女友達と焼肉を食べてから、いつものように腹ごなしに古本屋に入った。講談社らしくない「人間の知的財産」シリーズが目に留まったので眺めていた。すると女友達がニヤニヤしながら「たまこ」かあ、と吐息とも独り言ともつかない言葉ををもらした。
「なに、たまこ?」と視線を追ってゆくと、なんとそこには買おうと思っている「朱子」があった。そうだよなあ、朱の左に王か玉を置けば、珠子だよなあと思いつつ、「この『たまこ』とハイデッガーください。」とおちゃらけてみた。
店主は、口をゆがめてニヤリと笑う。「たまこですか?」「そう、このひと、朱子のことを『たまこ』と読むんですよ。」と答える。女友達には、自分に興味のないことに関しては、この程度の教養しかないことを自慢したがる癖がある。
いづれにしても、以前から陽明学について一通りの知識を得ておきたかった。知的財産シリーズは解説が中心だから、しめしめ原著に当たらずに楽して陽明学が理解できるぞとほくそえんだ瞬間、いやな予感がした。
店を出てから、「おい、陽明学は王陽明じゃないのか?」と、どこかから声が聞こえてきたような気がした。れれ、おれが買ったのは、たまこ=朱子じゃないか?オー・マイ・ガッド!後の祭りである。
「なに、たまこ?」と視線を追ってゆくと、なんとそこには買おうと思っている「朱子」があった。そうだよなあ、朱の左に王か玉を置けば、珠子だよなあと思いつつ、「この『たまこ』とハイデッガーください。」とおちゃらけてみた。
店主は、口をゆがめてニヤリと笑う。「たまこですか?」「そう、このひと、朱子のことを『たまこ』と読むんですよ。」と答える。女友達には、自分に興味のないことに関しては、この程度の教養しかないことを自慢したがる癖がある。
いづれにしても、以前から陽明学について一通りの知識を得ておきたかった。知的財産シリーズは解説が中心だから、しめしめ原著に当たらずに楽して陽明学が理解できるぞとほくそえんだ瞬間、いやな予感がした。
店を出てから、「おい、陽明学は王陽明じゃないのか?」と、どこかから声が聞こえてきたような気がした。れれ、おれが買ったのは、たまこ=朱子じゃないか?オー・マイ・ガッド!後の祭りである。