京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

夜の梅

2013年03月11日 04時57分26秒 | いただきもの
「夜の梅」といえば虎屋の羊羹。
切り口をしっかり撮りたくて手に入れようと思っていた。
でも正直いってよう買わんかった。
お安くないしね。
しかも1本食べる自信がなかった。
家族は食べないし・・・。



なぜ「夜の梅」なのか?
名前がいいじゃないですか。
夜に梅の花が白く輝き、微かに梅の香りがしてくる。
気温は梅の時期なので肌寒く、空気が張り詰めている。
それでいてどこか温かさがある。



ここ数年であの世に行きかけた。
その時みた風景が宇宙だった。
光がいっぱいの世界じゃなく、漆黒の空間に星が輝いている。
「ああ、ここが故郷なんだ・・・」と3回とも思った。



江戸時代中期の画家で葛蛇玉(かつ じゃぎょく)がいる。
明和3年(1766年)2月22日の晩、蛇が玉を咥えて来る夢を見て、目覚めるとそこに玉があった。これが何の吉祥か分からなかったが、この事件から自ら「蛇玉」と称するようになったという。
「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」を見た時、雪と梅の感じがまさしく、あの時みた宇宙の状態だった。
懐かしかった。



私に関しては三途の川やお花畑はでてこなかった。
だからいつか本当に向こうに行く時、あの風景の場所に行くのだろう。
あの世なんて怖くもなんともない。
同時にいまこの世で、肉体をもって生きていることの大切さも自覚した。
身体を大切にし、様々な人やモノとの御縁を大切にし、最後の最後までしっかり味わうことが大事なのだ。
そのご褒美として、あの風景の場所に行ける。
立派なお墓や仏壇にはいるのはちょっといやですよね。
もっとも我が家はそんなにりっぱなお墓でも仏壇でもないけど。
あまり立派な墓地や仏壇に拘るとそこの地縛霊になるだけのようなきもします。



だからなんです。
社寺で拝んだりしません。
百歩譲って、ああいう場所は、神仏に御礼をいいに行く場所で自分の小さな願望成就を願う場所でないように思う。
神仏なんて、どこでもいますからね。
なんで皆気付かないのだろう・・・。
万人に対して、これが絶対に正しいというつもりはないけど、私自身そう思うようになった。



そんなことを思いながら、「夜の梅」を熱いお茶と共にいただいた。
いままで羊羹など、食べたことがあまりなかった。
どちらかというと嫌いだった。
でも「夜の梅」は、美味しかった。
日本に生まれてよかった。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
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8 コメント

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? (puldoc)
2013-03-11 08:36:44
お早うございます。
夜の梅って、京都のお菓子でしたっけ?(猛爆
最近、東京土産に頂くことがチョクチョクありますので・・・。(笑
ではでは
おはようございます。 (路渡カッパ)
2013-03-11 10:31:51
仏壇やお墓、立派なものは要りませんね。先祖との繋がりを思うことは大事でしょうが・・・
個人的には葬式も必要ないと考えてますよ。
それにしても神社仏閣の多いこと!宗教として、
それだけの役割を果たしているとは思えないですね。
>puldocさん、こんにちは (京男)
2013-03-11 12:38:08
虎屋は元々京都のお店です。
天皇さんが東京に行かはった時についていったお店なんです。
>路渡カッパさん、こんにちは (京男)
2013-03-11 12:42:24
そろそろ、仏壇やお墓について考えます。
お墓詣りや普通の日のデパ地下は、お年寄りばかり、あと十年ぐらいたったらその人の大部分はいなくなる。お墓も無縁が多くなる。どうするのでしょうね。
そうなんですよね! (puldoc)
2013-03-11 20:13:58
ボクも京都人の端くれですがな、判って頂きたかったです・・・。 エ~~~ン(涙
>puldocさん、こんばんは (京男)
2013-03-11 21:08:02
京都の古老的に言うと虎屋は裏切り者となるそうです。ちょっと天皇さんが東京へ行かはっただけなのに、商売の為についていったとね。
京都人は根に持ちますなぁ~。
おはようございます (すー)
2013-03-12 04:35:28
またまた、一日遅れのコメントですみません。

確かに、神も仏も、自分の心の中・・・
そして、立派すぎる仏壇やお墓は不要ですね。
>すーさん、おはようございます。 (京男)
2013-03-12 05:32:15
向こうに近づくと色々考えます。
しっかり自分なりの堪えをだして置く方がいいと想います、生きている間がすべてかもしれません。
だから、親もそうですけど、生きている間に会う時間を大切にするようになりました。

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