昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

まさか今ごろ・・・白鳥が

2007-04-20 18:47:54 | じゃこしか爺さんの見て歩る記
 しばらく外歩きをしていなかったので、一番暖かくなる頃合いを見はからって、対岸の遊歩道に出かけた。しかし家ではあまり感じなかった風が、川沿いの道路におりたとたんに吹きつけてきた。それも海からのかなり強い向かい風である。
 せっかく出て来たからには少しも歩かずに退散するのも癪だったのですぐに住宅街をながれる支流の仁々志別川の河原にコースを変えた。
 風はまったく無いわけでもなかったが、周りに立ちならぶ住宅がちょうどよい風除けとなってくれて、先ほどの風のいきおいを半減させていた。

 枯れ草ばかりがつづく河原路をのんびりと歩いてゆくと、やく百メートルばかりの先の川の中ほどで羽ばたく白いものを目にした。はじめはカモメでも風を避けているのだろうと簡単に思っていたのだが、近付くにしたがいそのその大きさに違いを感じた。白鳥ならもうとっくに帰っていないだろうし、あるいは先ごろ新聞に載っていたアオサギかも知れないと、静かに近寄って見た。
 なんとそこで目にしたのは、まったく居るはずのない白鳥だったのである。ただ先だってまで本流にいた群とは違って、首の居ろぐあいは真っ白ではなく灰色がかっていたから、べつの種類なのか、あるいは幼鳥のたぐいなのか、わたしには良くわからなかった。

 わたしたちの足音にでも気づいたのか、5羽の白鳥はいったん遠ざかりはじめたが、こちらを危険の無いジジィとババァと思ったのか、逆に方向を変えて近付いてきた。
 さらによほど人馴れしているのか、ぜんぜん恐れる風情もない。おそらくここへ来る前にも、人の手から餌でももらい続けていたのだろう。

 まさか4月もなかば過ぎてから、白鳥にふたたび出会えるなんて少しも思っていなかっただけに、その嬉しさは格別だった。
 
遠くで羽ばたいている5羽の白鳥

足音で遠ざかる白鳥

いかにも親しげに近付いてきた白鳥