26日の秋葉原駅前で行われた麻生さんの演説の様子は前回とはかなり雰囲気が違っていたようだ。
インタビューの様子から見れば依然として麻生さん支持が多かったようだが、自民党や民主党のサクラ?と思われる人達の「解散反対」、「とっとと解散しろ」のフラカードから、ネット上でお馴染みの「マスゴミの偏向に負けないで!」プラカードが画面に写り、 報道によれば「アキバはいつまでもてめーの味方じゃねーぞ」の紙を掲げた人もいたそうだし「アキバを利用している」など、批判的な声もあったそうで、前回のように必ずしもアキバ全体が麻生さん応援一辺倒の傾向ではなかっようだ。
[若者の意識の変化]
これには今までの小泉さん以来の自民党政権下での改革と、中国の台頭→日本の競争力の低下→派遣労働者の増加→給与格差、社会格差の増大など、とくに秋葉原に集う若者たちに大きな影を落としていたのに、米国発の金融不況の悪影響がもろに彼らに大きな影響がでると言う不安感が、麻生さんの秋葉原の演説の報道から浮かび上がっていたようだ。
マスコミは秋葉原に集まる若者を良く「オタク」と一纏めにしたがるが、彼らのかなりの人達が、日本経済の成長の影となりがちな低賃金と不安定な雇用に喘ぐ派遣労働者でもあるのだ。
[共産党入党者の増加]
それを反映したものが「蟹工船ブーム」であり、そして多分そう言ったワーキングプアと呼ばれる人達の共産党入党者の増加だ。
8月ころの報道によれば100万部売り上げるのに半世紀かかった蟹工船とと言う文学作品が、わずか半年で50万部も増刷され、共産党には1万人新規入党者が出たそうだ。
しかも今回の円の急騰と株の暴落で、共産党の勢いが増すことは容易に想像できる。
いずれ近い内に行われる衆議院選の特徴は、政権交代のほかには、ことによれば共産党の活躍と言うことになるかも知れない。
共産党から政権党の自民・公明の票が食われるかもしれないし、民主党に飽き足らない人の票が共産党に流れるかも知れない。
[経団連へ]
甘すぎる経団連
一方共産党を天敵としている経団連の動きも可笑しい。
彼らは企業競争力の強化のために、派遣労働者の働ける範囲の拡大を求めて、ワーキングプアや格差社会を生み出した上、最近では外国人労働者の規制緩和と量的な拡大を政府に提言したそうだ。
外国人労働者の受け入れ増加については多くの問題点があるが、若者の立場から言えば、EUや韓国で問題になっているように、自国の労働者の就職困難、給与の低下など深刻な問題が起こっている。
これで喜ぶのは入党者が増える共産党だけだ。
経団連が傘下の企業の生き残りのためには派遣労働者を増やすことや、外国人労働者の受け入れの拡大は一つの方法かもしれない。
然し経団連は産業界のトップである共に、事実上の日本の一方のリーダーだ。
派遣労働者の増大に伴う社会格差の増大による社会不安についての経団連の見解を示すべきだ。
また外国人労働者の増大が必要ならそれに伴う問題についてその対策まで示した上で、政府に提案すべきだ。
自分達に都合の良いことばかり政府に注文して、それに付随して発生する問題の処理は政府の責任だと言うのは余りにも無責任過ぎはしないだろうか。
今の経団連の態度を見ると直ぐに日本の銀行のことを連想する。
マネーゲームで金儲けに走り、失敗すると企業への貸出資金の名目で、日本銀行から超低金利の金を借りる→貸し渋りや貸し剥がしをつづける一方その低金利を海外の投資・投機資金に廻す→日本国民に迷惑をかけた原油や食糧価格の高騰→資金提供してきた米国の住宅バブルが崩壊→世界的な金融危機→また政府からの資金導入。
日本人労働者の確保
外国人労働者導入を政府に要求する前にやることがありそうな気がする。
労働力不足なら日本の少子化対策→日本人の労働力増加を考えてはどうだろうか。
政府の指導する生活と仕事のワークバランスをとる事、女性が育児片手でも働きやすいように社内に託児所の設置、育児休暇の活用など、取れそうな対策はいくらもある。
授業員のモラルの向上とその能力の活用
企業経営の面から言っても、マニュアル通りに黙々と働かせ、不要のときはさっさと切り捨てるなどロボット扱いにする派遣労働者、成果主義の名で正規社員の生活を無視した酷使などで、従業員達のモラルが向上し、彼らが100%の能力(潜在能力を含めて)が発揮するだろうか。
麻生さんの秋葉原の演説への反応の変化はその企業の労働力である若者の意識の変化だ。
それで先進国の技術を吸収し続けている、低賃金の中国やインドなどの企業に勝てると思っているのだろうか。
労働力不足を言う前にその能力を100%発揮させる方策を最初に考えるべきだと思う。
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