大阪城のハゼノキについては先日も紹介しましたが、折角の紅葉シーズンなので再び大阪城まで出かけ、前回見落としたハゼノキを探してみました。
まず大手門の前の外堀に沿って北に歩くと、西の丸から西側に突き出た坤櫓跡の出丸の右側に半球形のハゼノキが見え、かなり落葉がすすんでいるようです。
外堀を右回りに回って京橋門から城内に入ると、肥後石の存在で有名な枡形の上にハゼノキがありました。
この場所は、周囲にある高木のために日当たりが悪いせいか、ハゼノキの色が薄いようです。
肥後石とハゼノキ
ハゼノキなど落葉樹は、秋になると葉柄の付け根にコルク質の離層という組織がつくられ、葉で生産された糖が葉に留まることになります。
極楽橋北側のハゼノキ
この糖から「アントシアニン」ができるハゼノキやモミジなどは、その赤い色素で葉が赤くなるのです。
落葉が進んでいる山里丸のハゼノキ
植物が紅葉する理由としては、光合成をできるだけ永く続けるため、赤い色素を出して秋に弱ってくる葉緑体を保護するためではないかと考えられています。
天守閣西側の内堀石垣上深紅のハゼノキ
「アントシアニン」の合成には、温度と光の条件が重要で、1日の最低気温が8℃以下になると紅葉が始り、5~6℃以下になると一段と進むといわれています。
天守閣とハゼノキ
鮮やかに紅葉するには、日中の気温20~25℃、夜間5~10℃と気温の差が大きいこと、葉が充分日光を受けられること、大気中に適度な湿度があって葉が乾燥しないことなどが重要と言われています。
一番櫓とハゼノキ
しかし、紅葉した葉は老化しはじめており、その葉緑体は光合成活性が低下しているので、それを保護する意義は少ないという考えもあるようなので、正確にはまだよく判っていないというのが正しいようです。
玉造口外側のハゼノキ
最後は、先日紹介した玉造口外側のハゼノキの拡大ですが、これは枝の先に実が付いているのでどうやら雌株のようです。
ハゼノキは桜のような華やかさはありませんが、紅葉の季節を鮮やかに彩り、楽しませてくれるのです。
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