8月28日~29日にあった、「みんなで創る、わたしたちの自治/全国政策研究会 in 静岡」に行ってきました。
写真の真ん中は、静岡市出身の講談師/宝井駿之介さんです。交流会のオープニングは、静岡ゆかりの話が講談で行われました。こんな地域の紹介の仕方があるのですね。主催者・静岡の皆さんの、温かな想い、ていねいな準備が感じられた集まりでした。交流会では、全国各地の議員・市民活動を行っている方々とお話ができて、刺激になります。
基調講演は、根本祐二さん(東洋大学経済学部教授)による「新しい公共は未来を築けるか?~地域から考える新しい公共とは~」。
ちょっと難しかったのですが、印象に残ったのは、戦後に公共投資されてきた、現在ある社会資源、例えば公共施設(ハコもの)・道路・橋・上下水道(配管)etc……が、今後、老朽化していくわけですが、自治体は会社のように、先々までの設備投資を考えながらの計画をたてていない(^^;)。
更新投資計画にあたっては、大幅な財源不足のなかで、地域ごとに社会資本の状況を正確に把握をすることがまず必要。そして、将来の人口減少を見込んで、事業仕分けを行い、更新投資を決めた社会資本に関しては、費用対効果を最大化する方法を考える。
藤沢市の例をご紹介くださいました。藤沢市では、公共施設の現状・課題を分析した「公共施設マネジメント白書」を作成。そして、地域の皆さんで責任をもった資源の配分を考える「地域経営会議」の設立、公共サービスの提供にアイディアを募集する「公民連携事業化提案制度」を創設されています。
市民と一緒に、自分たちの公共サービスの確保を真剣に考えるという仕組みは、これからも学んでいかなければと思います。それにしても、「新しい公共」という言葉を聞くたびに、市民の力が安上がりに使われないあり方をとの想いが頭をよぎります。
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分科会は、飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所)が報告者の「未来を変えるあなたの選択~グリーン電力社会へ~」に参加をしました。
自然エネルギー政策において、日本は高い技術力をもちながら、ここ10年、世界の流れと完全にかけ離れた状態になっています。欧州再生可能エネルギー協会は、2050年までに欧州のエネルギーを100%自然エネルギーにできるとし、天然ガス、風力、そして太陽光によるものがぐんと伸び、原子力・石炭・石油が減っていますが、日本は、原子力・石炭・石油が増えている。小規模分散型の自然エネルギー供給は、産業経済効果・雇用効果・地域活性化効果をもたらし、GDP指標だけで云々できないとは思いますが、ヨーロッパはGDPを増やしながらCO2を減らし、日本は無策でCO2を増やし、GDPを減らしています。
自然エネルギーは豊富すぎるほどにある。日本各地における地域での取り組みの紹介もいただきました。