旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

翻訳

2009年12月23日 09時39分31秒 | Weblog
原著「Moby Dick」と「The Wealth of Nations」、それに「白鯨」「諸国民の富」(岩波文庫)を並行して読み始めた。古典は、英文でわかりにくい部分を和訳で、和訳でわかりにくい部分を英文の原著で読むというのが私流の読書法だ。 

英文で読む限り、「The Wealth of Nations」は平易であり、「Moby Dick」は難解だ。経済学の場合、用語が定義されているので、基本的なterm(学術用語)さえしっかりと押さえておけば論旨はおのずと読んでとれる。ところが文学作品の場合は、語彙を駆使して「あること」を表現している。学術論文の読解のような具合にはいかない。表現も多様を極める場合が多い。

最近、知り合いの若い女性から、「はやとさんは若い女性から電話番号を聞かれたことがありますか?」と尋ねられた。「自慢じゃないが、わたしはもてないことに自信がある。聞かれた経験が一度もないし、身のほどを知っているから相手に尋ねたこともない。」と即座に答えた。

若い女性の質問が学術的質問であり、私の回答が文学的な回答ということになるのではあるまいか。実をいうと私の場合、意外にモテるから電話番号を聞く必要などないのだ。

思えば、好奇心の赴くままに濫読を続けてきた。ブレッド&バターのための不規則な生活が系統的な読書の妨げになっていたようだ。30数年ぶりに規則的な生活を取り戻せたので、これからは系統的な読書を心がけようと思う。もっとも読書の世界では、読む側に著作の取捨選択の権利がある。まずは己の頭の整理をしながら、好奇心が赴くままに蔵書した本の整理を始めることにする。