京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

口切り

2007年11月19日 04時46分31秒 | 和菓子

↑長久堂「口切」

口切りというのは、茶道の世界では大切なお茶事。
茶の湯の正月ともいわれます。
茶壺を所持する茶人は茶師にこれを預け、茶師はその年の5月に採れた新茶を茶壺に詰め、梅雨や夏の間大切に保管します。壺には碾茶(てんちゃ)という状態で詰めるのですが、まず濃茶(こいちゃ)用の碾茶を小袋に入れて壺に収め、その周りに薄茶(うすちゃ)用の碾茶をギッシリと詰めます。蓋を閉め、その合口に茶師の封印を押します。壺の箱の裏側には何という銘のお茶がどれだけの量はいっているかを記した「入日記」という紙を貼っておき、11月に茶家に届けられます。



茶家ではこの壺の封を切り、その年初めてのお茶をひきうすで引いて客に点てて出すのです。口切にそなえて畳を新しくしたり、門口や露地の樋や垣を青竹にかえたり、茶道具やお菓子など全てが祝いの席にふさわしいよう入念に整えられるのです。口切とはすなわち壺の口を切るということです。


↑こなし、赤こしあん

この口切りで一番よいとされているのが、旧暦10月(亥の月)の亥の日。
この日に炉を開くと火災を逃れるとされています。
この口切りの時に亥の子餅がだされることが多いそうです。
コメント (3)
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