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雲南の牛⑤ ミタン

2015-11-06 11:22:50 | Weblog

写真はシャングリラ(中甸)の草原でじっと人間を観察する子供ヤク。呼べば犬っころのように付いてきそうなかわいらしさが漂う。子供なのでまだ角はない。大人に比べてやや額が相対的に広く見える。
首に鈴をつけているのは子供のヤクだけだ。まだあどけない子供なので逃亡および盗難防止のためなのか、それとも大人ヤクは気性が荒くて付けられないだけなのだろうか。


写真は維西のヤク。この草原に放牧されているヤクには皆、きれいな耳飾りが付けられていた。シャングリラより標高が1000メートルほど下がるためか、体高が小さくなっている。



【雲南6大銘牛2・ミタン】
雲南ではサルウイン河(怒江)やメコン河(瀾滄江)の上流域に住む独龍族がとくに大切に飼育するミタン(インドではガヤールと呼ばれる)。ヤクと同じく家畜牛とは別の系統の近縁種です。森林に適応した額の広い、家畜牛よりやや大きめの牛で、独龍族が祭祀の犠牲とする特別の牛として知られています。

ヒマラヤ山脈周辺地域でヤクの飼育がより困難なより標高の低い地域で飼われています。
独龍族と同じ起源を持つインド東北部の中国との国境紛争地帯に住む集団も同様にミタンを飼育していて、ここから18世紀にはブータンにも供給されたそうです(※1)

そのブータンでは森に野良牛状態で飼われていて、ミタンと飼育牛の交雑がとても多いとか。
※1 川本 芳「ヒマラヤのウシから見えてきたこと」京都大学霊長類研究所 ゲノム多様性分野 研究こぼれ話9 2011年7月)

意識してミタンを見ていなかったのですが、雲南北部のヒマラヤ山脈に通ずる中甸より標高のさがった維西への道すがら、やや額の広い牛を時折、見かけました。もしかするとミタンの血が混じっているのかもしれません。
(つづく)
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