リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

暑い日はニュースも熱い?

2014年07月08日 | 日々の風の吹くまま
今日はちょっと季節外れに暑い。最高気温は27度。内陸部のオソイユースでは37度だっ
たとか。あそこは乾燥地帯で暑いところだけど、でもちょっと暑すぎ。でも、緯度の高い地域
の夏は惜しむ間もないほど短いから今のうち。長い冬に耐えて、やっと春が来て、そして待
望の夏になったと思ったら、すぐに秋の気配が漂って来て、収穫を急いでいるうちに、あっと
いうまに冬将軍のお出まし。日本のような四季の「移ろい」の感傷はないかもしれないけど、
季節の「巡り」を感じることにはまちがいない。

ローカルニュース。メトロバンクーバーの公共交通に導入される改札システムのフル稼動開
始がまたまた遅れると言う話。JRのSuicaのようなシステムで、「Compass」という名称も
ずっと前に決まり、改札口も設置済みで、去年の暮れに稼働するはずだったのが、今年の
春まで延期。それがまた延期で、秋ごろとか言っていたのにまた延期。この調子じゃいつに
なることやら。問題はバスで使うモバイル端末のスピードらしい。駅の改札口は固定システ
ムだから、カードのデータを瞬時に処理できるけど、モバイル端末では時間がかかりすぎる
らしい。たしかに、1人ずつのカード処理に時間がかかっていたら、バスの運行に支障が出
るだろうな。はて、どうするんだろうね。

今年は市政選挙の年。バンクーバー市議会も各会派が選挙運動を開始。ところが、現職の
ロバートソン市長がいつのまにか奥さんと別居していて、反対陣営から「不倫が原因だ」と
いう噂?が流れたもので、慌てて全面的に否定した上で「円満に別居を決めた」と声明。と
ころが、声明は市長室から主流メディアにだけ出されたもので、ソーシャルメディアは憶測
で大賑わい。でもねえ、30年も連れ添った夫婦が「子供も独立したことだしね」なんてあっさ
り別居するものかなあ。噂を流した方は「だいぶ前からあった」と主張しているけど、偽善者
くさいうぬぼれ市長のことだから、愛人の1人や2人いても・・・?

ワールドカップ、ドイツーブラジル戦のスコアが何と7対1。しかもドイツは数分で4点も入れ
たとか。ポイ、ポイと軽く蹴り入れたんかいな。ホッケーだってめったにこんなスコアは出な
いよ。主力選手がいなかったと言っても、こんな大負けはかっこ悪いなあ。まあ、どこが勝っ
ても負けてもいいんだけど、サッカー通の床屋のアントニオの優勝予想はドイツだった。は
て、当たるかな?

☆異邦人の日本人

2014年07月08日 | 日々の風の吹くまま
 7月7日。6月、日本へ行って来た。というよりは東京に行って来たと言った方がいいのかな。ホテルは2年前に目をつけて下調べをしておいた新宿駅南口側の高層ホテル。33階の部屋の窓からは、正面遠くにスカイツリー、右手ののっぽビルの傍すれすれに東京タワーが見え、眼下には新宿御苑の緑。新宿駅を出入りする長い電車は見飽きることがない。ホームに豆粒のような人影が集まって、電車が来て止まって、電車が去って、また人が集まって、また電車が来て・・・の繰り返しで、時間が経つのを忘れて見ていると、まるで催眠術にかかりそうな気分。でも、昔見ていたアメリカのテレビドラマ『裸の町』のナレーションに準えるなら、東京には1300万のストーリーがある・・・。

東京。とうきょう。トーキョー。TOKYO。日本国の首都。メトロバンクーバーよりも狭い面積に1300万人以上の人が住み、「東京都市圏」と呼ばれる地域には、カナダの0.0008%の面積にカナダの総人口よりも多くの人が住んでいて、新宿駅では毎日メトロバンクーバーの総人口の1.5倍もの人が乗り降りすると言うから、その人の多さは実際にその渦の中に立ってみないと想像すらできない。朝の新宿駅南口の交差点を埋め尽くす人の大群は一瞬そこで立ち止まっている人の数でしかないわけで、ときどき淀みながらも絶えることなく流れる大きな川のような感じがする。

でも、あの「クールビズ」とかいうサラリーマンファッション、高校男子の夏の制服を思い出させるなあ。広告を見るといろんなスタイルがあるらしいのに、なぜかみんな(今どき風に言えば)コピペしたように黒か紺のズボンに白いシャツなのが不思議。おしゃれ、しないの?会議の会場では1階で就職説明会をやっていたらしくて、男子だけじゃなくて、女子もみんな同じ色のいわゆる「リクルートスーツ」。急ぎ足の流れをながめていたカレシ曰く、「高校時代からの制服の習慣が抜けてないんだろうな」。そうかなあ。たぶん「就活するときはこの服装でないと!」と洗脳されてるのかも。「誰に?」って、日本人の目にしか見えないbogeyman(怖いモンスター)がそうしてるんじゃないの?

新宿駅界隈は頭がくらくらするくらい「何でもあり」で、とにかくありとあらゆるものが何もかも溢れ返っている。あのめまいのするような煌びやかさは誰のためなんだろう。あのデパ地下のこれでもかと言わんばかりの食べものの山は誰のためで、どこから来るんだろう。東京の人たちはあれをみんな食べてしまうのかな。これほど「物質的」に豊かなところは世界のどこを探しても絶対にないと思うけど、あのデジタルな豊かさは本来の「日本」ではないのかもしれないという気もする。ワタシの目には巨大なディズニーランドのようにも見えるもの。首都東京は日本の政治経済の中心だから、ひときわ華やかなのはなのは当然としても、文化的には「東京人の東京人による東京人のための東京」、つまり地方の人やエネルギーを貪欲に吸い取って東京と言う名の「地方社会」を回しているんじゃないかと思ったな。まあ、東京人はそんなことは露ほどにも思っていないだろうけど。

世紀が変わる頃、思いがけず日本が深く絡んだ人生の危機に遭遇して、何年も日本には行きたくないという気持が強かった。家族も友だちもいるのに、どうしても行くのが怖かった。でも、考えあぐねても答の出ない問題に区切りをつけるつもりで、意を決してひとりで日本に行ったのが還暦の年。知らない人が相手だと日本語が喉がつかえて思うように話せなくて、ヘンな日本語よりいいと思って英語で話しかけたら、みんなすごく親切でびっくり。ある夜、ホテルの部屋で目の前に迫る都庁の壁を相手にひとり飲んでいて、ふと思い当たった。この国ではワタシは異邦人なんだ、と。この「異邦人」と言うのは実に言い得て妙だと思う。どう見たって「邦人」じゃないから「異邦人」。つまり、ワタシは今「外国」にいるんだ、と。たまたま日本で生まれて日本で育ったからと言って、必ずしもJIS規格で規定された通りに「邦人」の日本人でなければならないという道理はない。地球上のどこへでも行ける今の時代、国籍も帰属も違う異邦人の日本人もありなんだ、と。そう悟ったら、気持がすっと楽になった。

あれから6年。1年おきにカレシと日本へ行くようになって、そのたびに東京では英語が通じるようになったと感じ、同時に喉のつかえが取れたのか、ワタシの日本語も割と素直に出るようになった。もっとも、カレシと一緒だと端からワタシも外国人と判断されるらしく、買い物をして支払いをしようとしたら、レジのかわいいお嬢さんに「日本語、とてもお上手ですね」とほめられて、一瞬「ん?」となった。カレシに言わせると、ワタシがお札や硬貨の種類を確認しながら数えて出すから外国人だとわかるんだということだけど、ま、そういうことも異邦人ならではの体験と思えば楽しい。裏を返せば、異邦人は日本に「帰る」海外在住日本人には起こり得ないような「愉快なできごと」に遭遇できるということだもの。

[写真] 横浜のみなとみらいに観光に出かけて、山下公園まで歩いて行って出会ったのが「赤い靴はいてた女の
子」の像。この子はワタシでもあるかもしれないな。歌のモデルの女の子は海を渡ることができなかったけど、ワタシは異人さんの国に渡って、自分らしい人生を生きることができた。今は(目の色は変わってないけど)異人さんの国の人になって、太平洋の向こうから日本を見ている。そこには日本人が想像するような「望郷」の念はまったくない。ワタシの国は39年暮らしなれたカナダ。ワタシにやさしかったカナダ。ワタシが見ている日本は血のつながった妹がいて、「人の縁」で結ばれて60年の年月を経てもなお切れない友情の絆でつながっている外国。それが6年かけて出した答だと思う。

2年ぶり、2週間の東京旅行は、ワタシが転んで(捻挫と打撲傷、挫傷で済んだけど)危うく大けがをするところだったり、留守中に冷蔵庫が故障して危うく火事になるところだったりしたけど、おいしいものをおなかいっぱい食べて、小学校時代の仲良しを初め親しい人たちと会ってたっぷりおしゃべりして、つむじ風のようだったけど、振り返ってみると驚くほど中身の濃い2週間だった。最後にはやっぱりもう帰りたいなあという気分になったけど、東京の休日は楽しかった。いつもこれで最後にしようと思っても、やっぱりまた遊びに行くだろうな、きっと・・・。