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ゲド戦記:ジブリの作品であっても、小説からのファンには…ね


近年、深夜帯のTVアニメには・・・、
“妖精や魔法が存在する異世界に転生する物語”が多く。
これらのTVアニメは、所謂(いわゆる)、“大人の事情”というもので、
コミックやゲームなどとも、メディアタイアップされているものもある。
“妖精や魔法が存在する異世界”、つまり“ファンタジーな世界”で、
物語が展開するのだから、ファンタジー作品なのだろうけど。
しかし・・・。
これらの“ファンタジー作品”とは、一緒に扱って欲しくないものもある。
その1つが、アーシュラ・K・ル・グウィンの「ゲド戦記」。



トールキンやローリングは、読んでいないけど。
学生時代、ル・グゥインの小説「ゲド戦記」は、1~3作目まで読んでいる。
「幼い少年が、魔法の力に目覚め、成長していき、
やがて、年を経て、若き王子とともに、世界の危機に立ち向かっていく」

・・・と記せば、単純な冒険活劇に思えるけど。
細部への描写がなされた、独自の世界観は奥深く。
物語の世界へと引き込まれたものでした。
しかし、4作目「帰還」から、物語についていけなくなった。
すでに社会人となっており、
学生時時代のように読み込むだけの余裕もなく、
物語の主人公が、ゲドからテナーとなったことから、
展開についていけなくなったことにある。
「ゲド戦記」は、アニメ制作会社のスタジオジブリにより、
製作された長編のアニメ映画作品があるけど。
小説は、5作目まであり、さらに外伝が1作ある。
周辺の人間に聞いてみたところ、
ジブリ作品としての「ゲド戦記」の評価は、微妙なところで、
個人的にも、納得できなかったけど。
今、あらためて、小説を読み返すと、印象も違って見え、
正直、評価が難しい内容になっている。

コロナ過において、本棚の奥で後生大事にしてきた小説を読み返しているとき、
気になって、ネット上を検索してみた。
作者:アーシュラ・K・ル・グゥインは、2018年に亡くなっている。
そうか…、世界的な作家さんに会えるはずもないけど、
生きておられるときに、もっと作品を読んでおくべきだった。
そんな気持ちにもなった。
テレビ番組表を見てみると、今週(金)には、
ジブリ制作の「ゲド戦記」が、またテレビ放映される。
ジブリアニメのゲド戦記は、小説の3部と4部とをベースにしているが、
まったく別のストーリー展開となっている。
いい時期かな?
今、また見ることで、何かを感じ取れるかも知れない。

蛇足:

物語との関連性はないもの。
平成ガメラシリーズと呼ばれる映画「ガメラ2、レギオン襲来」において、
水野美紀の本棚にあったのが、小説「ゲド戦記」。
当時、5作目である「アースシーの風」は刊行されていないから、
4作目の「帰還」まで並んでいたハズ。
こちらも、いずれ見直してみるかな?
<2021年4月9日加筆訂正>



「ゲド戦記」への追記分:2022年4月

NH〇のEテレの番組「100分deで名著」において、
ボーヴォワールやアレクシエーヴィチが特集されたとき。
ゲド戦記の4作目「帰還」でつかめなかったものに、
触れることができた気がした。
誤解を与えないように記しておきますが、
この番組内で、ゲド戦記は話題になっておらず、
あくまで個人的な見解になる。

数年前、宮崎駿へと焦点が向けられた番組において、
「脳みそに釣り糸をたらす」という言葉を聞くことがあった。
(お姫様)がいる。
(主人公)がいる。
そして…、こっちに(悪者)がいる。
こう言う図式で物語を作れば、単純であり。
これに「嵐」が来ているなどの要素が加わる。
小説「ゲド戦記」の本質は、そのような物語でもなく。
小説ならではの描写が、映像化されるとき、
どのようにアレンジするかは難しかったと思われる。
さて、映画を見直して気付いたのは、
1作目「影との戦い」でのエピソードが、
ゲド(ハイタカ)から、アレン(レバンネン)に置き換えて、
描写されてもいること。
映画を見直し、小説を読み返したことで、あらためて気付かされる。
奥深い物語ではあっても、難解でもなく。
やはり映画だけでなく、小説も読んで欲しいところ。
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