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雲南のとうがらし1

2010-12-05 17:07:57 | Weblog
                                 
昆明に近い宜良の市場にて(2010年夏撮影)。上は1本の長さが30センチはある中ラーと呼ばれる中型唐辛子、下の写真の左がピーマンの熟したもの、それ以外はピーマンに横縞が入ったようにつぶれた形の唐辛子。色は様々だが、全部、売り物。それほど辛くない、と地元の方はいった。

【さまざまな種類】
 今や雲南料理に唐辛子はかかせません。以前にも書きましたが、雲南の世界遺産・麗江から南京大学へ留学したある男性は、たまらないほどのホームシックにかかってしまいました。そこで帰宅したときに、一抱えの唐辛子を持って大学に戻ったところ、ほっこりと落ち着いたのです。(現在は日本の大学で先生をしています。)つまり、雲南の人にとっての唐辛子は日本人にとっての「梅干し」のような存在なのでしょう。

 日本で唐辛子というと「鷹の爪」や沖縄の「島とうがらし」、辛くない「万願寺」など数種類しか思い浮かばないのですが、雲南では、様々な唐辛子に出会うことができました。長さ30センチ以上はある赤唐辛子や、中ぐらいの大きさの赤や青の唐辛子、ピーマンに見慣れた縦ではなく横皺が入ったもの(辛かった)、小指よりも小さくて青い「小米ラー」などなど。味も激辛から微辛、甘いピーマン系まで様々です。

 そもそも中南米原産の唐辛子が現在、おそろしくバラエティに富んでいるのはなぜかというと、土壌によってその性質を容易に変化させる特徴があるからなのだとか。
 そのためか家庭菜園でも、ごく普通のピーマンを育てていたはずなのに、まれに辛いものが出来てしまったり、またはその逆があったり、と不安定きわまりないことにドキドキされた方もいることでしょう。(私だけ?)

 ちなみに農業書を読むと、甘ければピーマン、辛ければ唐辛子というだけで、同じ種類なのだそうです。色だって、青いものも育ちきれば、驚くほど、きれいな赤になります。ほうっておくと紫にまで変化します。どれも市場では同じ名前で売られているのです。

 そんな気ままな唐辛子、日本でもかつては50種類以上が育っていたそうですが、今や数種類に絞られているのとは反対に、中国では四川・貴州・湖南省の激辛地区ばかりか、近年、唐辛子指向が各地に広がっている上、キムチの国・韓国や日本などへの主な輸出国でもあることもあって、それこそ中国全土にあまねく植えられ、いまでは様々な品種が普通に出回るようになりました。

 なかでも雲南は、標高が数十メートルからヒマラヤ山脈まで続く6千メートル級の高地まで驚くほどの立体的な地形を持っているので、唐辛子は合わせると10ヶ月以上はどこかが必ず収穫期となっています。そして貴重な現金収入源となっているのです。

 今回はこんな雲南の唐辛子に注目してみましょう。        (つづく)


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2 コメント

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Unknown (marl)
2010-12-06 11:13:40
雲南好きでブログ読ませてもらっています。
「甘ければピーマン、辛ければ唐辛子というだけで、同じ種類」という意外と適当な分類に驚きました。
雲南の食堂に行った際、ピーマンだと思って思いっきり食べたら唐辛子だった、なんてことがよくありました。
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Unknown (もっくん)
2010-12-06 16:57:55
コメント、ありがとうございます。うれしいです。
 やはり痛い目に合われたのですね。子どものおやつに丸かじりのところもあるんです。まるでロシアンルーレットです・・。
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