The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1995 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン ポイヤック ボルドー

2012-07-29 10:22:42 | ワイン
『安比高原』の伝説の料理人のフレンチ『シェ・ジャニー』の後半の肉料理に合わせるべく、
持ち込んだワインが、この表題のワインなんですね・・・

『ピション・バロン』ボルドーはメドックの1855年の格付けの2級、
1986年には『アクサ・ミレジム』の所有となって、
『ジャン・ミッシェル・カーズ』の指揮のもと、
強力でメリハリのある、凝縮したワインが出来ております。

そして今回、持ち込ませていただいたヴィンテージは『1995年』、
実はこのヴィンテージは、落ち着きのある、調和の取れた、
バロンの割には抑制のきいたヴィンテージなんですね・・・

ワタクシはこのお行儀のよい、スタイリッシュで、薫り高いバロンが、
どんなにか春田シェフの肉料理の一皿に合うのだろうか?と期待に胸を高鳴らせ、
持ち込ませていただきました。



そしたら何と、最後の『盛岡短角牛の炭火焼、ボルドー風』のみならず、



一皿前の『鮑のソーテ、シェ・ジャニー風』の濃厚な鮑の肝のソースにも、
絶妙なマリアージュを見せてくれたわけだ!



クラシックなフレンチの圧倒的な濃厚さとそのヴォリュームを、
静かに鎮めて、そして果実の瑞々しさで油を流してくれるのは、
正しく正統なボルドーの役目であるわけですが、
そこにある種の品とタダならぬ香気の渦が伴えば、
そこにはグルマンの至福が訪れるわけですよね・・・

その日のバロンはそういう意味では、完璧な脇役として演じてくれました。

90’89’と比べれば、さすがに見劣りのする95’バロンですが、
ココでいいたいのは、蓮蓬(れんほう)議員の言葉を借りれば、
『一番じゃあなくては、ダメですか?』と言う気分!

実は全てのワインヒートが分かっている事なのですが、
ワインの真実は料理とのマリアージュに置いての一番は、
世評の一番とは違うところにあるという事なんですね・・・

ワタクシも改めてソウ思いました。