韓国の国会議長の文喜相(カン ヒ サン)氏のワシントンでの発言が問題化している。
文議長は日本の天皇制を一部誤解しているのではなかろうか。大戦後日本の憲法が変
わり、天皇は国家元首ではなく、「象徴」となった。政治的な活動は一切しないことになっ
たのである。また、天皇家が持っていた土地や財産などはすべて国のものとなり、同時
にすべての政治的な権力もなくなったのである。
戦前の天皇は国家元首であった。これは明治になってからのことである。武士の幕藩政
治から明治になって天皇は元首になったのである。当時は米国やイギリス等の欧米諸国
は日本を属国にできないかと画策していた時代でもあった。これに対抗する方策は富国強
兵しかないという国策が明治、大正、昭和にわたり強力に推進された。
その結果、韓国や中国などアジアの近隣諸国に大変なご迷惑をかけることになったので
ある。同時に日本人も約330万人が犠牲となった。昭和天皇は死ぬまで自国や他国の区
別なくすべての犠牲者の慰霊を常に心を悼められていたのである。その後の平成になって
から現天皇は慰霊の旅に中国に行った時、深甚の遺憾と慰霊の意を表明した。しかし残念
ながら韓国に行く機会を失ったのは心残りなのかもしれない。他国に行くのもいかないのも
政府が決めることで天皇単独の判断で決めることはできないのが実情である。
また、昭和天皇時代でさえ天皇は形式的な存在で、当時の政府や軍人などの意思ですべ
てが決められていた。米国との開戦の時も同じようなものだったと云われている。元首という
のは形式上だけのものだったと多くの国民は思っているのではなかろうか。
現在の天皇は台風や地震などの大災害の時、慰問に現地に行くのが仕事のようになって
いる。天皇・皇后両陛下は足を半分折って被災者と同じ目線でお話するのが今や通例とな
っている。特に皇后陛下は足を折るとき激痛が走るという。このような誠心誠意の見舞い行
為は日本国民の誇りに近いことと目に映る。 政治的な発言を一切しない現天皇は日本国
民から絶大な支持と思慕の念に満たされている。現天皇はもう少しで隠棲される。最後に批
判されるのは日本国民として納得できないことである。
これらの観点から、現在の天皇制を正しくご理解いただきたい。また国同士、政治家同士、
政治上の論争は大いにすべきであろう、と思っている。しかし隣国同士、仲良くしたいもので
ある。
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