飛騨牛偽装問題が、全国版のニュースで大きく報道されています。
今日など、ワイドショーでもこの話題で持ちきりです。
社長が指示し挙げ句従業員に押し付け、という図式は、見慣れた分かりやすいものです。
ここで一言言わせてもらえば、この業者は地元の会社ではありません。
飛騨牛を扱っていますが、飛騨の業者ではないということです。
もっとも、ここまで地元に馴染んでくると、そうも言いきれないかもしれませんが・・・。
観光地の土産物というのは、現在では、関東の企業が造る製品が大きく占めています。
ご当地物といいつつ、実は全国共通のもので、パッケージが違うだけなのです。
飛騨もご多分に漏れず、土産物屋の店頭に並ぶ製品の半分は、企業の製品です。
昔は、といって、四半世紀も前になるかもしれませんが、飛騨の土産物は、飛騨の業者が、といってもお店に毛が生えた程度でしたが、造っていました。
選られた原材料を使用し丁寧に造って製品に仕上げました。
土産物といえど、手間も時間もかけていました。
それが、企業の製品が入って来るにしたがい、隅へ隅へと押し遣られていったのです。
それはもう、値段も種類も太刀打ちできません。
しかも、サービスも充実していて、例えばディスプレイなんかも提供してきます。
いつしか、他県産の土産物が堂々と陳列される結果となったのです。
もちろん、地元業者の努力のなさ、も問題視されるべきでしょう。
そういう点では、企業と堂々と張り合って製品を作っている地元の業者もあるわけですから、まんざら棄てたものでもありません。
ただ、私達が消費者の立場になった場合、観光地へ行き土産物を買うときに、ご当地の物だとはあまり期待しません。
どこの観光地でも同じ物を売っていることを知っています。
その場所へ行ったという印、ある意味、中身よりもパッケージを重視し購入してしまいます。
土産物なんてそんなもの、というのがあります。
だから、現在、それを逆手にとって、例えば、道の駅などで、地場産館などが併設されています。
本館にある土産物はパッケージ重視の土産物で、地場産館には、見かけはショボイですが、地元で採れたもの、造られたものが売られているわけです。
その棲み分けが良いのかもしれません。
求められるのは、売り手の良識、どこの世界でも同じことです。
そういう点では、今回の飛騨牛偽装問題、よくぞ内部告発してくれた、と思います。