「この人は生まれつき歯が弱いな」と感じることがあります。
具体的には、歯の内部の象牙質が「やわらかい」と感じる人です。
先天的に歯が弱い人がいるのではないかと考えていました。
が、今はそうは考えていません。
歯は後天的に、食事によって弱くなると考えています。
歯が弱いのは「象牙質の糖化」によるものであるというのが、その理由です。
糖化とは、体の中で余ったブドウ糖がタンパク質(特にコラーゲン)にくっつく現象のことです。
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歯の表面のエナメル質にはコラーゲンがほとんど含まれていません。が、象牙質にはコラーゲンが含まれていて、そのコラーゲンは糖化する可能性があります。
歯の中にも血管があって血液が流れています。
血液が高血糖になり、その余ったブドウ糖が血管を通して歯の象牙質にくっついて糖化を引き起こす、というのがその原理です。
実際の症例で見てみましょう。
虫歯の治療中です。
虫歯でやわらかくなった所をすべて削り取りたいのですが、象牙質がやわらかくてどこまで削ればいいかわかりません。
「う蝕検知液」という虫歯の部分が赤く染まる液で確認します。
虫歯を全部取ったと思っても、まだピンク色に染まります。
虫歯と健全な象牙質の区別がつきにくい状態です。
象牙質がやわらかいのですから、一たび虫歯になると一気に進みます。
急に大きな虫歯をつくって来院される方は、ほとんどの場合がこういう状態です。
虫歯が大きくなりやすい人は、食生活を見直して糖質、特に砂糖を多く食べていないか確認することが大切です。
小幡歯科医院
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