通常、職場などのコミュニティーは、
実務能力のある(仕事のできる)人間に発言力がある空間だけど。
もちろん例外もある。
企業のトップである経営者(社長)に対して…。
「俺の方が、仕事ができるから黙っていろ」などと言っても通じない。
まあ、当たり前の話。
もっとも経営者だからと言って、就業中の職場において、
仕事もしないで、“ちんたら”していれば、
職場の士気は下がるだけになってしまう。
色々と難しいところだけど。
企業社会は、親会社や子会社のような上位組織や下部組織が存在する。
世間一般的に、子会社は親会社の調整弁としての役割もあり。
企業のトップである社長も、色々と口出しできない相手がいる。
親会社と子会社とでは、待遇に格差があるのも仕方がない。
だからこそ、子会社へと出向してきた親会社の社員などは、
子会社の社員と同じ仕事をしているだけでは許されないのだが…。
数年前、親会社から30代前半くらいの社員が送られてきた。
背は高く、のっぺりとした顔。
どういう訳なのか、この親会社は、世間一般的な常識から、
乖離した考え方が浸透しているらしく。
移籍してくるような人物には…。
「どうせ子会社での仕事だから、手を抜いてもかまわない…」
…という考え方をするものばかりだった。
”やる気”や”緊張感”にかけ、責任感もなかった。
新卒なら、イザ知らず。
いい大人が、電話応対や挨拶もままならないのでは、
とても人材(人財)とは呼べない。
そのままでは、親会社に置いてもらえなくなったのだろう。
当初は、殊勝な態度にも見えたが…。
しばらくすると、就業中にも関わらず居眠りをしているか、
もしくは、スマートフォンで遊んでいるかになった。
「仕事は好きじゃないが、名の知れた会社でやっている」
「面白くない仕事だが、給料がもらえなくなる心配もないから職場にいる」
そんな人物の行動に対して、顧客や取引先の人間は…。
“なんか手を抜いているけど…。”
サボっているのか?
この人たち、やる気ないんじゃないの?
マジメに仕事する気、あるのか?
…などの印象を与えていたのは間違いなく。
冷たい対応や言動が受けることが増えていった。
そこそこの会社であれば、社長を含め、部長や課長、係長などと、
大袈裟な肩書きがついたエラい人達がいるけど。
そんな“肩書き”がついた人たちは、誰も注意しなかった。
こうなってくると、身構えるほどでもないけど。
注意するにも、心構えが欲しくなる。
それが出来なくて、一歩、踏み出せないままだった。
しかし…。
明らかに仕事には必要もないタブレット端末を持ち込んで、
堂々とサボり出したとき、さすがに頭に来てしまった。
「おい、何を仕事中にやっている!オモチャを片付けろ!」

追記:
親会社が、子会社に…。
本社が、現場の社員へと…、責任を丸投げしている現状において、
自分たちだけが高いモラルを達成する必要などない。
下手なことをすれば、賞賛どころか、袋叩きにされかねない。
そう考えれば、言わなくてもいいことだったのだろうか?
それとも誰かが言うべきことだったのだろうか?
正直、今も分からない。
(2020年7月、誤字脱字訂正:続く⇒)