昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

密かに忍び寄る黒いハンター

2007-01-31 20:55:46 | 日々の雑記
 先日からの可愛いい訪問者ヒヨドリは、老妻が用意した柿やリンゴの誘われて、この頃では毎日のように朝夕ばかりか日中でも姿を見せるようになって、楽しみ少ない老人夫婦を何かと癒やし手呉れている。
 良く観察すると、捕食の順番は相変らずでボス級がキ・キィ―と一際甲高い声を上げながら近付くと、餌台の周りで順番待ちをしていた小物たちは、一斉に逃げ出してしまう。
 しかしまだ食べ足り無いのか遠くへは飛んで行かないで、直ぐ近くの二本の「オンコ=イチイ」の木に逃げ込んでチャンスを窺っている。そうしたヒヨドリたちの様子を見ているのは、全く飽きの来ない楽しい一時でもある。

 最近になって大物ヒヨドリたちが余り来ることの無い昼中ごろに、まだ若いやや小柄なヒヨドリが二羽現れて、いがみ合う事や追い払う行為などは一切すること無く、至って仲睦まじく過ごしているのが見られるようになった。恐らく最近結ばれたカップルなのだろう、お互いの動作が可愛いくまたとてもいじらしい。

 ところが今朝のことなのだが、裏の家の物置小屋の屋根に黒猫を見付けた。それは恰も目の前の獲物を狙い、まさに飛び掛る寸前の構えだった。
 その黒猫は昨年あたりから、この界隈に住み着いて何かと悪さを仕出かしている野良猫であった。オンコの木の枝の茂みに潜り込んだヒヨドリを狙っていたのだろう、ヒヨドリから目を離して何気なくめぐらせた私の目と合った瞬間、態勢を一転させて逃げの態勢に移った。
 それまで猫がヒヨドリを襲って捕食するとは思いもしなかっただけに、何か途轍もなく恐ろしいものに出会ったような驚きで一杯だった。
 猫と云っても元々は野生の生き物だから、脳の内奥深くに潜む野生の本能と思えば、不思議でも何でも無く極く当り前の事なのだろう。それにしても間一髪出来事で、しかし私がヤキモキ心配する事は無くて、ヒヨドリの方でも野生の本能で逸早く感付いていたのかも知れない。

 なお写真は、追い払うのに気をとられてシャッターチャンスを逃し、すっかりぼやけてしまった。

注~オンコはイチイ(一位)の木で、北海道ではアイヌ語由来のオンコと呼ばれる。

仲睦まじく餌を啄む合うヒヨドリのカップル

餌をとっている間一方が周りの警戒を怠らない

木の中のヒヨドリに狙いをつけた野良猫

私の脅しに慌てて逃げる野良猫