ルンルンピアノ

ピアノ教室の子どもたちとの楽しい毎日。。。。。。

854      桑原しんいち ギター弾き語りリサイタル

2007-12-02 10:42:52 | Weblog
※ リサイタル後の記念撮影。
左より野間五段、N、友情出演でケーナ奏者の青木直之さん(後方)
本日の主役 桑原しんいちさん、山崎七段
クリック♪


お昼にこさえた、稲庭うどん を食べる。
「これ、どうやって食べるん?」 
お皿に盛ったウドンを見ながらNが聞く。
「かけづゆをかけて、ぶっかけみたいにしようと思ってたんやけど」
「ああ、そうか」
ウドンの上にネギとしょうがを乗せ、その上からツユをサーッと回しかける。
麺はツルッとなめらかな舌触りで、細麺ながらしっかりとコシがある。
「オイシイね」
「うん」

2,3口食べてからNが切り出す。
「これ、ダシを ‘かける’ んやなくて、‘浸けて’ 食べた方がいいんと違う?」
「エエ~? そうかなあ」

考えつつ口にすると確かにそんな気がしてきた。
(そういえば以前行った西宮の○○でも、小さめの器に入ったつけつゆで食べたっけ・・・)
しかし、食担当の私としてはスンナリと非を認めるワケにはいかない。
「私はやっぱりぶっかけ風のほうがイイナ」
「そうかな・・かけて食べたほうがウマイで」

そのうちかけづゆが薄まってきて (もともと濃い味ではないのだ) 味がしなくなる。
ツユに浸けながら 「うまいな~」 と食べるNを尻目に、味のしない稲庭うどんを黙ってすすった。
(今度は素直にツユにつけて食べようっと


少し昼寝をしたあと出かける準備をする。
きょうは桑原しんいちさんの ‘フォルクローレ演奏活動20周年 ギター弾き語りリサイタル’ があるのだ。
3時少し過ぎに家を出る。

チラシには ‘なんばより急行で20分’ とあったが、「それよりも新今宮から行くほうが早いで」 とN。
何もわからない私はNの言うとおりに着いて行くだけだ。
梅田から環状線に乗り 「新今宮」 から南海線に乗り換える。
会場のある ‘北野田’ へ行くのだが、よくワカラナイらしいNが駅員さんに確かめ、‘準急 和泉中央行き’ へ乗り込む。

「ちょっと遅れるかなあ」 車内に座ったとたんNがつぶやく。
「もっと早く出えへんからよ」
「自分が出がけにグズグズしとったからやろ」
お決まりのやりとりが始まった。

10分ほど経った頃、車内の停車駅表示板を見上げていたNが 「あれえ?」 と小さく叫ぶ。
「なに?」
「これ、北野田停まらへんで」
「エ! どーして?」
「わからんけど・・・・これ見たら停まらんようになってる」
見てみると、‘なかもず’ で乗り換えないといけないようだった。

「おかしいなあ・・・駅の人が言い間違えたんかなあ」

アワテテなかもずで降り、次の普通を待つ。
待ち合わせ時刻の5時まで、あと10分だった。
「野間くん、もう来てるやろうなあ」
ようやく電車が来て飛び乗ると、Nのケータイが鳴った。
「モシモシ・・・えっ? 今起きたんか?! ・・・・ああ、じゃあしょうがないな。 ちょっと遅れるやろうけど、急いできいや」
山崎七段から遅刻の連絡だった。

約束の時間に10分ほど遅れて北野田へ到着すると、ベージュのコートを着た野間五段が寒そうな顔で待っていた。
「遅くなってゴメンネー」
「いや、僕もちょっと遅れて来たんですわ」

野間五段が遅れるとは珍しい。

そのまま駅に隣接する会場へ向かう。
夜景を見ながら、「ああ、前に来たのと同じ場所やなあ」
「なつかしいですねえ」
「あのとき急に寒くなってさ、そこのお店で服を買ってもらったよね」

会場の東文化会館5階へ上がり、受付の風船かずらさんやTさん達にアイサツ。
ロビーに展示してある前田尋さんの切り絵を楽しく拝見させて頂く。
‘街角のタンゴ’ が特にステキだった。
Tさんにアイサツしながら
「8年前にもここでリサイタルしたんですよね、なつかしいなあと思いながら来ました」
「いえ、あれは別の会場で違う駅ですよ」
「???」
「市の公共施設はどこもよく似てますからねえ」

そのうち山崎七段が到着。
「間に合ってよかったなあ」
「何しとったん?」
「今まへず~っと寝てまひた」
ひどい口内炎のようだった。

1番うしろへ座ったが、客席はほぼ埋まっている。
8年ぶりのリサイタル・・・桑原さんは今どんな心境だろうと思うと胸が熱くなる。

間もなく開演のベルがなりホールの照明が落ちた。
ひと呼吸おいてフッと照らし出されたステージに、チョコンと帽子をかぶった桑原さんが登場。
期待とエールのこもった拍手が響き渡る。
きょうはステージまでが遠いので、桑原さんのいつもの照れたような笑ったような表情は確認できない。
ペコリとおじぎを1つして演奏が始まった。

前半は静かなギターソロ (日の出 Salida del Sol) で開始。
ウットリするほど美しい響きだ。
「キレイな音だね~」
「うん、桑原さんやっぱりウマイなあ」

その後、
『石と道 Piedra y camino(Vo+G)』 
『ギターよ教えてくれ Guitarra dimelo tu(Vo+G)』 
『春 La primabera(G)』 
『石のチャカレーラ Chacarera de las piedras(Vo+G)』
『牛車にゆられて Los ejes de mi carreta(Vo+G)』
『ツゥクマンの月 Luna Tucumana(Vo+G)』
『おやすみネグリート Duerme Negrito(Vo+G)』
『小さな星 Estrellita(G)』
『ベサメ・ムーチョ Besame mucho(Vo+G)』
『アルフォンシーナと海 Alfonsina y rl mar(Vo+G)』 と続く。

この間、MCは一切なし。
あえて演奏だけで勝負しようとする桑原さんの心意気がマザマザと伝わってくる。

『牛車にゆられて』 はリクエストしていた曲だったのでドキドキしながら聴く。
『ベサメ・ムーチョ』 と 『小さな星』 は今回初めて聴いた。
ポピュラーものが少ない桑原さんにしては珍しい選曲だなあと思ったが、ものすごく良かった♪
ちなみにベサメ・ムーチョとは ‘もっとキスして’ という意味らしい。

15分の休憩をはさんで第2部の開始。
お色直しをした桑原さんが登場する(カッコイイなあ
2部は全部で9曲、うち7曲が桑原さんのオリジナル曲だ。

『オブリビオン(忘却) Obrivion』
『君の教えてくれたこと』
『悲しいチャカレーラ』
『Sur y Norte(南と北)』
『あこがれ』
『パルデラーマ Balderrama』
『La amistad(友情)』
『或る人のかたち』
『Estoy buscando una copla (詩(うた)をさがして)』

2部はMC入りで、「眠くなる曲が続きますが・・・」 のセリフが多い。
1.2.3曲目あたりは確かにそうだったが、退屈とかいうのではなく、何か麻薬でも打たれたような、ボーッとしつつもどこかハッキリと覚醒している・・・
そんなフシギな状況におちいる。

4曲目からは、友情出演、青木直之さんによるケーナが加わって数曲。
「ずいぶん前にボクが作った曲でゼヒ吹いてくれと頼んだんですけど・・・こんなムズカシイの吹けるかいと言われ、この10年間1度も吹いてもらえませんでした。
今回はどうしてもやってくれと頼みこんでの演奏です」

初めて耳にする 『南と北』 は、物悲しい旋律が冒頭からユックリと始まる曲。
最初の1音が鳴り出した途端にグッと引きつけられる。
かすかな啜り泣きのようなケーナの音色、
古代から流れてくるような、ゆったりとしたメロディー。
根底から低くざわめくギターの響き。
「いいねえ」
「うーん、キレイやなあ」

今回のリサイタルの中では、この 『南と北』 と、ラストの 『詩(うた)をさがして』 が1番光っていたように思う。

そのあとに続く 『あこがれ』 も、そこはかとなく暗く美しく、発熱どきに聴くのにピッタリの曲だ。
そしてあっという間に、熱唱 『或る人のかたち』、 そしてラストの 『詩(うた)をさがして』 へとなだれ込んだ。
今回の 『詩をさがして』 での桑原さんの歌と演奏はカンペキに近かったと思う。
最後の1音が吸い込まれるように消えたとたん、会場中から熱い拍手が沸き起こった。
桑原さんが席を立ち、ペコリと1つおじぎをして舞台の袖に引っ込む。


桑原さんのライブを聴くのはこれで何度目のことだろう。
今回は演奏活動20年を記念してのリサイタルだったが、歌と演奏のレベルの高さには正直ビックリさせられっぱなしだった。
いつもは飄々としているスナフキンの桑原さんだが、このリサイタルにかける並々ならぬ熱意が、怒涛のごとく伝わってくるステージだった。
「来てよかったねえ」
「ああ、本当やなあ」
「いやあ、スゴイでふねえ桑原はん。 本当にヨカッタでふ!」
口内炎の山崎七段も野間五段も、満足そうな表情でニコニコしている。


お誘いがかかり、下の喫茶店での打ち上げの席に参加させて頂くこととなった。
生徒さんや桑原さんの友人30人ほどが集まり、おいしいパンやお茶を頂きながら楽しいひと時を過ごす。
桑原さんのHP ではツトに有名な風船かずらさんがこちらのテーブルへ来て下さり、様々な話題に花が咲く。
桑原さんにはとても聞かせられないようなウラ話(?)も聞く事ができ、ますますのファンになってしまった
これからも力いっぱい応援していくぞ~!!


山崎七段と野間五段とは新今宮で別れる。
2人ともすごくいい表情で安心した。
音楽と将棋
生きる世界は違うが、みんなそれぞれ悔いのないように頑張るしかない。
そして時々、きょうのように元気な顔に出逢えたらシアワセなのだなあと思う。


きょうはいい1日だった。
皆様、ありがとうございました


ルンルンなつかし劇場

「クロ子さんのほうがカワイイのにな~」 といつも思っていた

コメント (14)
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