4冊の難しそうな本を読んでいる。「戦後日本の大衆文化史」(鶴見俊輔著:岩波書店)、「定義集」(大江健三郎著:朝日文庫)、「言葉の魔術師 井上ひさし」(菅野昭正編:岩波書店)、「夏目漱石」(十川信介著:岩波新書)。同時進行で読んでいる。全部が面白いからだ。面倒なところは逡巡しないで飛ばし、別の本に平気で飛び移る。同時だから、ぼんやりしていた問題意識に気づく。それで、新しく読みたいのが見つかり、読書待ちのが増えることにもなる。
この前、本好きの若い人が訪ねてくれた。波風立男氏に、自分が読んで感心した純文学とも大衆文学とも言えない素敵な小説があるから是非読めという。知らない作家だった。素敵さの説明をしてくれた。長くなりそうなので「読まないよ。」と断った。「読みたい本があり、死ぬまでに読了できるかどうかわからないので寄り道できない。」と言ったら、変な顔をされた。
自分が読みたい本(作家)を知っているのは幸福の一つだと思う。老いても夢を持っていることになる。内容もあるが、文体から伝わる好きな作者の気質に共鳴する喜びは他に代え難い。本を読むのは、文体という肌に触れる快よさだ。老いるほどしっとりした肌を求めるが、触れられる時間は刻一刻と減っている、みたいな気がする。だから、若いうちに、ドキドキする奴を手籠めにしておくに限る。「老いてはコトを仕損じる」…変なことを意識しちゃうな。
還暦過ぎて見つけたドキドキ哲学者、鶴見俊輔。この方を新たに加えて、老後読書枠は5人(内、4人故人、1人現役)。ちょと多すぎるかな 今日、公式裏ブログ「波風食堂、準備中」更新。知ってるかなあ?「ダイナミック琉球」って。