旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

田口久美子

2008年12月03日 01時39分16秒 | Weblog
たまたま新幹線口の「フタバ図書」で立ち読みをしていたら「書店風雲録」という文庫本が目にとまった。題名に惹かれるところがあったので目を通してみた。予想通り面白い。著者の田口久美子さんが西武百貨店グループの「リブロ」と「ジュンク堂」の名物店員であることは一読して判った。なによりも書籍販売にかける志しが高い。最近、目が疲れやすいので活字がやや大きいハードカバーを買うことにした。

問題は買い方にある。帰宅するや愛用のPCでamazonにつないで田口久美子で検索をかけてみたところ、中古でリブロ時代の「書店繁盛記」とジュンク堂の副店長になってからの「書店風雲録」の総計50冊ばかりが文庫版の半値以下で売りに出されていた。もちろんハードカバーである。しかも送料を加えても文庫版の定価以下だ。5日前に注文をしたら今日2冊が届いた。ともに新品と同様の程度だ。

読者を顧客とする流通側のひと(出版社や取次業、書店の内情)について詳しい。好奇心旺盛なわたしは、好きな読書に関して古本屋さんの実態にとどまらず新本を扱う一般書店の内情について知るところとなりそうだ。ドキュメントタッチの読みやすさにつられて数時間で「書店風雲録」の約半分を読み終えて、ただいまコーヒーブレイク中である。

先日、カポーティの「冷血」をDVDで鑑賞した。ノンフィクションの草分けといわれる「冷血」はやはり活字で読んだ方が興味深かった。映像表現にはどうも想像力を妨げるという制約があるようだ。