蜜ロウワックス日記

小川耕太郎∞百合子社をとりまく日々あれこれ

木の経年変化を愉しむ

2013年07月08日 10時33分39秒 | 国産材啓蒙活動
よく「木の需要を高めるにはどうしたら良いと思いますか」
という質問を受けることがあります。

主人は「木の質感をそのまま生かした商品の開発や木の良さの伝え方」と答えています。
今日は「伝え方」のお話しをさせて頂きます。

▲築80年の我が家をリノベした写真です。

左のフローリングは施工したばかりなので
色も初々しいですよね。
この状態で、化学塗装やUV塗装をかけると
汚れもササッとひと吹きでキレイ!
傷がつきにくい 
経年による色変化も抑えられます。

「でも、本当にそれは木の愉しみ方なんだろうか?
木は傷や汚れも味わいになるのが良いのでは?」



写真右は蜜ロウワックスで塗布し3年後です。
蜜ロウワックスの塗膜は蜜ロウなので
かっちりした塗膜はできません。
しかし経年した木ほど、蜜ロウワックスを塗ると
ビックリするほど存在感を増します。
この風合いどう思われますか?
私どもはピッカピッカの家より、こんな風合いをなんとなく落ち着く家と思っています。
元製材屋だった主人は、小さいころから山仕事の人や製材所の人 目立て屋さん 運送屋さん
毎日いろいろな業種の人が家に行き来していたそうです。
そんな環境下で育ったせいか?そのような質感に着眼したのでしょう。



しかし、蜜ロウワックスを売り始めた当初は
「そんな不便なもの絶対売れない」
「商売をわかってない」
と言われ続けました。

▲これは駄目だと思い、蜜ロウワックスは施主さんへ直接PRする方法をとり育てていきました。

当時の時代背景

その結果・・・・

「施主様の要望なので」といった声も多くなりました。




なんでこんな話になったかというと
最近、小川社の「木もちeー外壁」のお問合せが多く、
「経年の色変化はどうなっていくのか」といった質問を受けます。

参考までに・・・・






季節が違うので陽射しによる色のみえ方もありますが
全体的に日の当たる場所はシルバーグレーへ
日陰の場所は濃い茶色に変わってきます。


コレを味わいとみるか?汚いとみるかは施主様の感性でもあります。
木材業界にコノを違いを説明できる人がいなかったというのが
ある意味木の需要が減少した理由のひとつかもしれません。


そんな中「R不動産」という会社に注目をしています。



ここはよそにない不動産を提供されます。
一般にムクの木はマンションなどに使わないのですが
「経年変化を愉しむマンションがあってもよい」ということで
マンションに無垢の木をつかっている物件も紹介されているとか。

▲不動産業だけでなく、独自のセレクトによるwebホームセンターのようなものも立ち上げています。

なんとここの社長はもと博報堂さんで働かれてから独立し起業したとか。
「現代の一般的先入観を変える」お仕事だっただけあり
さすが!表現もわかりやすい


「この木はねぇ~・・・3年くらいで飴色に変化するよ。」
「この木はねぇ~、経年変化はゆっくりだけど、艶が増すよ。」
「熊野杉の赤身はねぇ~雨に強いんだよ」
そんな材木屋さん、昔はいらっしゃったそうです。


お金には変えれれない、風合いや経年の美しさ。
経年変化風ではなく、経年変化を愉しむ。
「住まいを育てる価値」が
素材との愉しみ方を教えてくれるように思います。
自然建材は、買ったからすべての利便性の要望を果たしてくれるのではなく
その特徴と永く付き合うものなんですよね。
それを表現していくことが
木の需要を伸ばすことなんじゃないかな・・・と考えています。
無垢の木を表現する力・・・日々勉強中です













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