はたちまち全米に広がっていった。しかし、瞬く間にスターとなった一方で、保守的な価値観しか受け入れられなかった時代に、ブラックカルチャーを取り入れたパフォーマンスは世間から非難を浴びてしまう。やがて故郷メンフィスのラスウッド・パークスタジアムでライブを行うことになったエルビスだったが、会場は警察に監視され、強欲なマネージャーのトム・パーカーは、逮捕を恐れてエルビスらしいパフォーマンスを阻止しようとする。それでも自分の心に素直に従ったエルビスのライブはさらなる熱狂を生み、語り継がれるライブのひとつとなるが……。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などに出演したオースティン・バトラーがエルビス・プレスリー役に抜てきされ、マネージャーのトム・パーカーを名優トム・ハンクスが演じる。(映画comより)

 

 

<2022年7月10日 劇場鑑賞>

 エルヴィスは、1935年に生まれ、1977年に亡くなりました。個人的には、子供の頃に洋楽を聞くような人生を送らなかったので、彼のことはあんまり知りません。彼に関する知識はすべて後付けです。でも、世の中に彼のファンがいまだにたくさん現存し、映画もいろいろ作られ(「グレイスランド」とかニコラス・ケイジの映画とか見ました)、永遠にスターであり続ける人って、そうそうはいないと思うのです。それで、今回の映画は長かったけれど(宣伝も入れて2時間50分!)チャレンジしてみることにしました。名優トム・ハンクスも出てますし。

 エルヴィスは、父親が不渡り小切手の使用とかいう罪で服役したため、ごく幼い頃に母親と一緒に黒人たちが住む地域に引っ越しました。貧しい少年時代ではありましたが、子供たちに肌の色は関係ありません。たった一人の白人でしたが、皆と仲良く暮らし、天性の才能があったのでしょうね、黒人さんたちの音楽の啓示も受けました。やがて徐々に地方から人気が出るようになります。

 そこで彼に目を付けたのがトム・ハンクス扮する”大佐”です。「彼は絶対にビッグになる」と見抜いたところはさすがなのですが、いかんせん強欲でお金に汚いタイプだったのです。そして、”大佐”を自称し人にもそう呼ばせていただけあって、人の心をつかむのがうまい。口も憎たらしいほどうまい。貧乏家庭で黒人街に暮らしたウブな青年は、格好の餌食でした。実際は大佐の地位になんかなかったことは、後にわかってくるのですが。

 それでも、一介の青年がビッグになれたのは、大佐の力があってこそです。彼はなんだかんだ言っても、自分の音楽、夢を実現することができたのですから。当時は”女のように”化粧をし、ド派手な衣装を着て、腰や足をフリフリしながら独自のロックを掻き鳴らすことは、考えられない時代だったのですから。

 しかしながら、その動きは「大衆を刺激する」とかなんとか、ついこの前見た「ザ・ユナイッテド・ステイツVSビリー・ホリディ」そのままに(かの映画は1940年代の話)当局の監視を受けます。でも、仲間とつるんでそんな規制をかいくぐりながら、絶大な人気に支えられ、歌い続けるのです。この映画では、当局の締め付けより、マネージャーの大佐の強欲さが前面に出るように描かれます。特に晩年は「世界に打って出たい」というエルヴィスの希望を口八丁手八丁で打ち砕いたようですね。このへんは「ヒドい」と思いました。個人的には、父親にもっとしっかりしてもらいたかったです。倒れてしまった息子に付いてた女性スタッフが「私の息子なら、入院させます」と言っているのに、大佐の目力に負けて「ク、クスリを打ってやって」と言ってしまうなど、「(息子のマネージメント会社)社長」という肩書を付けられて、大佐の意のままにしか動かない気弱な父親に「お父さん!!」と憤慨やるかたなかったです。母親はもう亡くなってるし、自分の息子は守らないとダメじゃないですか。

 しかし、素人目には「ジャージー・ボーイズ」でも「ジュディ」でも(「レイ」でもそうだったかなぁ)なんか、才能があり過ぎる人って、多くは悲しい運命を辿ってるような気がします。自分のような”超”凡人には羨ましい人生だとは思うのですが、なんでこうなるのかなぁ、という気もします。せっかくの才能なのに。短いから輝くのかもしれないけれど。

コメント (2)
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