マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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20年ぶりに宿泊する宇陀本郷の椿寿荘

2018年04月16日 09時05分56秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
過去4回ぐらいは泊まったことがある宇陀市大宇陀の本郷にある椿寿荘。

当時は県の老人保養センターだった。

たしか75歳以上は2割引だったような気がするが・・。

家族揃って泊まったこともあるし、弟家族とかおば家族とも連れだって行ったことがある。

ゆったり寛げる施設はお気に入りだった。

なぜにこの施設を知ったのか覚えてないが、ロビーに一冊の小冊子があったことを覚えている。

その小冊子は全国にある老人保養センターを紹介した本。

月ごとに棒グラフがあった。

その棒グラフは施設ごとの頁すべてにあった。

棒グラフは12カ月。

グラフの値は利用者数。

つまり、何時の季節が多いか、少ないか一目でわかるグラフだった。

この小冊子は素晴らしいですねとフロントに伝えたら余分にあるから差し上げますと云われてくれた。

それからというものは旅の便利帳になった。

おふくろを連れて旅に出る。

四国も行ったことがある。

なんせ、行き先に応じた施設がその小冊子に載っていた。

予約の電話を入れては旅に出る。

75歳以上の特典もあるが、全般的に公共宿泊施設とかわりない。

どちらかといえば他施設よりも安かったような記憶がある。

それ以上によかったのは料理が旨いことである。

とにかく美味しい料理に特別料理を頼むこともあった。

ここ椿寿荘では鯛のアラ煮を頼んだことがある。

甥っ子はその味を今でも覚えている。

こんなに美味しいのは、ここ以上どこにもない。

おふくろも美味しいと云っていた。

特に強調したいのは老人に優しい料理である。

どれをとっても固くなく、柔らかいのである。

口当たりも良いし味も良いから全部をたいらげる。

しかも椿寿荘は温泉がある。

芯まで温もった身体は火照るが冷めにくい。

よく泊まったのは冬場だ。

外は寒いのに部屋中は熱いほどだった。

年月は覚えてないが予約した日が大雪になったことがある。

我が家を出ようにも道路は20cmも積もっていてタイヤが滑る。

下りはなんとかいけても登りは到底無理な大雪だった。

とてもじゃないが車を出すことはできない。

仕方がないから椿寿荘に電話をした。

大宇陀も相当な大雪だったが、近鉄榛原駅まで迎えに車をだしますから、どうぞ、ということだ。

というわけでその日の足はバスと電車。

乗り継いで到着した榛原駅。

中型の送迎車が来ていた。

当然ながらのチェーン走行。

ガチャガチャ音を立てて走る。

ガチャガチャは音だけでなく身体も微々の上下振動。

本郷池にある椿寿荘は凍り付く急坂。

難なく車が登っていった。

そんな思い出のある椿寿荘は実に20年ぶり。

外観はまったく変わっていない。

左にある温泉浴場もそのまんまだ。

玄関まで迎えてくれる職員さん。

県の職員ではなくNPO団体の職員さんだ。

県が外部団体に経営を団体に委嘱して継承された椿寿荘は「かぎろひの里 椿寿荘」として生まれ変わったが、建物など施設は昔のまんま。

20年以上も前はなかったエレベーターがある。

これが設備された前から利用していた。

高齢者にとっても便利な昇降機。

あるのとないのとえらい違いだったとこを覚えている。

椿寿荘宇陀寮は県営施設として昭和46年に開設された。

今から46年も前のことである。

それが寝耳に水のように突然に発表された施設の廃止である。

老朽化を理由に平成21年3月に廃止するという情報である。

そのことを知った団体はNPO法人「宇陀街づくり研究会」である。

県は土地を除く施設の無償譲渡公募をした。

4団体が応募。

公募審査委員会は地域の活性化を高めると判断されて「宇陀街づくり研究会」に決まった。

その件については新聞報道で知っていた。

同年の平成21年4月より同団体で運営されるという記事を読んでとても悦ばしいことだと思っていた。

予約した時間に着いておふくろとかーさんを降ろす。

私は大宇陀に用事がある。

大宇陀も榛原もお世話になっている取材先がいっぱいある。

お礼に出かけたい箇所は2カ所。

1件は大宇陀万六で製造販売されている和菓子屋さん。

“志を乃屋”・野口昇栄堂である。

1月21日に取材した万六のカンセンギョ(寒施行)写真をさしあげようとしたが定休日だった。

仕方ない。

会いたい人はもう1件ある。

榛原笠間でほうれん草栽培をしているご主人だ。

たぶんに作業場におられるだろうと思って訪れたらまさに出荷作業中。

年から年中、栽培、供給しているほうれん草栽培はいつも忙しい。

3月5日に行われた榛原笠間桜実神社の祈年祭の御田植祭の写真である。

ご主人が写っている数枚をさしあげたかった。

おられてほっとする。

立ち寄ったのは供えた杉の実の模擬苗をいつ立てるのか、である。

今年は冷え込んだ。

電話もしたが、冷え込みが長引いて遅霜がずっと続いている。

なんとかハウスに育苗した箱を置いた。

2回目は3日後になるようだと云われた。

できるなら29日にお願いできないかと申し出たらそうするという。

ありがたいお声に飛びついた。

そんなことがあって戻ってきた椿寿荘。

二人の女性は只今温泉中。

戻ってくるまで待つことにする。

その間にしておきたい作業がある。

WI-FIのセッテイングである。

利用できると知って持参したパソコンとタブレット端末の無線接続のセッテイングである。

WI-FIはFreeWI-FI。

接続メニューから選んでクリックすればすぐさま繋がった。

これだけでネット環境が整った。

ありがたい施設である。

早速、インターネットを立ち上げて連絡しておきたい処にメールを送る。

ところがいくら待っても終わらない。

何かが邪魔をしているようだ。

同じ事象は有馬でも発生した。

セキュリテイの関係でメール受信は可としても送信は抑えているようだ。

セットアップや送信などで手こずって焦り。

温泉から出てきた二人とバトンタッチして湯舟に浸かる。

疲れもぶっとぶぐらいの心地いい温泉の湯。

それもただ一人。

戻ってきた二人も貸し切り状態だったという。

たしか何組かの客人がいたはずだが・・・。

予定よりも20分遅れで始まった大宴会ではなく我が家の3人だけが占領する宴会場はテーブルに椅子だ。

昔の大宴会場は畳座敷だった。

カラオケ設備などを設置している舞台は変わっていないが、敷きもんを敷いた会場とはなんとなく違和感がある。

ここでかつて歌っていたカラオケ三昧の独り舞台。

ついでに乗ったかーさんも歌っていた。

子どもたちはカラオケに飽きたどころか、何曲もガンガン歌っていた私に、もぅ煩いと云って耳を塞いでいたことを思い出す。

思い出は尽きない。

ようやく席に着いて会席をよばれる。

始めに頼んだビールで乾杯。

税抜き価格の500円の瓶ビールは500mlの中瓶。

風呂上がりのビールに癒される。

おっとその前に注がれたグラスがある。

それは食前酒の梅酒。

ウメッシュと云って一杯。

これが美味いんだな。

おふくろも酒を飲まないかーさんも美味しいと云ってぐぐっと飲んでいた。



さて、会食のなかから最初に口にしたのは胡麻豆腐。

癖のない味に惹かれて小刻みの四口でいただく。

上品な味が美味いのである。

先付けは三品。

イカ細切りは梅和え。

真ん中はまるで見た目がオレンジ。

薄い玉子焼き巻いて切ったらでてきた感のものは海老味だった。

巻貝は何だろう。

タニシじゃないことはたしかだが・・・。

思い出したバイ貝。

でもなんとなく違うような。

ツブ貝という場合もあるが・・・。

お造りは三種盛り。

マグロにどでかいボタンエビに皮つきイサキ。

夏のもんやけど早々と水揚げされたのかな。

翌日の帰りがけにフロントで聞いた板前さん。

仕入れは奈良県中央卸売市場だと知ってなるほど、である。



椀物はかぶら蒸しの一品。

たぶん真薯(しんじょ)であろう。

中から溢れる美味しさが口の中に広がる。

上品な一品が嬉しい。

一口で食べるよりもちょびちょびいただきたい真薯は中から細かく刻んだ海老の味がする。

おふくろもかーさんもそう云ったから海老真薯であろう。

細く切った青物も甘いタレで美味しくいただく。



海老真薯を焼いたサワラで包みあげ。

旨み味噌と絡み合う和食の一品に舌が唸る。

細かいタケノコも旨み味噌和え。

この旨み味噌は何でできているのだろうか。

木の葉で和えた味噌のような感じもするのだが、アクもなくくどくもないので美味い。

上等の一品は板前さんの腕。

それが味わえる椿寿荘。

20年前の料理はまったく覚えてないが、おふくろがとにかく柔らこうて美味しいと連発していた。

おばと一緒に来ていた姪っ子が特別に注文した鯛の煮つけ。

先にも書いたが、これはたまんない味やと喜んでいたことを思い出した。

天ぷらの野菜はなんだ。

野菜というよりも春の恵みの山野草のように思えた。

私はこれを見るなりウドの葉っぱだと云ったが、かーさんはあれやという。

あれやというのは葉っぱの先がトゲトゲのある葉。

でもそれでは葉の真下にある茎が太目のタラの芽。

ウドであればそんなに太くない。

色合いもケバケバしいタラの芽よりもあっさり淡白な色のウド。

そう判断したが・・・。

仲居さんの答えはウドであった。

天ぷらはカボチャもあるがもう一つはなんだろう。

思い出せない。



形でわかるのは海老天。

そりゃだれでもわかる。

口にいれて歯で噛んだらプリップリの海老。

むちゃ美味すぎる。

茶塩をちょうちょいとつけていただく。

頭も尻尾も美味しいエビ天が2匹。

おふくろは3匹もあったよというが証拠は消えていた。



そろそろ煮えてきた地鶏のすき焼き。

甘くて美味しい千切り野菜は何と尋ねるおふくろ。

仲居さんの答えはタマネギ。



旨みのあるタマネギに細切りのゴンボに絡んだすき焼きは美味い。

添え物の生卵につけていただいたが、堅くない。

地鶏は堅いと思い込み。

とても柔らかいのであるが、皮辺りはシコシコ。

だし汁と合いまった噛み応えのある地鶏に大満足する。

茶碗蒸しにギンナンがある。



思い出せないが他にもいろんなものが入っていた茶碗蒸しは上品な味だ。

ホッキ貝寄せのサラダは辛子酢味噌が利いていてとても美味しい。

我が家でもときおり買ってくるプチプチがある。

この食感がたまらなく好き。

味付けしたナガイモも美味しい。

飲んだビールは3本。

中瓶だから1500ml。

我が家で飲む量は500mlの発泡酒が1本。

そのあとはカルピスソーダで割った酎ハイだ。

これを2杯。

ほぼ同じような量である。

そろそろお腹が満腹以上の張りがでてきたのはそのせいかもしれない。



デザートは三人とも味わったことのないもの。

舌触りはなんとなくザラっとしている。

甘くて美味しいデザートには違わないのだが。

・・・。

それにしても和食に洋風のデザート。

椿寿荘の板前さんって凄いと思った。

どこでもそうだが最後に配膳されるのはご飯と汁椀。



あつあつふっくらご飯にそっと振りかけた煮ジャコ。

良い香りに食欲は増すが、胃袋は満腹状態でうわべだけいただいてジ・エンド。

ワカメの汁椀で〆させてもらった。

翌朝は快晴。

真っ青な空に椿寿荘裏に咲く桜が映える。

黄色の花はヤマブキ。

目の覚めるような景観に見惚れて、前夜の余韻を楽しむ朝食をいただく。

メインは鮭の塩焼き。

煮キャラブキを添えている。

他にはキンピラゴボウにコーヤ、シイタケなどの煮しめ。

温泉玉子に冷奴豆腐。

汁椀は焼き揚げ。

香ばしくて美味しかった。

(H29. 4.27 SB932SH撮影)
(H29. 4.28 SB932SH撮影)


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