旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

今年をふり返って

2009年12月29日 20時30分46秒 | Weblog
休暇があってないような保険会社から転職してちょうど半年が経過しようとしている。来月からめでたく年に10日間の有給休暇がとれる。年休権は、労働者が6ヶ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合に発生する。この半年間で1日しか休んでいないから、117÷118≒99.15%>80%、実に立派な出勤率だ。有給休暇は有効につかわせていただくことにする。

当初は、慣れないデスクワークとコンサルティングで大いに戸惑った。官民のカルチャーショックすら覚えた。しかも、朝6時に起床、7時過ぎには家を出る。この数10年間経験がない規則正しい生活を送った。転職したのがちょうど夏場であったことも手伝って体重は2か月で5キロほど落ちた。前歯が虫歯にやられて土日のいずれかに治療をした。

この間、サバイバルを賭けた資格試験に挑んだために休日にゆっくりと休養した覚えがない。歯の治療で神経まで抜かれたから尋常な状態ではなかった。歯を削ったり磨いたり、麻酔をかけられたりで体況が万全なはずがない。当初は趣味で取り組んだ農業もいつしか義務化して尻すぼみになっている。

それでも気が張っていたせいか風邪ひとつひかなかった。毎日毎日さまざまな要望の方と話し、粛々と手続きを進めるのが職務であるから気が抜けない。相手は自らの職業生活を賭けて来所しいているのだ。この半年で飲みに出たのは3回に留まる。月曜から金曜までのこの緊張感は過去に経験したことがない。なにしろ失敗が許されない職種なのだ。

休日の虚脱感から解放されつつある。見かけ以上に公務というのは消耗するのだ。すべてを役所や役人のせいにする傲慢な市民やマスコミの責任は重い。自分の権利ばかり主張して義務を負う習慣を身につけていない市民には辟易とする。いくら善意で臨んでも言葉が通じないのだ。言葉が通じないことに諦念しているわけではない。当方の力量不足と考えて言葉と経験を磨いている最中だ。末端公務員は職務から逃げることができない。

仕事に関していうと、キャリコンの資格試験に挑戦して「傾聴」(自らの意見を語る前に相手の話を聞けということ。)の重要性に気がついた。

今年の成果は、歯の治療によって長年のコンプレックスが解消したので他者との会話が容易になったこと、通勤の列車の中で改めて読み始めた「大学・中庸」の通読によって儒学学習の足場を築くことができたこと、「ブッダ最後の旅」の通読によって仏教に親しみが持てるようになったこと、農業の基本が解り始めたこと、このあたりに尽きる。