旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

行蔵は我にあり

2007年04月16日 23時40分26秒 | Weblog
出久根達郎著「行蔵は我にあり」 文春新書 副題「出頭の102人」

旧幕臣が新政府の重臣になったことを福沢諭吉から非難された勝海舟が、「行蔵は(行蔵とは出処進退のこと)我に存す、毀誉は他人の主張。」と述べたというくだりや、鈴木大拙が「書物は読まなくてよい、所持するだけでよろしい、書物の放出する気を取り込むのだ。」と述べたというエピソードに、ついつられて買ってしまった。

元々、浅く広く読むのが苦手で、買った瞬間に「しまった」と思ったら、やっぱり中身は薄かった。立ち読みで事足りる内容である。出頭には二つの意味があって、もっぱら芳しくない意味で使うが、「他よりもすぐれている」が本義らしいことを知ったことが成果といえば成果と諦めてみる。

高村光太郎や左卜伝については興味を持って読んだ。が、しかし、如何せん伝記と名言をひとり当たり3分間で読めるようにしたのでは高校の参考書程度の情報量しかない。最近、権威というものに対して疑問を感じることが多い。偉人伝の類であろう。ひと通り目を通してから放り投げた。

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