蜜ロウワックス日記

小川耕太郎∞百合子社をとりまく日々あれこれ

これからの取り組み。

2012年11月21日 10時06分25秒 | 小川耕太郎
昨日、熊野原木市場で市があったので
ちょっと見学に行ってきた。


丸太の価格が下落しているというのに、
丸太の受け入れをストップしなければいけないほど多くの丸太が集まり、
どんな価格になるのか興味を持って見ていた。


驚きの価格だった。


おそらく間伐材だが、ヒノキの3m末口(先っぽの直径)20cmの元玉(木の一番下の部分で一番良い材)で
立米単価が1万円というものがあった。立米単価1万円ということは1本1,200円なのだ。
元玉より先っぽの細い部分は、立米単価8千円とか6千円というのまであった。


意味が分からない。


三重県南部の山では、山から木を伐りだし、長さを整え、市場に届けるのに
立米当たり1万2千円位はかかってしまう。


ということは、山から切り出して市場で売ると元玉で立米2千円の持ち出し、
細い部分は立米4千円~6千円の持ち出しということになる。


それなのに原木市場に丸太が出てくるのは、間伐の補助金があるからなのだろう。
山林1ヘクタールの間伐をすると25万円位の補助金が出る。
でも、補助金をもらうための条件が、丸太を市に出すなどしてすべて利用しなければならないのだ。


バカな話だ。


そうやって出てきた丸太のせいで、製材品があまり売れないのに市場が丸太であふれかえり、
たたき売りの状態になっている。


林業行政が全くのデタラメだ。


一個人、一業者の力でどうこうできる範囲をはるかに超えてしまった。
だから私は、自分のできることを工夫しながらやっていこうと思っている。


今取り組もうとしているのが、「丸太乾燥」だ。
私は、もちろん自然乾燥が一番良いと思っているが、
木材業界全体で考えると「人工乾燥」も必要になってくる。


今までの製材では、たとえば4寸角の柱なら

大体135mm角に製材→材を隙間をあけながら桟積みして乾燥機に入れ
→1週間から2週間程度乾燥→125mm程度に再度製材(この工程は省かれる場合もある)→120mm角に仕上げる。
という工程が必要になる。


だが、丸太で乾燥できると

丸太乾燥→125mm角に製材→120mm角に仕上げる。という工程で済み、
かつ、135mmから125mmにする際の材の無駄が省けることになる。


また、おがくずも
おがくずをサイロに入れてため→トラックに積み込み
→乾燥させてからペレットを作る。(または乾燥させずに牛舎などで使う)という行程だったが
サイロに貯める工程を飛ばしてそのままペレット製造機に直結できる。
端材も粉砕機を経てペレット製造機に直結できるということになる。




必ず作って見せましょう「丸太乾燥機」。


今のところ、約1mの杉丸太を「丸太乾燥機」に約半日入れた丸太がこれ。
半日ですよ。半日。




その丸太でとった板がこれ。




現時点では芯が充分には乾いておらず、まわりが乾きすぎという状況です。


ヒノキ丸太は、同じく半日で芯もまわりも乾きすぎでした。



これから約一年かけて「温度」と「乾燥時間」の組み合わせを数十通り実験すれば、
必ずできると信じています。やります。