昨日のブログに書いたように、今日は田中治彦さんを囲んで「『もののけ姫』からESDを語る」を行ないました。映画と田中さんからの提起に触発されて、文字通りみんなで「語る」会となりました。
今日集まった皆さんの話を聞いていますと、他の映画を含めて宮崎駿監督作品を観ていらっしゃる方はもちろん多いのですが、この映画は他作品と異なって、どちらかというと分かりにくく、観るのが重たく、何度も観たいという気持ちにはならなかったという声が多かったのです。
田中さんから、「開発」Vs「環境」、ヒューマニズムVsエコロジーという対立の構図のなかで、勧善懲悪ではなく、「弁証法」的解決(現代の自然へ)をはかり、アシタカは、これらの調整役としてタタラ場に残った。さて、問題は解決したのだろうか?、ESDの課題としてどうなのかと。詳しくは、田中さんが書かれている「なぜ『もののけ姫』か」をご覧下さい。
参加者皆さんからのご感想は多方面からで、また田中さんからの提案を受けて、じっくりもう一度観てみたいという幾つもの声が。3.11東日本大震災を経て、大きな自然災害や放射能汚染までをも見通した問題提起があるのではと。
私自身にとっては、逆に映画館でみた唯一の宮崎監督作品になります。中世の民衆像(被差別民)の描き方や、先住民であるアシタカが根源的な人間の「開発」や「人間解放」へのキーワードになるところetcに好感をもちながら、そしてアニメーションの力に圧倒されながら観たものです。
それにしても、余り多くない人数のなかで、宮崎監督作品を大学の授業に使っている方が3人もいらっしゃってびっくりしました(^^)。
148