旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

2006年07月05日 23時03分04秒 | Weblog
科刑というものは比較考量の中で決定されます。比較考量という考え方を無くすると刑法の体系なんて成り立ちません。窃盗で死刑、殺人で不起訴などということはありえないのです。わたしの意見があなたに解りにくいのは、きっとわたしが科刑の本質と、わたしの個人的な意見を並立的に述べているからでしょうね?では話を解りやすくするために、わたしの個人的な意見は述べないことにします。

『死刑を犯罪抑止のために利用しようするのは間違いでしょう。死刑はあくまでも犯した罪を償う為のもの。 死刑があるから犯罪が無くなると思おうとするほうが間違っている。そこまで法に期待するのほうが危険です。』 というあなたの意見は、応報刑主義といって「刑罰の本質を犯罪という悪に対する応報と考える立場」に該当します。

ところが応報刑主義に対して教育刑主義という有力な学説があります。「刑罰の目的を、犯罪者の社会復帰のための教育であると考える立場」です。現行刑法にもこの思想が大きな影響を及ぼしています。

彼は社会復帰ができないような極悪人でしょうか?性犯罪者は何度でも同じことを繰り返しますか?結婚制度そのものが管理売春であると考える学者がいます。だからといって男ども全員を投獄しますか?社会から隔離しますか?

ところで、終身刑がないのなら死刑しかないというご判断ですが、無期懲役は終身刑の一種です。あなたの方で、なぜ彼を死刑に処すべきだと断定できるのか解りません。裁判官がいったい何から逃げていると仰りたいのでしょう。まさか、あなたの個人的な意見から逃げているとでも?或いは、マスコミの論調から逃げているとでも?裁判官が「最低の道徳」的判断から逃げているとでも?

だからこちらも、あなたが仰りたいことを理解できません。極めて解り難い議論ですね?『私はこの事件に関し最初から犯人は死刑となるべきと思っていました。』ですか?これは単なるあなたの思い入れに過ぎないのじゃないのでしょうか?

以前、尊属殺人という規定がありました。刑罰は無期懲役もしくは死刑です。親殺しですから通常の殺人罪の刑罰規定である3年以上の懲役または禁固より重いのが当然だというわけです。 この規定は結局、憲法違反だということで削除されました。親殺しだから無期または死刑で当然だと皆さんも考えるでしょう?わたしも最初はそのように考えました。応報刑主義にのっとればそういう結論が導かれることになります。ところが実態は違っていたのです。

刑法 第181条 強制わいせつ等致死傷
 強制わいせつ・強姦・準強制わいせつ及び準強姦の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期または3年以上の懲役に処する。

刑法 第99条 殺人罪
 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは3年以上の懲役に処する。

またまた大脱線です。何事も決め付けはよくないという考え方が核心にありますもので、つい長話に・・・。じゃ。

人民裁判の風潮

2006年07月05日 16時34分25秒 | Weblog
どこかで線を引かなきゃならないのでしょうが、戦争犯罪、闇金、パワハラにセクハラ、企業倒産の当事者やヤクザ屋さん等、自分の欲望のためにひとを死に至らしめる稼業もこの世には存在します。かれら全員を死刑にすれば、この世から人殺しがなくなるとも思えません。自殺という他殺も年間に3万件を超えています。

ひとを殺したから死をもって償う方式では、手癖の悪いひとが盗めば腕をへし折る。飲酒運転でひとをひき殺したら、逆にひき殺しの刑。強姦すれば虚勢。無防備な子供を犯したり殺害したら親によるリンチ、被害者によっては、ここまでエスカレートしないことには満足が得られにくくなってゆくことでしょう。

人民裁判的な風潮は何としても食い止めなくてはなりません。ですから、この地裁の裁判官の判決を支持します。高裁や最高裁まで争うことができるのですから、検察には真相を究明して死罪に値することを証明していただきたい。

マスコミの扇動から少し距離を置いて、もっとわれわれは裁判制度に関心を持つべきじゃないでしょうか?裁判員制度も導入されたことですし・・・。

と書き終えても、あの容疑者には無性に怒りがこみ上げてきます。市中引回しのうえ獄門晒し首・・・。でもこう言っている内にも、「奴さん、貧乏な国から出稼ぎに来た外国人だものな。」という嫌悪感をぬぐい切れないのはなぜ故?

美味いもの

2006年07月05日 12時28分07秒 | Weblog
目の玉の中に凸ができて景色がゆがんで見える。こころの方はゆがんでいないつもりだからどーってことはないが、不気味だ。医師にいわせると治療法がないという。それでも、脳の異常とか悪性新生物が原因ではないというお墨付きをもらったので一安心。ここ2~3日はおとなしく静養することにした。

なんでも血行が悪いと発症しやすくなるらしい。生活習慣病の典型である高血圧に高脂血漿の症状もちだから油断ができない。信頼するホームドクターがおっしゃるように、まず減量から始めなくてはならないようだ。

食事を減らして適度の運動をすればこの目の症状から開放されるのであろう。要は、「人間やめますか?減量しますか?」の域に近づいているのだ。禁欲の「たが」が外れると、人工透析の専門医先生からうかがった「快楽病」に罹る。「贅沢は敵だ」とまではいわないが、「美味いものを食べたい」というこの衝動に手を焼いている。