今や、雲南料理にかかせない醤油。おぼろ豆腐の上に直接、醤油をかけたり(写真中央)、雲南春巻の付け汁にも醤油が(写真右下)。
この付け汁は醤油、唐辛子、セリ科の香菜を刻んだものでつくられている。それにゴマが入ることも。
この汁をベースに雲南の鍋を食べるときは、スープでのばして付けタレとする。大きな体のおじさんが小さな付け汁の器に鍋からよそったスープを入れ、無心にかき混ぜる様子は火鍋店の一種の風物詩ともいえよう。
【スーパーで世界の醤油が手に入る】
中国人は日本人ほど醤油を使わないといわれていますが、雲南の大衆食堂には、たいてい好みでかけられるようにと、唐がらしに山椒の粉、そして醤油がテーブルの上に置かれていました。
スーパーマーケットには醤油専門の棚が必ず設けられており、北京の老舗「王致和」や広東の「海天」など中国各地の有力メーカーを始め、日本の「ワダカン」、「キッコーマン」、そして地元の「拓東」と、数十種類のラベルが華やかです。
そして種類も豊富。もっとも日本に近い醤油が「黄豆醤油」と書かれた大豆が主原料のもので、日本と同様、濃口と薄口があります。様々な食材のエキスを混ぜた醤油も多く、「昆布醤油」「椎茸醤油」「魚汁醤油」「麻辣醤油」など様々です。
ほかに日本同様に大豆より小麦が多い「白醤油」「甘口醤油」、最近では「鉄強化醤油」などもでてきました。ある意味、日本より恵まれた醤油事情といえるでしょう。
ちなみに市場にいくと、「醤油」とインクで書かれた白いプラスチック桶に入った黒っぽい液が1,2品あるだけ。保存がよくないのか、香りの抜けた、少し焦げた味のする「拓東」醤油のなれの果て、といった哀しいものでした。豆板醤などの紅くこってりと盛り上げられた味噌系に完全に押されていたのです。
今でこそ、スーパーでは華やかな存在の醤油ですが、中国の計画経済時代には、穀物は地元以外に流通させることが禁じられていたため、小麦と大豆を使う醤油は地元産以外ありえなかったという伝統が、市場に強く残されているのかもしれません。
それだけに鮮度のよい、おいしい醤油は拓東の直売所、という観念が今なお根強くあるのは、保存のよくない市場の事情と、特殊な経済下での歴史も反映しているのでしょう。
この付け汁は醤油、唐辛子、セリ科の香菜を刻んだものでつくられている。それにゴマが入ることも。
この汁をベースに雲南の鍋を食べるときは、スープでのばして付けタレとする。大きな体のおじさんが小さな付け汁の器に鍋からよそったスープを入れ、無心にかき混ぜる様子は火鍋店の一種の風物詩ともいえよう。
【スーパーで世界の醤油が手に入る】
中国人は日本人ほど醤油を使わないといわれていますが、雲南の大衆食堂には、たいてい好みでかけられるようにと、唐がらしに山椒の粉、そして醤油がテーブルの上に置かれていました。
スーパーマーケットには醤油専門の棚が必ず設けられており、北京の老舗「王致和」や広東の「海天」など中国各地の有力メーカーを始め、日本の「ワダカン」、「キッコーマン」、そして地元の「拓東」と、数十種類のラベルが華やかです。
そして種類も豊富。もっとも日本に近い醤油が「黄豆醤油」と書かれた大豆が主原料のもので、日本と同様、濃口と薄口があります。様々な食材のエキスを混ぜた醤油も多く、「昆布醤油」「椎茸醤油」「魚汁醤油」「麻辣醤油」など様々です。
ほかに日本同様に大豆より小麦が多い「白醤油」「甘口醤油」、最近では「鉄強化醤油」などもでてきました。ある意味、日本より恵まれた醤油事情といえるでしょう。
ちなみに市場にいくと、「醤油」とインクで書かれた白いプラスチック桶に入った黒っぽい液が1,2品あるだけ。保存がよくないのか、香りの抜けた、少し焦げた味のする「拓東」醤油のなれの果て、といった哀しいものでした。豆板醤などの紅くこってりと盛り上げられた味噌系に完全に押されていたのです。
今でこそ、スーパーでは華やかな存在の醤油ですが、中国の計画経済時代には、穀物は地元以外に流通させることが禁じられていたため、小麦と大豆を使う醤油は地元産以外ありえなかったという伝統が、市場に強く残されているのかもしれません。
それだけに鮮度のよい、おいしい醤油は拓東の直売所、という観念が今なお根強くあるのは、保存のよくない市場の事情と、特殊な経済下での歴史も反映しているのでしょう。