京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

ガマの穂

2007年10月20日 07時29分09秒 | 風景


この間、山科をオープンカーで走っていて、写真のようなものを発見。
何かわからなかった。ガマ(蒲)の穂というやつね。
水辺でもないのにあるのが不思議でした。
最初見た時はカマキリの卵かと思いました。



俳句では、「蒲」や「蒲の穂」というのは夏の季語。
「蒲の穂絮(ほじょ/穂綿)」というと秋の季語になるそうです。
つまりこの穂が綿をほぐしたようにほころび、風で綿毛をつけた種が飛んでいく。



因幡の白兎の話で大国主が白兎に「蒲の穂にくるまりなさい」というのは、この綿毛のことでしょう。
話はこうです。
昔々、気多の岬(鳥取県)に一匹の白ウサギが住んだはりました。 ある日、大洪水が起き、白ウサギは沖の島へ流されてしまい帰れなくなってしもうた。えらいこっちゃ。そんな時、ワニ(海の鰐鮫)と出会いました。白ウサギは,ワニを騙して向こう岸に戻ろうと思い 「ワニさん、あんたらの仲間とうちらの仲間と、どっちが多いか比べてみいひん」 とうまいこといわはって、沖の島から気多の岬まで一列に並ばせ、ワニの背中を「一匹、二匹、三匹・・・」踏み数えながら渡って行かはったん。



もう少しで岸に着くというときに、白ウサギはつい 「あんさんらは騙されはったん」 といわはった。えらい怒らはったワニは、白ウサギの毛をむしって丸裸にしてしまいました。(いや~ん)
毛をむしり取られ、白いバニーガール状態の白ウサギが砂浜で泣いていると、大勢の神様(大国主の命の兄たち)が通りがかり、「どないしたんや?」と聞かはった。
事情を聞いた悪ガキの神さんたちは、
「海水でその身を洗い、風に当たってよく乾かし、高い山の頂上で寝とうきやす」といわはりました。白ウサギは言われた通りにしやはったけど、海水が乾くと皮がひび割れてかえって痛くなりました。
白ウサギが泣いていると、大きな袋を担いだ大国主の命(みこと)が通りかかりました。袋の中身は兄たちに担がされた荷物です。わけを聞いた大国主の命は
「河口の水で体を洗い、蒲の穂を敷いてくるまりなさい」と教えはった。
ウサギがいわれたとおりにすると、痛みが消え、毛が生えてすっかり元通りの体になりました。(私が思うに蒲の穂が濡れた身体についただけかもね)白ウサギはとても喜び、お礼に美しい八上比売(やかみひめ)の所に大国主の命をお連れしたそうです。そして大国主の命は八上姫と結婚することができました。この大国主さん、八上姫と結婚しやはったけど、ほかにもいっぱいの女神さんと結婚してはって、子どもが180人もいやはるそうです。やるな~。



あやかっとこう♪
この「大国」さんはダイコクとも読めることから、同じ音の大黒天(大黒様)と習合して民間信仰になっています。習合というても集まれというんじゃないですよ。それは集合や~。
神仏集合いうたら神無月やね。出雲に集合してハル。そやけど集まらハルのは国津神(くにつかみ)系で、天津神(あまつかみ)系の神さんは来はやらへんのどす。このあたりが歴史のダークな部分でやね。
神仏習合は、土着の信仰と仏教信仰を折衷して、一つの信仰体系として再構成(習合)することなんです。
仏教が552年ぐらいに伝来してきて、地元の神道系の神さんと仲良しにならはった。
よくお寺の中に神社があったりするでしょ。ああいうことです。



なんか蒲の穂から神仏習合にまで話しが飛んだね。
私は最初、シークカバブを思い出してしまいました。
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5 コメント

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蒲の穂 (路渡カッパ)
2007-10-20 10:14:44
アメリカンドッグを連想しますね。
ケチャップとマスタードをかけたくなるよ。

因幡の白兎、そう言う話やったんや~!
それにしても大黒さんタフ・・・
出雲大社にもたくさん像がありましたよ。>大国主命。
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>路渡カッパさん、こんにちは (京男)
2007-10-20 11:11:53
大石道沿いから五条通に出る手前にありました。
なんであんなところに生えているんでしょうね。
蒲というと水辺のイメージがあるのに。

因幡の白うさぎでワニというのが不思議でした。
なんでワニが海のところで並ぶのかわからんかった。
子ども心にワニは日本にはおらんやろ~っと。
今月は神無月で日本中の神さんが出雲に集まっているけど、天照系の神さんは行かんそうですよ。派閥があるのね。
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こんにちは (すー)
2007-10-20 17:08:26
がまの穂、
私は会社の昼休みの散歩中に見かけます。
欲しいなと思っています。今度、1本持って帰ろうかな?
川の土手に勝手に生えているのは採ってもいいのだろうか?
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>すーさん、こんばんは (京男)
2007-10-20 17:59:24
会社の近くにあるんですか。
綿毛がでてきたら種をもってかえるといいかも。
野生のものならいいんじゃないですか。
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食べた~い! (puldoc)
2007-10-21 21:13:57
今晩は、
このシークカバブ、下のテーブルクロスの柄から見て、寺町四条のあの店ですね。私も、京都のインド料理ではこの店がイッチャンすきです。特に、辛いマトンのボティケバブとタンドリーチキンが大好物です。
見ているだけで直ぐにでも食べたくなってきました。ソレデハ
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