普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

ノーベル受賞と教育と外国人労働者問題

2008-10-08 16:24:02 | 政策、社会情勢

 不景気な話ばかりが続く中で、久しぶりに明るいニュースが飛び込んで来ました。
 南部陽一郎さん、小林誠さん、益川敏英さんのノーベル物理学賞受賞おめでとうございます。
 今日はまた表題のように難しい問題について考えて見ました。
 どうせ素人の考えることですから、多くの難点も多いと思いますので、どうぞ忌憚のないアドバイスや指摘、そして良ければなるべく前向きのご意見をお待ちしております。

[韓国における外国人労働者受け入れ]
 テレビ東京は、6日の「ワールドビジネスサテライト」で 特集として、外国人の雇用問題を取り上げ、韓国の例を紹介していた。
 同国では労働者不足対策として、日本の外国人の研修制度に似た制度から転換して、入国期間を6年を期限とする許可制の外国人労働者の受け入れを決めた。
・メリット:労働者不足の解決と、低賃金によるコスト削減
・デメリット:韓国人労働者の雇用問題と低賃金化の圧力、増大しだした外国人労働者の待遇改善要求による企業経営の圧迫(*注記)
 この報道に対してレギュラーのコメンテーターは、上記のメリットのほかにも、ハングリー精神を持つ外国人労働者の向学心を上げて、将来、韓国の技術向上の面でも貢献するのではないかと言っていた。

[教育投資の必要性]
 一方、フジテレビは5日に新しく発足した「新報道2001」の中で、米国の金融不況が日本の経済に及ぼす影響を取り上げ、日本人としてどのように対処すべきかとの設問に、何人かの人達の、「金は動かさずにしっかり持っておくこと」など常識的な回答の中で、唯一女性のコメンテーターが「教育、教育、教育」とフリップ出し、今こそ教育に投資して自分を高め将来に備えるべきだと主張していたのが非常に印象的だった。

[私の意見]
科学、技術開発も日常業務も大切
 今の日本でも、これからの将来はその持っている優れた人的資源と技術力で発展して行くべきたと言う意見が支配的だ。
 然し現実は韓国の抱えている問題が示すように、国民の中には科学知識や技術の向上に貢献できる人達と地道にこつこつ働くのが得意な人達に別れている。
 私は幾ら日本が技術向上を叫んでも、後者のような人達も日本には必要だし、その人達について敬意を払うべきだし、またその人達の技能向上などの投資も必要だと思う。
 然し現実問題としては、外国人労働者を入れればEUや韓国で起きた問題が当然日本にも起こるのは容易に理解できる。
 然し日本人の心情として西欧諸国(多分韓国も同じ?)のように社会格差を認められないと思う。
 だから外国人労働者も日本人労働者も同一賃金であるべきだの議論が出てくる。
 そして日本人労働者も韓国や西欧諸国と同じか、いやそれ以上の厳しい雇用問題に直面することになる。
 それを避けるためには中東諸国のように、自国民だけ金銭面で特別に優遇することしか無いが、日本にはその余裕はない。

・日本人労働者の教育  
 日本としては外国人導入については、特別の技術や技能を要する人に限っているのは今の所はベストではないかも知れないがベターの施策だと思う。
 然し少子化進行のための労働者不足の対策としての外国人労働者の導入はは避けられない情勢だ。
 それで唯一できるのは出来るのは教育で日本人のレベルを上げて、外国人労働者との差別化を図るしかないと思う。
 詰まり、知的な知識や特殊の技能を要する労働は日本人に、単純な肉体労働は外国人労働者に仕分け出来る様に教育を強化し、フジテレビのコメンテーターの言う様に教育への投資をを増やすことだ。
 然し財政困難な現在余分の投資の金額を節約するためには、学校の業務の合理化を図り、学校や教師はその基本目的化である生徒の教育にその焦点を当てるべきだ。
 然し最近また復活した日教組問題なども絡み教育改革が進まないのが現状だ。
 
・科学者と技術者の教育
 日本は前にも書いたように技術立国を目指している。
 然しここで考えねばならぬのは少子化の影響だ。
 技術向上と言ってもその技術のレベルとその技術の量の問題がある。
 仮に日本の全人口1億としたとき高度の技術開発件数を仮に100件としたとすると、全人口が半分になったときは単純に考えると50件しか開発できないことになる。
 それで世界に太刀打ち出来るかと言うと疑問になる。
 そうにならないためには、少子化問題の解決と教育でその割合を落とさない工夫が必要になるが、行き詰まり状態の少子化対策とまた前述の教育改革の停滞が障害となっている。

・大学の質の問題
 もう一つの政策は今政府が考えている「日本留学への誘い」から、「卒業後の社会の受け入れ推進」までの5項目で構成する「留学生30万人計画」
だ。
 この目的は今までの政府の方針のように、優秀な外国人の受け入れの線に沿ったものだし、私が心配するように日本の技術開発力の質、量の増強にも役立つものだ。
 然しこの施策にも障害がある。
 それは受け入れ大学の質の問題だ。
 優秀な学生が魅力を感じるような大学が日本にいくつあるかの問題だ。
 東大でさえ08年度世界大学ランキングで19位だ。
 これでは計画の目的の「海外の優秀な人材を獲得して日本の国際競争力を高めていく」どころか今までの留学生のように単なる、日本語の勉強、日本での就職、定住を狙ったものだけに終わってしまう。
 ここでもまた大学のあり方と言う教育の問題が出てくる。
 日本は大学についても適切な指導と評価と重点投資が必要と思う。
 優秀な大学への重点的な補助金の投入で、大学を活性化する必要がある。
 そのためにも教育投資の一部を割いて、今回のノーベル賞受賞者など、顕著な業績を上げた人達の出身校、在籍した大学への補助金の増額など考えても良いのではないだろうか。

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(*注記): 外国人労働者から見れば、最初は自国に比べれば高賃金で喜んでいても、韓国人労働者と同じ仕事をしているのに、給料の格差があると不満が出だすのは当然だ。