全ての歯科治療に応用できる顕微鏡ですが、一番期待しているのは「歯のヒビ」の確認です。
レントゲンで歯にヒビが入っていると予測しても、歯の根の深いところにヒビが入っている場合は確認できませんでした。
小さなヒビはCTでも確認することができません。
その場合、ヒビがある可能性を考慮しながらの治療となりますので、なかなか先に進むことができませんでした。
ヒビがある場合とない場合では治療方法が異なるからです。
顕微鏡を導入してからヒビの確認が容易になりました。
二つ穴が開いている歯が対象です。この穴は神経の通っていた穴です。
見える範囲ではヒビは見当たりません。
穴の中は暗くて確認できません。
顕微鏡で3倍に拡大したら、ヒビがすぐにみつかりました。
穴の中に白い筋が見えます。これがヒビです。
8倍です。
向かって右の穴の中に見える白い線がヒビです。
10倍です。
この画像ではわかりにくいですが、穴の外にもヒビが確認されました。
顕微鏡を用いると削った後の傷とヒビの区別が容易につきます。
3倍でわからなかったものが、10倍になると見えることがあります。
顕微鏡は最大で20倍で見ることができます。
すぐにヒビがみつかったので、治療方針が決定します。
ヒビを前提に治療を勧めることになります。
拡大することで、まったく違った世界をみることができます。