The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

2010 ヨイチ・ノボリ パストゥーグラン ドメーヌ・タカヒコ

2012-07-22 07:07:06 | ワイン
今はもう、行くこと無くなった河南地区のとあるワインバーで、
何も知らずに、このワインを飲んでみた衝撃を、今でも憶えています。

それ以前から、ニッポンワインもココまで来たんだな!との認識はあったのですが、
この『2008年物』すなわちファースト・リリースの『パストゥーグラン』こそ、
その認識を遥かにクロスオーヴァーする代物でありました。

『パストゥーグラン』の意味合いは、皆さんもご承知のことと思いますが、
ブルゴーニュ地方のピノ・ノワールとガメイのブレンドに似せて、
余市のツヴァイゲルトレーベをガメイと見立て、
ピノ・ノワールとツヴァイをブレンドしたワインに、この名を付けたとのこと・・・

で、今回とうとう『ドメーヌ・タカヒコ』の3種のワインを買い付け、
最初は『ケルナー』を飲み、そして今回『10’パストゥーグラン』を開ける運びとなりました。





大ぶりのリーデル・ヴィノムのブルゴーニュにこのワインを注ぎ、
まずはステアーなどせずに、トップのノーズを探ってみますと、
コレは何とも、表現の出来ない、ラヴィリンスな芳香でして、
暫し陶然となりました。

同じ日本の葡萄の実、しかも現在は契約農家の実を使っている・・・

その中で、他の人はドウ感じるかはトモカクとして、ワタクシはこんな香気を発するワインは、
日本広しと言えども『ドメーヌ・タカヒコ』以外にはないだろう、と確信しております。

それだけ、キャラクタリスティックだ!ということです。

あまやかなリコリスにジンジャーやシナモン、そこに
漢方薬のアクセントを感じ、ジッと待ってると底からハービーな風味が立ち上がります。

それらが落ち着きを取り戻し、一段落したあとに、
濃厚なブラックベリーやらプラムのアロマを感じ始めるわけ・・・

それが何ともゴージャスでエキゾティックでエロティックなんですね!

味わいはツヴァイの程よいタンニンが骨格を与え、
ピノ・ノワールの果実味と絶妙なバランスで溶け合っているという塩梅なわけ・・・

もしこの造り手が、本当の意味でのドメーヌ造りとなった暁には、
どんな代物におお化けするのか?そんな期待を寄せているのは、ワタクシだけではないでしょう!

では、次は『ヨイチ・ノボリ キュムラ ピノ・ノワール 2010』を登場させます。
乞うご期待を!