goo blog サービス終了のお知らせ 

鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

映画:決算!忠臣蔵

2019-12-02 23:42:12 | 演劇・映画

お昼前から、雨。

夕方から晴れて、霧。夕暮れの空に南天に、ぽっかり三日月・・・。

それにつけても・・・。北関東は、ソレ程、荒れなかったけれど、午前中から、大雨注意報が出ていた地域もあったりで。

 

本日は、朝から、映画・決算!忠臣蔵を鑑賞。

 

映画『決算!忠臣蔵』予告90秒 11月22日(金)全国ロードショー

 

 

そう・・・。師走になれば、日本人は、『忠臣蔵』。

日本人は、忠臣蔵を見ないと、年越しができない(←嘘!)。

テレビドラマも忠臣蔵・・・?という訳でもないのかな?最近は・・・???

・・・という訳で・・・忠臣蔵を見ないと年が越せない?私たちは、映画館へ行くことになりました。

 

一言で、申せば・・・。

中途半端感が、ハンパない・・・忠臣蔵でした・・・。

後のヒーローとなった大石内蔵助(堤真一)の吉良邸討ち入りを、影から支える勘定方で、同期の矢頭長助(岡村隆史)の中途半端な死ざま。

たぶん・・・この映画のヒロイン達であろう遥泉院(石原さとみ)と内蔵助の妻・りく(竹内結子)の中途半端な演技。

肝心の討ち入りは、端折られ(討ち入り迄の秘話ってことなんでしょうが・・・コレがないと忠臣蔵じゃないと思う・・・)。

 

映画『超高速参勤交代』と配役がかぶり、そこへ、吉本興業の芸人さん達の参戦・・・で、中途半端感が、ますますアップしていく・・・お笑いで、やるなら、お笑いを徹底した方が、ヨカッタのかも・・・とさえ、思えたりして。

数か月前にみた『引っ越し大名』も似たようなパターンで、引っ越しにかかる予算の映画でしたが、『決算!忠臣蔵』は、討ち入り迄に、総額でいくらかかるか・・・ということを、描いておりました。

流石の武士も先立つものがなくては・・・ってことなのでしょう。

そこには、武士道も、正義もなく・・・ただ・・・おカネあるのみ・・・みたいな・・・現代の世界観を如実に写し取っているかのように見えました。

 

忠臣蔵を演じる俳優さん達のイメージも、コレ迄とは、異なっていて、堀部安兵衛に、荒川良々、大高源吾に、濱田岳などの起用で、吉だったのか凶だったのか。

内蔵助の息子役の大石力に、鈴木福は、幼過ぎる・・・。

先に女優陣の中途半端な演技・・・と書いたけれど、映画全体が、こういった中途半端感な違和感が、満遍なく漂うアタリ・・・。

 

オカネが、絡む物語だから仕方が無いのか・・・。

忠臣蔵に、期待する・・・討ち入り後の爽快感?は、討ち入りの過程と描写が、端折られたんで、感じる術もなく・・・。

 

それにつけても・・・堤真一は、もっと色気のある俳優だったのだけれど(舞台では・・・)。

映画に出演するにようになって、残念になったなぁ・・・と、つくづく思ったりしました。

 

 


劇団ズーズーC:喜劇 愛情測定器ゴルゴダ13号~このチラシを貰ったので・・・

2019-11-17 23:47:54 | 演劇・映画

良く晴れて乾いた初冬の日曜日・・・。

 

本日は、相方と、都内・鶯谷迄、劇団・ズーズーC『喜劇 愛情測定器ゴルゴダ13号』を観劇に。

今月初め、世田谷パブリックシアターでの観劇の際、どっさり配られるチラシの束の中にあった一枚のチラシ。

始めてのお客さんは、無料で観劇できます・・・ということだったので、相方に、お試ししてみましょうか?とお誘いしてみたところ・・・面白がって、

『行きましょう。行きましょう。』

ということに相成り、さて・・・チケットなどは・・・どのように入手するのでしょうかね・・・ぴあだとか、ローソンチケットだとか???そういう所では、扱っていないようで、劇団に直接、電話かメールで、予約すると観劇できるシステムでした。

早速、2名分、予約をして、本日の観劇となりました。

 

・・・この劇団は、ビルの一室を劇場に改造し、座席数50席弱の自前の劇場を所有している・・・或る意味、稀有で、凄い劇団でした。

 

はるか昔・・・1980年台初め頃・・・こんな雰囲気の劇場が、下北沢にあったな・・・ザ・スズナリ・・・。銀座にはもあったな・・・みゆき館。

こちらのふたつは、座席が、座布団だったんだけれど、ズーズーC劇場は、ちゃんとイス(状)の座席で、足が痺れることもない・・・。

 

本日の観客数約18名でした。

 

窓から国会議事堂が見える住宅のシュールな一室で、物語は始まるのですが・・・。

ヒトの愛情を、おカネの単位で、測れる愛情測定器・ゴルゴダ13号を巡り、崩壊していくかのように見える家族の数時間。

愛情の度合い金銭化された父親、母親、娘の3人が辿りつくのは・・・。

 

初台の某・国立劇場だとか、芸術至上主義のあの劇場とかで、上演される1座席1万円以上の作品をみるより、ずっと面白かったです。

 

演劇のレビューを書くとき、毎度毎度、同じことを書いているけれど、たぶん・・・喜劇っていうのは、一番、難しいのではないかと思うのです。

どういう笑いなのか・・・笑い・嗤い・哂い・・・笑いの方向性が、明確な作品は、たぶん・・・面白いのだろうと最近思うようになりました。

或いは・・・方向性・・・なんて、全く関係ないのかもしれない・・・笑いは、嗤いで、哂いなんだから・・・。

 

今度は、ちゃんと入場料金をお支払いして、観たいと思う劇団でした。 

 

 

 

 

 


映画:永遠の門 ゴッホの見た未来

2019-11-15 23:43:14 | 演劇・映画

すっきりと晴れた初冬の週末。

本日は、相方とランチのあと、映画。

 

『永遠の門 ゴッホの見た未来』11.8公開/海外特別映像

 

 

私は、ゴッホの作品は、あまり好きではないし、荒々しい絵の具の跡、禍々しい教会の空、糸杉、気の狂いそうな向日葵(ひまわり)、痛々しい肖像画などを、みるにつけ・・・このひとは、生前、全く、絵が売れることなく・・・その死後、芸術家としての名声を手に入れた・・・所謂、不運のひと。

映画をみていると、コミュ障、発達障害、変質者・・・社会で生きていくには、全く適合しないし、特に、生き辛い性質であることも。

友人だと思っていたポール・ゴーギャンを引き留めるために、自分の耳を切り落とす・・・その自傷行為も・・・ゴーギャンにとっては、迷惑そのもの・・・だった。

ゴッホが、死して、名声を手に入れたのは、その影に隠れて、そして唯一、ゴッホの理解者であった弟・テオが居てこそ。彼がいなければ、天才・ゴッホは、絵を描き続けることも出来ず、埋もれて終わっただろうに・・・ただの狂人として。

ゴッホみたいなひとが、身内にいたら、もうたまらないだろう。

次は、一体、何を仕出かすのか・・・気の休まる暇もない・・・願わくば、殺人だけは、犯さないでくれ・・・なんて思うのではないだろうか・・・或いは、この世から、抹殺して、こんな身内から逃れたいとか・・・。

そういうことさえ、たぶん・・・思いつかなかったであろう・・・弟のテオ。

映画では、そう重要な役割でもないところが、なんとも・・・。

このゴッホ兄弟は、魂の双子だったのかもしれない・・・ゴッホが死んでから、それ程経たぬうちに、弟のテオも、亡くなった・・・と記憶している?

 

ゴッホのように・・・絵を描くことが、天命であるならば、きっと死してなお、その作品が、多くの人々の魂を揺さぶるであろうことを・・・。

ゴッホは、名声なんて、望んでもいなかったのかもしれない。

・・・ただ、純粋に描くこと・・・この天命を受け・・・ただひたすら筆を執っていたのかもしれない・・・いずれにせよ、凡人には、わからない境地である。

私の思うことは、ただひとつ。

生きているうちに、ナントカしてあげたかったのに・・・いやいや・・・先程も書いたではないか・・・ゴッホは、評価や名声なんか、(たぶん)望んではいなかったと・・・。

ただ純粋に・・・その瞳に映ったものを、麻布の上に写し取ればいい・・・ゴッホの目を借りて、神がみたであろうその世界を・・・。

 

 


風邪と劇場

2019-11-06 22:38:38 | 演劇・映画

日中は、気温が20℃以上に上昇するから、つい油断していると、明け方は、5℃とか6℃で、昨日は降霜だったり。

今週末の8日(金曜日)は、二十四節季の『立冬』だそうで。

早くも初冬というか・・・。

今年は、まだ冬になっていない・・・しかも、日中は、夏日だったりする中、酷い風邪を患い、特に、夜間は、咳が止まらず、眠ることもままらないし、こんなに激しい咳では、肋骨にヒビが入ってしまうかも・・・などと思えるくらいの状態でしたが、まだ気管支付近が、怪しい感じですが、なんとか、回復となりました。

1か月と1日目にして、まだ時々、咳込むものの・・・。

 

却説(さて)。

英国なんかでは、演劇は、冬の愉しみというか・・・。鉛色の冬空と降雪などで、気候が悪いから、冬の娯楽は、劇場にて・・・という意味らしいけれど、かの国では、真夏も25℃を超えるか、超えないかということで、野外劇は、夏が盛ん・・・なんてハナシを何処かで、聞いたような気がするけれど、真偽の程は、知りません。

本邦では、いろいろな劇場(特に東京とか、大阪などの大都市圏)で、一年中、上演しているけれど、やはり、演劇は、冬がいいかも?と、ふと思ったりします。

冬と言っても、年が明ける前の丁度今頃から、年末くらい迄の時期。

街は、年末に向かってなんとなくせわしなくて、マチネなんかだと、終演後は、もう既に夕暮れで、イルミネーションなど眺め、ソワレだと、冷たい空気の中、やはりもう既に日暮れてしまっている街中を劇場に向う・・・雰囲気が、なんとなく好きでして・・・。

しかし・・・冬観劇に大敵なのは・・・そう・・・風邪であったりします。

折角、高額なチケットを買ったのに、風邪熱で、行けなくなった!なんて経験もあまたあったりで。

熱は出ないけれど、他の観客に迷惑なのが、咳であります。

・・・先週も、劇場内は、咳をするお客さんが、結構、おりました。

風邪ヴァイラス(ウィルス)をまき散らし、狭い空間には、風邪ヴァイラスが・・・と考えると、身の毛もよだつ・・・私の脆弱な免疫器官では、防御できない・・・と思ってしまいます。

・・・いやいや罹患する方なら、まだしも・・・。

咳込むひとは、辛いわけです。周囲にも迷惑だし・・・。

しかも劇場というところは、埃っぽいから、健常な状態で、観劇していても、咳が出たりしますから・・・。

 

先週の観劇時、私の風邪の治癒状態は、80%くらいで、あの酷い咳こそ納まったものの、座席にすわると、咳したいです・・・状態でした。

マスク持ってくればヨカッタなと思いました。

咽喉用のトローチは、持参しましたので、上演中は、トローチで、咳を宥め、ハンカチを口元に、観劇しました。

それにつけても、あの酷い咳が、暴れ出さず、何よりでした。

 

 


劇場考:世田谷パブリックシアター

2019-11-04 23:40:23 | 演劇・映画

良く晴れて爽やかな秋日和の連休最終日。

夕方から、北西の冷たい風が・・・。冬の足音が近づいているようです。

 

最近は、手許不如意により、演劇から、随分と遠ざかってしまっていて、都下には、新しい劇場も、いくつかオープンしていても、訪れる機会もなく・・・。

消費税が、増税になると、チケット代金も、高額になるばかりで、千円、二千円の値上げは、当たり前・・・歌舞伎座の1等席なんか、もう2万円近いんじゃないか・・・ってくらいに、なっていたりして・・・。

ますます足が遠のくばかりだけれど、コレ迄、何度か、演劇から、足を洗おうか・・・と思いつつ、なかなか離れられなかったので、カネの切れ目が、縁の切れ目というし、まあ、いい機会だったのかもしれない・・・などと思ったりしています。

コレ迄、ン十年・・・何のために演劇を見てきたのでしょうか・・・。

チケット代金、食事代、交通費・・・コレらのために、働いていたのか・・・というとそうでもなくて、なんだか、義務のように、週末には、都内で、普通に、観劇をしておりました。

いろいろな劇場に足を運んだけれど、やはり、劇場にも相性があって、何故か、観劇のたびに、雨に降られる劇場、迷走神経反射が起こって、具合が悪くなる劇場・・・などなど。

 

大体、普通の演劇を上演する劇場は、500名から3000名くらいの観客席を有するところが多いのではないでしょうか。

先日訪れた『世田谷パブリックシアター』は、600席前後?だったと思いますが、今回は、2階席の最前列で、観劇をしました。

以前、この劇場の3階席で、観劇をしたことがあるのですが、この劇場の2,3階席は、最前列を除いては、物凄く、恐い座席です。足が、フロアにつかない・・・段差をつけて、前列の客の頭が、邪魔にならない構造で、そうしたのでしょうけれど、高所恐怖症には、かなりつらい劇場です。

上演中にフロアにモノを落としたりしても、手を伸ばして回収することはまず不可能。休憩があれば、休憩時間に、なければ、終演迄、待ってからでないと、足が、フロアにつきません。

もちろん、イスに腰かけて、足が宙ぶらりんになる・・・というのではなくて、足の置き場は、あるんですけどね。

この劇場の2,3階席(最前列は、除く)には、座りたくありません。

そして、2,3階席に向かうのに、エスカレーター、エレベーターの設置はないようで、階段を使うのですが、ここの階段も、何故か、恐怖を感じます。

一体、どなたの設計なんでしょうかね???こんなに使い辛い劇場も珍しいかも・・・(もっとも、芸術至上主義の《つまり、つまらないというか・・・》、あの初台の新国立劇場中劇場の無駄に広くて長すぎるエントランスと絶対的にお手洗い数の少なすぎる設計もどうかな?と思うし・・・まあ、ココよりは、マシですが・・・)。

世田谷パブリックシアターともうひとつのシアター・トラム・・・ここのベンチ形式の椅子も座りにくいことこの上なし。

観客には、忖度しないぶん、演出家、俳優たちには、使いやすい劇場なのかも???

 

もうひとつ、2,3階席で怖いのは、池袋・サンシャイン劇場です。

ここは、足がフロアにつかない・・・ということは、ないのですが、とにかく、急こう配で、とても怖い劇場です・・・ここは、オープンしてから、半世紀くらい経つのかな・・・?

 

チケット代金に、見合わない劇場が増えましたかね・・・もう、頻繁には、行けないけど・・・。

 


演劇:終わりのない

2019-11-02 23:58:58 | 演劇・映画

冷たい風の吹く・・・それでも、綺麗な秋晴れの土曜日。

 

本日は、相方と世田谷パブリックシアター迄、『終わりのない』を観劇。

観劇なんて、何年ぶりでしょうかね?

 

今、旬の量子物理と人間の潜在意識がテーマの深淵で、少し難解な舞台となりました。

この劇団は、舞台の空間を最大限に生かし、無駄な大道具・小道具などを一切排し、舞台効果には、光源を最大限に生かしたシンプルな空間演出が見事な劇団で、円形の台座の上で、海中、キャンプ場、川の中、宇宙空間、宇宙船、地球外惑星と様々な場面を作り上げていくのは、流石。

AIが、もっとも苦手とする人間の潜在意識の闇とは、極めて相性が悪いようで、人工知能にはわからない・・・潜在意識、アカシックレコード・・・そして、最近、運用が可能だという発表のあった量子コンピュータと、物理・科学のネタが、満載なのは、いつものとおり。

輻輳する数々の事象と時間、空間の謎が、ひとつひとつ解かれて、数々の点と点、線と線が、つながっていく面白さが、今回の『終わりのない』では、少し不完全だったことは否めないような気がします。

先取りしすぎたのかも・・・???

それでも、イキウメの面白さは、健在でした。

プロローグの掴みの部分に、やや退屈さがあり、物語に素直に入っていけない感じもしたのだけれど。

AIを演じる浜田さんの美的なスタイルをみるだけでも価値があると思います。

 

 


映画:ジョーカー

2019-10-24 23:48:23 | 演劇・映画

くもりがち。

夕方から雨が降りだす。

 

本日は、朝から、相方の映画『ジョーカー』を鑑賞に。

 

映画『ジョーカー』予告編

 

ヒーローアクション『バットマン』最大の敵である『ジョーカー』が、『ジョーカー』になる迄の物語。

幼い頃のバットマン(ブルース)との初邂逅のシーンもありで・・・。

コメディアンを目指す心優しい青年アーサーの暮らす(架空の街)ゴッサム・シティは、貧富の差が激しく、街は、ゴミとネズミに溢れている・・・その街の一角に母親と暮らすアーサーは、貧しさの中、暴力と矛盾の中で、病んでいく。

薬の量も増え、訳もなく笑い出す病気と貧しさに悩まされながらも、希望を捨てずに生きていた・・・しかし・・・。

ひとつ歯車が狂いだし、狂気に満ちていく。

アーサーの止まらない笑いは、母親(義理母)のネグレクト、虐待によるものが、根幹にあるようで、本当の笑いではない・・・悲しい嗤いだ。

あまりにも、哀し過ぎる現実。

ニューヨークを彷彿とさせる摩天楼の街。

その中で、貧しいアーサーが、凶悪なジョーカーへ変貌を遂げる序曲である。

やり切れない哀しみ、怒り、(母親の妄想による)嘘、踏みつけにされた自尊心で、塗り固められている・・・その素顔の上に残酷で凶悪なピエロの仮面をつけるアーサーがいる。

彼を救える人間は、たぶんこの世にはいない・・・。


そして、そんなアーサー(ジョーカー)の対極にある富める正義が・・・たぶん、ブルース(バットマン)なんだろう・・・。

 

見ていて辛くなる映画でもあった。

ジョーカーの嗤いは、血の叫びのようだ。

人を幸せにする笑いではなくて、凍り付くような心の叫びのような・・・ジョーカーの嗤い・・・。

 

 


映画:ベニスに死す

2019-09-17 22:57:25 | 演劇・映画

ほぼ猛暑日。

本日は、ひとり映画。

1971年公開の『ベニスに死す』のリバイバル上映。

 

この映画は、ず~っと見たいと思っていたけれど、縁が、なかったというか・・・。

イタリアの巨匠・ルキノ・ヴィスコンティの代表作。

マーラーのアダージェットが、全編に流れ、ベネチアの風景が、なんと美しいことよ。

特に、ロングのシーンが、圧巻の美しさ。

そして、セリフが殆どないのに、そのヴィジュアルだけで、2時間11分。

主人公である老残の作曲家がみた・・・最後の輝き。

 

『ベニスに死す』予告編

 

時の流れってなんて残酷なの!

でも、タジオ=ビョルン・アンドレセンの驚異的な美貌は、フィルムの中で、永遠に生きるのね。

この一作で、彼は、美神となった。

そう・・・努力なんて、美神の前では、なんのチカラもない。

タジオ=ビョルン・アンドレセンは、この映画のために存在し・・・現在は、老残である・・・映画の中の作曲家・アッシェンバッハのように。

暗示的です。

 

この映像の美神の対極にあるのが、生きる屍のアッシェンバッハを演じるダーク・ボガートの気持ちの悪い醜さ。

美少年に虜にされた憐れな残骸。

醜い化粧と薄紅色の薔薇の花、白いスーツ・・・水の都に襲い掛かる疫病・コレラ。

 

ご本人もゲイであるルキノ・ヴィスコンティの映像に登場する数々の美青年俳優の中でも、ビョルン・アンドレセンは、抜きんでた美しさ。

少年の蠱惑的な笑みも、全て、アッシェンバッハの頭の中の出来事・・・なんだろう。

タジオは、アッシェンバッバなど・・・多分、意識の片隅にも・・・ないハズで。

 

ヴィスコンティ・・・他の作品もリバイバルしてくれないかな・・・。

 

 


映画に行きたかったのだけれど・・・②

2019-09-13 23:45:24 | 演劇・映画

北東気流の流入により、最高気温25℃に届かず。朝方などは、20℃を下回り、秋の気配。

朝から、どんよりと鉛色の雲が立ち込めて、電気をつけないと薄暗い。

先週、行こうと思っていた映画だけれど、今週も寝過ごしてしまった・・・。目が覚めると午前9時を過ぎていて、映画館迄は、車で、約50分くらいかかるから、コレから支度して・・・となると、たぶん・・・間に合わない。

外が薄暗いので、身体も起きてこない。

だらだらと過ごしてしまった。

上映期間は、19日迄だから、来週こそは、行かなくては・・・と思っている。

 

・・・見たいと思っている映画ですら、コレなのだから、やりたくないコト、行きたくないコト、面倒なコト・・・などは、ズンズンと先送りして、やらなくては・・・やらなくては・・・と思っているウチに、時ばかりが過ぎてしまう。ギリギリの間際になって、後悔して、泣く泣く徹夜して提出する家庭科の課題のときと、何ら変わっておらず。

人間的に、クズで、グズで、ちっとも成長していない。

 

来週こそは、映画に行かなくちゃ・・・って、決心することでもないか・・・。旧い映画のDVDなんか、映画代で買えるだろうし。つまらないことで、いつもグズグスして・・・私は、時を浪費する・・・。

 

 

 

 

 


映画:引っ越し大名!

2019-09-10 23:00:00 | 演劇・映画

台風15号の置き土産・熱暑の一日。

そして、秋の空。うろこ雲がいっぱい。夕刻より激しい雷鳴と雨。

暑さもそろそろ終局・・・。

 

昨日(9日)は、早朝から、相方と隣市シネマ・コンプレックスへ、『引っ越し大名!』を鑑賞に。

まだ台風の余波の残る月曜日の朝・・・なのに、映画館には、結構、ヒトがおりました。

 

映画『引っ越し大名!』荷造り開始!

 

引きこもりから、一転、引っ越し奉行に任ぜられ、引きこもり中に蓄えた知恵と仲間達の協力で、星野源演じる片桐春之助とその親友・鷹村源右衛門(高橋一生)が、難題を次々にクリア。

『超高速参勤交代』の延長上の作品のようです。?

引っ込み思案で、要領が悪い春之助は、書庫番というまさにうってつけの役職で、日々を穏やかに無難に過ごしているさなか、いきなり、引っ越し奉行に任ぜられ、費用も時間も人も足りない尽くしの中、前任の引越し奉行の息女・お蘭(高畑充希)の指南を受けて、日に日に成長していく姿をコミカルに描いていきます。

昔とは、違って、最近の俳優という職業も様変わりしたなぁ・・・などと思いながら見ておりました。

美男でも、美丈夫でもない・・・フツーの青年・・・見渡せば、街中で、簡単に見つけられそうな・・・ふわふわした、あまりやる気のない、ガツガツしていない、自然体?というか・・・おおよそ、俳優業で、主役級には、いなかったタイプのひとが、脚光を浴びるというか・・・今回は、星野源ですが、この方は、ミュージシャンが本業?でしたかね?

窪田正孝とか・・・濱田岳なんかも、そんなタイプかな?と思います。

ミス・キャストではないし、それなりに上手く演じてはいるものの、鷹村源右衛門役の高橋一生は、ちょっと違うんじゃないか・・・???どうみても武勇伝というよりは、知性派・・・ここでいう引っ越し奉行の方が向いているのかも・・・???それを敢えて、真逆の役を演じる・・・演じられるというところを見せつけたのか・・・しかし、どうみても優男。豪槍をブン回すキャラじゃないような・・・でも、全然、悪くない・・・というか・・・。

鷹村源右衛門役は、寺脇康文とか・・・そんなイメージの役者さんの方が、ピッタリなんですけどね。

監督の名前をみて、なんとなく納得。犬童一心監督でしたか・・・ああ、それで、BL?っつうか、衆道っていうか・・・それが、原因の国替えってのも・・・。

 

映画のハネた正午には、青空と台風本体からはぐれたような雲↓