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映画:ベニスに死す

2019-09-17 22:57:25 | 演劇・映画

ほぼ猛暑日。

本日は、ひとり映画。

1971年公開の『ベニスに死す』のリバイバル上映。

 

この映画は、ず~っと見たいと思っていたけれど、縁が、なかったというか・・・。

イタリアの巨匠・ルキノ・ヴィスコンティの代表作。

マーラーのアダージェットが、全編に流れ、ベネチアの風景が、なんと美しいことよ。

特に、ロングのシーンが、圧巻の美しさ。

そして、セリフが殆どないのに、そのヴィジュアルだけで、2時間11分。

主人公である老残の作曲家がみた・・・最後の輝き。

 

『ベニスに死す』予告編

 

時の流れってなんて残酷なの!

でも、タジオ=ビョルン・アンドレセンの驚異的な美貌は、フィルムの中で、永遠に生きるのね。

この一作で、彼は、美神となった。

そう・・・努力なんて、美神の前では、なんのチカラもない。

タジオ=ビョルン・アンドレセンは、この映画のために存在し・・・現在は、老残である・・・映画の中の作曲家・アッシェンバッハのように。

暗示的です。

 

この映像の美神の対極にあるのが、生きる屍のアッシェンバッハを演じるダーク・ボガートの気持ちの悪い醜さ。

美少年に虜にされた憐れな残骸。

醜い化粧と薄紅色の薔薇の花、白いスーツ・・・水の都に襲い掛かる疫病・コレラ。

 

ご本人もゲイであるルキノ・ヴィスコンティの映像に登場する数々の美青年俳優の中でも、ビョルン・アンドレセンは、抜きんでた美しさ。

少年の蠱惑的な笑みも、全て、アッシェンバッハの頭の中の出来事・・・なんだろう。

タジオは、アッシェンバッバなど・・・多分、意識の片隅にも・・・ないハズで。

 

ヴィスコンティ・・・他の作品もリバイバルしてくれないかな・・・。

 

 



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