万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国政府のWTOへの対韓提訴―司法解決への第一歩

2013年09月15日 15時28分43秒 | その他
WTOに韓国提訴へ 水産物輸入禁止 政府、年内にも 「根拠なく不当」(産経新聞) - goo ニュース
 突如として、日本国の8県からの水産物輸入を禁止した韓国。然したる科学的な根拠もなく、国内世論が日本からの輸入品を危ないと感じていることが、表向きの理由なそうです。

 これまでの日韓関係は、韓国の居丈高な要求に対して、日本国が柔軟に応じるという関係がパターン化されてきました。如何に理不尽で、国際ルールに反する要求であっても…。しかしながら、近年に至り、韓国側の要求はエスカレートの一途を辿り、日本国に対して、国際法上の責任や義務がない事柄についても、謝罪や賠償を執拗に求めるようになりました。今回の水産物輸入禁止措置もその一つであり、国際ルールなどお構いなく、東京オリンピック・パラリンピック誘致の妨害手段として、政治的に禁輸措置を取ったとしか考えられないのです。つまり、日本に対しては、国際ルールを無視して如何なるバッシングや反則行為をしても、許されると見なしているのです。一種の”愛国無罪”の発想ですが、一方の国のみが損害を甘受する”友好関係”が、正常な国家間関係のはずはありません。日本国は、韓国との偽善的で取り繕った”友好関係”を追求するよりも、ビジネスライクに徹し、法的な対等関係として割り切るべきなのではないのでしょうか。

 今回、日本国政府が、WTOへの提訴に踏み切ることは、歪んだ日韓関係を正す重要な第一歩となります。戦時徴用についても、仮に韓国の最高裁が新日鉄・住金に賠償命令を下すならば、この件もまた、ICJに提訴する構えなそうです。その先には、竹島のICJにおける司法解決も待ち受けていることでしょう。法に基づいた紛争の解決こそ、予測不可能な韓国リスクを取り除き、無法状態にある韓国を法の支配の下に置くための、有効な手段であると思うのです。

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婚外子相続平等化は不平等?

2013年09月14日 15時24分41秒 | 日本政治
 先日、最高裁判所は、嫡出子と婚外子との間の遺産相続分に差をつけている現行の民法の規定は、憲法が定めた”法の下の平等”に反し、違憲であるとする判断を初めて示しました。この判断、納得しかねるのですが、法律上の配偶者と婚外子の母の権利に注目すれば、この問題が、そう簡単ではないことが分かります。

 民法では、法律婚を尊重する立場から、法律上の配偶者には相続権を認め、婚外子の母の権利を否定しています。仮に、今回の判断のように、家族の社会的役割を無視して平等原則を徹底するならば、論理上は、両者の間の権利の違いも平等化しなければならないのですが、嫡出子と婚外子の間だけを同権としますと、法律婚の配偶者と嫡出子に著しい不利益が生じます。何故ならば、民法は、法律婚の夫婦の間にのみ、相互に2分の1の相続権を認めているからです。このことは、法律婚の配偶者が夫よりも先に死亡した場合、嫡出子と婚外子との間に、著しい差が発生することを意味しているのです。つまり、夫は、妻の財産の半分を受け取ったりますが、その死後、嫡出子と婚外子との間で平等に相続されますので、婚外子には、法律婚の家族から財産を相続するルートが存在しているのです。一方、婚外子の母が死亡した場合には、婚外子の父には相続権がありませんので、その財産は、そっくりそのまま婚外子に継承されます。婚外の場合には、相続は母子間で完結しており、父を介した財産流出は起きないのです。妻に先立たれる夫は少なくありませんので、この側面を捉えれば、嫡出子と婚外子では、明らかに後者が有利な状況となります。

 このことは、民法を改正し、嫡出子と婚外子との間の遺産相続分を平等化することは、法律婚の夫婦間の相続に起因する不平等問題が深刻化することを意味しています。婚外子の相続分が2分の1であれば、まだこの不平等は受忍できたのでしょうが、完全に平等となりますと、不条理さや理不尽さだけが残ります。最高裁判所が、全ての立場と利益を考慮し、平等化の先の先まで熟慮して判断したのか、甚だ疑問に思うのです。

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IOC新会長バッハ氏への期待―”剣”を片手に巨悪と闘うのか?

2013年09月13日 15時17分29秒 | 社会
バッハ新会長「最も感激した瞬間」=不正撲滅、若者参加に意欲―IOC総会(時事通信) - goo ニュース
 今月11日、ブラジルのリオデジャネイロで開かれたIOC総会は、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地を決定すると共に、トーマス・バッハ氏が、IOCの新会長に選出されました。オリンピックが今日抱える問題を考慮しますと、バッハ氏は、IOC会長として適任であるかもしれません。

 出身国が規律に厳しいドイツであり、IOCの法務畑を長らく歩んできた経歴に加えて、バッハ氏は、フェンシング団体の金メダリストでもあるそうです。フェンシングと言えば、騎士道精神を体現したスポーツでもあります。バッハ氏は、就任に際してのスピーチにおいて、既に、八百長やドーピングの撲滅に向けて取り組む姿勢を表明されておりますが、近年、オリンピックのみならず、国際スポーツ大会では、審判疑惑やドーピングなどによるタイトル剥奪などの不祥事が相次いでいました。特に韓国による国を挙げての不正活動は、大会そのものを色褪せたものとしてしまいました。誰から見ても、韓国選手に有利な審判判定は、裏での審判買収なくしてはあり得ないからです。スポーツにおける不正行為は、勝利を得た選手やチームの出身国だけは喜ばせますが(もっとも、実際には、汚い手を使った国として軽蔑される…)、アンフェアな行為の犠牲者となった側の国民を怒らせると共に、大会運営に対する信頼性さえも損ねてしまいます。2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいては、不正事件を起こしてはならず、そのためにも、バッハ会長の手腕に自ずと期待が集まるのです。

 新任のバッハ会長が、オリンピックを健全化すべく、不正撲滅に乗り出すとすれば、氏は、韓国といった不正容認国家が最も恐れる人物となることでしょう。バッハ会長が”剣”を片手に巨悪と闘うのか、オリンピックの場外編として、全世界の人々もまた、今後の展開に注目しているのではないかと思うのです。

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消費税率3%アップで2%還元なら1%アップでよいのでは

2013年09月12日 15時40分07秒 | 日本政治
消費増税「2%」分実質還元…首相、苦肉の判断(読売新聞) - goo ニュース
 アベノミクスが功を奏してか、日本経済は、ようやく回復基調に乗り始めました。その一方で、今後の経済成長を考慮しますと、2014年度に予定されている消費税3%アップは、アベノミクスを頓挫させかねず、その行方が注目されてきました。賛否両論に分かれた議論が続いてきましたが、安倍首相は、予定通り3%アップを実施し、経済に与えるマイナス影響を押さえるために、増収分の2%を還元する案を検討しているようです。

 2%還元案では、結局、歳出も増えますので歳入の増加分は、1%分の2.5兆円ほどです。日本国債の信用の維持と財政再建への貢献が1%分に過ぎないならば、初めから1%の消費増税でも効果は同じです。しかも、後者の方が、以下の点から、メリットが認められるのではないかと思うのです。
 第一に、1%の上げ率であれば、国民の購買力を著しく損なうことなく、1%分の歳出増を確保できます。3%といった急激な上げ率では、消費者心理を冷え込ませ、買い控えによる悪影響が税収の伸びをも抑制します。
 第二に、国民の多くは、2%の還元分が自らに還ってくるとは思っていません。低所得世帯に1万円を配る案も議論されているようですが、一回限りの臨時給付なわけですし、大多数の世帯には、何らの恩恵ともならないのです。結局、2%分の還元は、国民の消費者心理を改善するほどの効果はなく、単なる所得移転となるか、あるいは、一般予算として消えてしまうかもしれません(来年度の各省庁からの予算要求は、過去最高らしい…)。
 第三に、1%づつの段階的な増税であるならば、残りの2%分も、そのまま財政再建に充てることができます。つまり、増税対策としての予算を計上する必要はなく、経済成長と財政再建を両立させることができます。
 第四に、予算規模からしますと、経済対策費で5兆円も歳出が増えるのですから、日本国の財政は、スリム化するどころか、メタボ化します。

 この他にも、デフレから脱却すれば、その分、税収も増加しますし、リーマンショック以前の歳入規模に戻ることができれば、財政リスクも低下します。これらの諸点を考えあわせますと、まずは1%程度の消費税率アップで、様子を見てはどうかと思うのです。

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韓国は平昌冬季オリンピックを自力で開催を

2013年09月11日 15時39分47秒 | アジア
 昨日、2020年の夏季オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まったことを受けて、JOCの竹田会長とKOCの金会長が、大会の成功に向けて、相互に全面的に協力することに合意した、とするニュースが報じられました。背景には、韓国が、2018年に平昌で冬季オリンピックの開催を予定していることがありますが、このニュースが報じられた途端、ネット上では批判の嵐が吹き荒れることになりました。

 それもそのはず、東京誘致を快く思わない韓国は、露骨な妨害工作を展開し、スポーツマンシップとはかけ離れたあらゆる汚い手を使って、日本国の追い落としを画策してきたからです。おそらく、社交辞令としての挨拶程度であったのでしょうが、このニュースが報じられると、手の裏を返すようにすり寄ってきた韓国に対して、日本人の多くは、さらに怒りを倍増させてしまいました。妨害しながら、協力を言い出すとは、厚かましいにもほどがある、と。伝えられるところによりますと、2018年の平昌オリンピックは、財政難や計画不備のため、開催さえ危ぶまれているそうです。韓国は、華々しく壮大な大会計画を打ち上げながら、実のところは計画倒れであり、詐欺に近い誘致活動を行ったようなのです。ですから、韓国からの”協力”の申し出は、日本人からしますと、窮地から脱するために、日本国に対して資金や技術などを無心しているようにしか聞こえないのです。韓国の言う”日韓協力”とは、自分たちの利益のために相手を利用することであり、日本国は、何度となく煮え湯を飲まされてきました。日韓協力は、もう懲り懲りなのです。日韓共催のW杯では、スタジアム建設のために韓国に貸した資金は返済されず、韓国による審判不正でW杯史上に汚点を残し、大失敗に終わりました。オリンピックもまた、”日韓協力”が表看板に掲げられますと、日本国もまた、韓国側の不手際や不正行為によって、国際社会から顰蹙を買うと共に、汚名をかぶることにもなります。

 一般の社会がそうあるように、自らが敵とみなしている相手に対して、好意的な態度を期待することは出ません。韓国は、オリンピックの開催地として自ら立候補したのですから、その全責任は、自らで引き受けるべきです。今度と言う今度は、日本国は、自らの名誉を守るためにも、韓国を援けてはならないと思うのです(援けても、仇で返される…)。

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対シリア要求-民間人虐殺禁止も加えて

2013年09月10日 15時40分40秒 | 国際政治
ロシア提案「事態打開も」=シリア攻撃の方針は堅持―米大統領(時事通信) - goo ニュース
 化学兵器を使用した疑いが濃厚なシリアのアサド政権。アメリカは、上下両院の承認を得次第、軍事行動に移る構えを崩してはいませんが、ここにきて、ロシア政府が、アサド政権側が保有する化学兵器の国際管理を引き換えに、軍事制裁は控えるべし、との案を提起したそうです。

 ロシアの提案に対して、アメリカは懐疑ではありつつも、頭から拒絶はしていないようです。一方、アサド政権側の出方も未知数ですあり、この提案の行方は不透明です。しかしながら、何れにしても条件を付けるならば、化学兵器の国際管理に加えて、民間人の虐殺禁止も加えていただきたいものです。シリア保有の化学兵器の国際管理化は、大量虐殺兵器の使用を不可能とはしますが、民間人の大量虐殺を止める効果はありません。化学兵器を使用する以前から、アサド政権は、女性や子供を含む民間人の自国民を、容赦なく殺戮してきました。犠牲者の数は、既に10万人にも上っていながら、大量虐殺は一向に収まる気配はなく、アサド政権は、反体制派の”抹殺”を目論んでいるかのようです。

 国際法違反を問うならば、生物化学兵器の使用のみならず、アサド政権によるジェノサイドの実行もまた重大な違法行為です(シリアは、ジェノサイド禁止条約の締約国…)。否、後者に関しては、実行者が特定できているのですから、アサド政権が制裁の対象となることは、当然のことなのです。シリア国民を保護するためにも、アサド政権に対しては、民間人の大量虐殺の禁止こそ要求すべきではないかと思うのです。

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化学兵器使用者を突き止めようとしない国連調査団の怠慢

2013年09月09日 15時29分14秒 | 国際政治
アメリカが警官をやめると世界は困る(フィナンシャル・タイムズ(翻訳gooニュース)) - goo ニュース
 シリアのアサド大統領は、化学兵器の使用疑惑に関するインタヴューで、自らの使用を否定する一方で、証拠がないことを強調したと報じられています。”証拠を見せよ”は、まるで、どこかの暴力団のセリフのようです。

 その一方で、シリアの現地をよく知る人の報告によりますと、反政府側が化学兵器を使用することはあり得ない事であり、噴飯ものの説なそうです。おそらく、シリア政府やロシア政府による情報攪乱作戦に惑わされているのではないかと憶測されておりますが、化学兵器の使用問題は別に置くとしても、シリア政府側は、既に10万人ものシリア国民を殺害しており、この非道な行為だけでも、十分にジェノサイドに値する規模なそうです。こうしたシリアの現状を見ますと、世界の治安維持機能の不備は、深刻な国際問題です。しかも、化学兵器問題について派遣された国連調査団は、初めから、自分たちのミッションは、化学兵器の使用者を特定するものではない、と明言しています。しかしながら、紛争の解決のために派遣される国際調査団とは、国内の犯罪における警察や検察の捜査と同様に、その目的は、犯人の特定にあるはずです。最初から、犯人を特定しようとしない国連調査団は、本来、なすべき仕事の半分もなしていないのです。国連は、責任を負いたくないばかりに、”敵前逃亡”しているかのようにも見えます。

 化学兵器の使用者が特定されないのでは、世界の警察官たるアメリカの動きも鈍ります。状況証拠からアサド政権側と断定して行動すると、厳しい世論の批判さえ受けかねないのです。国連の調査団は、収集した情報から使用者の特定に努めるべきですし、仮に、特定できない場合でも、国際社会は、アサド政権側によるジェノサイドに晒されているシリア国民を救うための方策の立案を急ぐべきと思うのです。

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東京オリンピック―”スポーツマンシップの祭典”に

2013年09月08日 15時34分21秒 | 国際政治
最終プレゼンが勝因=IOC委員の評価―2020年五輪招致(時事通信) - goo ニュース
 本日明朝、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されていたIOCの総会において、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決まったとするニュースが飛び込んできました。前回に立候補した際には落選しておりますので、先の東京オリンピックから56年ぶりに、日本国は開催国の大役を務めることになります。

 オリンピックは”参加することに意義がある”とも称され、全世界の国々のスポーツ選手たちが集うスポーツの祭典です。古代ギリシャ世界で開催されていた古代オリンピックでも、この時だけは武器を置いて、全ギリシャのポリス代表がオリンピアに参集しました。オリンピックは、闘いの場であると同時に、ポリス間の交流の場でもあったのでしょう。近代オリンピックでも、この意義は失われておらず、テレビ放送が普及するにつれ、全世界の人々は、身近にオリンピックの競技を視聴することができるようになりました。そしてそれは、オリンピックが、スポーツマンシップを学ぶ、貴重な機会となったことをも意味しています。ロンドン・オリンピックをはじめ、近年のオリンピックでは、審判買収疑惑や選手のドーピング、さらには、政治的なアピールなどの問題が頻発し、必ずしもスポーツマンシップが行き届いているわけではありませんでした。スポーツとは、ルールに則って正々堂々と闘われないことには、その勝敗さえ、不正なものと見なされます。不正が横行した大会は、思い出したくもない忌まわしい記憶としてしか、人々の心に残らないのです。東京オリンピックは、日韓共催ワールドカップと同じ轍を踏まぬよう、最もフェアなオリンピックを目指すべきではないかと思うのです。”勝つためには手段を選ばず”では、スポーツマンシップを踏みにじるようなものです。

 東京オリンピックが、模範的な”スポーツマンシップの祭典”ともなれば、世界中の子供達も観戦しているのですから、教育的な効果も全世界に広がることでしょう。最後に、スポーツマンシップに則り、共に誘致を競ったスペインのマドリッド、そして、最後の決戦投票に共に臨んだトルコのイスタンブールに対し、お互いの健闘を心から讃え合いたいと思うのです。

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韓国による水産物禁輸問題―WTOへの提訴を検討しては

2013年09月07日 15時56分23秒 | 日本政治
 昨日、韓国は、福島第一原発で起きた汚染水漏れ事件を理由に、福島県をはじめ関東・東北8県の水産物の禁輸措置を取る旨を発表しました。IOC総会でのオリンピック開催地決定を明日に控えているため、日本国内では、この禁輸措置は、東京オリンピック誘致妨害活動の一環と認識されています。

 WTOのGATTの第20条には、一般的例外の一つとして、加盟国に対して、「人、動物叉は植物の生命または健康の保護のために必要な措置」を認めています。食品の安全に関する加盟国の権限は保障されているのですが、韓国は、禁輸措置の根拠について十分な説明をしておらず、検出されたとされる放射性物質や放射線量も不明です。韓国側は、日本国に責任転嫁すべく、日本側の情報提供の不足を批判しているそうですが、日本国内では、国際基準より厳しい基準が設けられており、基準を上回る水産物は出荷していません。実際には、基準値を超える水産物が韓国に輸出されてはいないのです。結局は、この禁輸、科学的なデータに基づくものではなく、韓国世論への配慮を表向きの理由とした日本に対する嫌がらせと言わざるを得ないのです。日本国政府は、国民の懸念をよそに、これまで、韓国製品に対して安全基準のハードルを下げ、優遇策を実施してきたのですから、またしても、恩を仇で返される形となりました。

 このままでは、主観的な”世論の懸念”を理由に、”政治的な禁輸措置”を採ることが、なし崩し的に容認されることになります。日本国政府は、自由貿易体制を維持するためにも、韓国の禁輸措置を不当として、WTOへの提訴を検討してはどうかと思うのです。

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シリア問題―化学兵器使用と国連決議なしのどちらが国際法違反?

2013年09月06日 15時31分08秒 | 国際政治
シリア攻撃、国連決議を断念=「安保理人質」とロシア批判―米大使(時事通信) - goo ニュース
 シリア内戦において化学兵器が使用された件について、国際社会では、米ロの対立が際立つようになりました。アメリカは、化学兵器の使用を国際法違反として厳しく制裁する姿勢を示す一方で、ロシアは、国連決議なしの軍事行動は、国際法違反と主張しています。

 米ロ両国とも、”国際法違反”を掲げて相手方を批判しているのですが、一体、どちらの行為が国際法に違反しているのでしょうか。化学兵器の保有や使用に関しては、生物化学兵器禁止条約があり、シリアを含めた一部の国は加盟していません。この点に関しては、以前のブログ記事でも指摘したのですが、条約未加盟を以って化学兵器の使用や保有が”合法化”されるわけではなく、また、民間人の大量虐殺が国際法上の犯罪であるジェノサイドに当たることからも、ジェノサイド条約にも違反します。因みに、シリアはジェノサイド条約には加盟しています。ですから、化学兵器の使用による民間人の大量虐殺は国際法違反とするアメリカの主張には、相応の根拠があります。それでは、国連決議なしの軍事行動はどうでしょうか。国連の安全保障理事会は、現状では、司法機関、あるいは、警察機関としては機能していません。何故ならば、たとえ、国際法が既に存在している分野の懸案であっても、それを無視する常任理事国が存在するからです(中国も同類…)。法ではなく、国益に従って判断する常任理事国が存在しているのですから、国連決議なしの軍事行動は、即、国際法違反とは言い切れないのです(この主張を認めれば、常任理事国による侵略は、国際法において合法化されてしまう…)。むしろ、シリアの事件は、国際社会の規範としてのルールを破るような行為があっても、常任理事国の一国の反対でもあれば、実効性のある制裁を科すことができないという、国連の制度的欠陥を露わにしているのです。

 国際社会にあっても、安全のために治安を維持する機能は必要なのですから、国連決議を唯一の国際法における合法性の源泉と見なしますと、治安の維持の方が疎かになります。国連とは、担うべき機能に対して不完全な組織である以上、有志連合が、この欠陥を補うしかないのではないかと思うのです。

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婚外子相続違憲判決―平等vs.公平

2013年09月05日 15時44分14秒 | 社会
立法的手当て当然…相続巡る違憲判断で官房長官(読売新聞) - goo ニュース
 昨日は、最高裁判所で違憲の判断が示された婚外子の相続規定について、平等vs.民主主義の構図で問題点を指摘しました。本日は、平等vs.公平の観点から、この問題に迫ってみたいと思います。

 嫡出子と婚外子との間に相続分に差を設けることに反対する人々は、”子供には罪はない””法律上の立場の違いに拘わらず、子供の間に差別を設けてはならない”と主張しております。父親一人を基準にして考えますと、子供との距離は等しくなりますので、相続分に差を設けることは、差別のようにも見えます。しかしながら、民法では、一対の夫婦を家族の単位と見なし、夫の財産形成に関する配偶者の貢献を認めています。つまり、父親の財産が、夫婦二人の協力によって築かれたとするならば、嫡出子と婚外子の相続分が平等となりますと、婚外子は、法律上の配偶者の貢献分をも相続することになるのです。この点に関しては、配偶者の相続分が50%であることを理由に、解決しているとの見方もありますが、それが、婚外子が、嫡出子と同等の相続分を受ける正当な根拠とはななるかと言えば、疑わしい限りです(嫡出子には、母親の貢献分だけ多く分与される正当な権利があるのでは?)。実際に、この裁判のケースは逆でしたが、通常は、法律上の配偶者が、同居して家政を切り盛りし、年老いた夫の両親の介護をしたり、義理の兄弟姉妹などの親族と付き合うものです。あるいは、妻の側の姻戚の支援やコネクションによって社会的地位や財産を築くことも珍しくはありません。しかも、先に法律上の妻側が死亡した場合には、妻の残した財産まで、夫を通して将来的には婚外子が相続することになるのです。また、大概、両親を介護するのは嫡出子ですし、祭祀相続人には、祖先、あるいは、両親のお墓を管理・維持したり、法事といった祭祀を引き受ける負担もあります(この点、嫡出子の兄弟姉妹間の平等相続さえ、不公平とする意見もある…)。

 婚外子問題は夫の側だけに生じますし、法律上の妻の貢献度を考えますと、この平等化、法律上の結婚をした妻と嫡出子には不利であり、不公平でさえあります。民法改正は急がず、平等(均等平等)を優先すると、公平性(比例平等)が損なわれてしまう問題についても、十分に議論すべきではないかと思うのです。

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婚外子相続違憲判決―平等vs.民主主義

2013年09月04日 15時33分37秒 | 日本政治
婚外子の相続差別規定は「違憲」…最高裁決定(読売新聞) - goo ニュース
 本日、最高裁判所は、婚外子の相続を嫡出子の2分の1とする現行の民法の規定を違憲とする判決を下しました。憲法第14条が規定した”法の下の平等”に反する、ということなのでしょうが、国民的な議論を経なくてもよいのでしょうか。

 民法の家族法は、家族内の立場によって権利と義務の内容が異なるため、”法の前の平等”を徹底することは難しい分野です。それでもなお、平等化を進めるならば、権利のみならず、扶養といった義務に関しても平等化しなれば不公平となることは、以前のブログ記事でも指摘しましたが、この件に関して、もう一つ、問題があるとしますと、それは、国民的な議論が欠落していることです。民主主義の原則では、法律とは、国民的な議論を尽くした上で、国民の代表が参集する議会において制定されるべきものです。家族法ともなれば、全国民に関わるわけですから、その改正に関して、民意を全く無視する態度は非民主的な態度です。違憲立法審査権を持つ最高裁判所とはいえ、少数の裁判官の判断が民法改正を迫るとしますと、それは、民主主義の原則からは外れることになります。また、2001年における同様の裁判では、合憲とされていた民放の規定が、何故、12年後には違憲となるのか、その根拠も曖昧です(婚外子の比率がそれほど高まってもいない…)。仮に、国民意識の変化を理由とするならば、なおさらのこと、国民的な議論を要する問題なのではないでしょうか。仮に、法律上の配偶者と内縁関係の者との相続分についても、最高裁判所が、”法の下の平等”に反して違憲である、とする判断を示した場合、立法府は、この判決に従い、民放を改正しなければならないことになります。

 最高裁判所の違憲立法審査権に関しては、権力分立論や統治行為論の観点から、高度に政治的な決定は司法審査に馴染まない、とする原則がありますが、民法の家族法の分野もまた、裁判所の独断先行は、民主主義に支えられている立法権を侵害している疑いがあります。共に尊重されるべき平等と民主主義の両価値が衝突しているのですから、民法改正に際し、国会では、是非とも、義務の平等化と司法の限界に関しても、合わせて議論していただきたいと思うのです。

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シリア制裁-まずは化学兵器の破壊を

2013年09月03日 15時48分24秒 | 国際政治
アサド政権の化学兵器使用を断定…仏報告書公表(読売新聞) - goo ニュース
 シリアにおける化学兵器使用に関して、フランス政府は報告書を公表し、アサド政権側が使用したと断定したと報じられおります。それでも懐疑論者は、100%の”動かぬ証拠”がない限り、軍事介入に反対し続ける模様です。

 どちらの勢力が使用したかに拘わらず、化学兵器が使用されたことだけは確かなことです(アメリカの報告ではサリンらしい…)。化学兵器禁止条約が成立していることに加えて、民間人が攻撃対象となったのですから、使用者に対して制裁が科されないことには、国際社会の規範が崩れてしまいます。事務総長が中国寄りなためか、制裁に関して国連は全く機能しておらず、代わって、誰かがこの役割を果たす必要があります。国連が動かない以上、有志国によって実行するしかないのですが、問題は、”冤罪”が発生することです。もっとも、反政府側の自作自演の可能性はゼロではないものの、反政府側が化学兵器を使用したとする説については、これまでのところ、有力な証拠は示されていません。こうした場合、政治家は、極めて難しい判断を迫られることになります。それでは、この問題、どうすべきなのでしょうか。使用者がどちらであれ、少なくとも、シリアの政府側が保有している化学兵器や製造施設を破壊することは、国際社会において許容されるはずです。シリアが、化学兵器禁止条約に加盟していないことを以って、制裁は国際法違反として反対する意見もありますが、国際社会の強行規定ともいえる化学兵器の保有と使用が、化学兵器攻撃を目論む未加盟国にだけ合法的に許されているとは考えられません。むしろ、未加盟国は、この件に関して自らを無法状態に置いており、誰から破壊されても致し方ない立場にあると見なすべきです。化学兵器の破壊と同時に、シリア国民の不安を払拭するために、都市空爆といった一般民間人に被害が及ぶ攻撃形態を採らない方針で臨めば、軍事介入に対するシリア国民の支持も高まるはずです(同時に、アサド政権の弱体化に繋がる…)。

 可能性がフィフティ・フィフティであり、どうしてもどちらが使用したか判別できない場合には、交戦状態にある両勢力を引き離し、停戦状態に至らすために軍事介入すべしとする意見もあり、再度、化学兵器が使用されないためには、この選択もあり得るかもしれません。シリア問題は、国際社会の規範を確立し、人類に安全をもたらすことを基本的な方針として、解決されるべきではないかと思うのです。

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関東大震災における”朝鮮人虐殺事件”の逆さま

2013年09月02日 15時18分21秒 | 日本政治
 2011年3月11日に発生した東日本大震災に際し、日本国民の多くが、暴動や略奪を起こさずに、冷静に行動したことが海外においても賞賛の的となりました。その一方で、関東大震災においては、流言や飛語による”朝鮮人虐殺事件”があったとされ、常々、災害時における日本国の汚点ともされてきたのです。しかしながら、この不名誉とされる事件、最近になり、その真相が明らかとなってきております。

 そもそも、関東大震災における”朝鮮人虐殺事件”とは、震災の混乱に乗じて暴徒化した人々が、手当たり次第に略奪、放火、暴行を働いたという事件ではなく、その逆に、暴徒と化した朝鮮人に対して、自警団が、自ら治安の維持に乗り出し、その際に、過剰防衛による殺害等があったというものです。マスコミ等は、流言や飛語によって無実の朝鮮の人々が一方的に殺害されたように報じていますが、実際には、社会主義者を中心とした大規模な朝鮮人組織によるテロが発生しており(黒龍会による調査報告書があるという…)、日本人の多くが犠牲になったそうです(工藤美代子氏の『関東大震災 朝鮮人虐殺の真実』による)。当時の内務大臣であった後藤新平氏が、正力松太郎氏等と共に、敢えて暴動の事実を伏せて、流言や飛語ということで事態を収拾させたのであり、その背景として、社会主義者の朝鮮人テロリストによる皇族暗殺の懸念や内乱の危機などが推測されています。結局、国民を護ろうとた自警団が”悪者”扱いとなり、朝鮮人暴動は、不問に付されたのです。たとえ、”流言”や”飛語”が原因であったとしても、その主たる責任は、それを報じた新聞社にあるわけですから(現在のようなSNSは存在していない…)、自警団、そして、日本人が悪い、という批判は、どこか的外れに思えます。

 日本国政府は、震災以降も、朝鮮人に対して配慮に配慮を重ね、その結果、今では、すっかり日本人が”悪者”とされた上に、韓国では、被害者の数も水増しされ、関東大震災は”関東大虐殺”と呼ぶべき、と主張されるようにもなりました。おそらく、その内に、日本国に対して、自らの加害性を忘却し、謝罪と賠償を求めてくることでしょう。日韓の逆さま関係、つまり、被害者と加害者が入れ替わり、名誉と不名誉が逆転する関係は、この時から始まっているのです。実際に、阪神淡路大震災や東日本大震災でも、在日外国人による略奪、窃盗、放火等があったとされていますが、その真偽についても有耶無耶にされてしまいました。犯罪者を庇うことは、その行為の助長にも繋がるのですから、政府もマスコミも、災害時の治安を悪化させ、自国に不名誉を与えるような情報統制はすべきではないと思うのです。

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化学兵器使用-民間人大量虐殺を見過ごしてはならない

2013年09月01日 15時28分05秒 | 国際政治
米大統領、軍事行動を決断=対シリアで議会承認求める(時事通信) - goo ニュース
 アメリカのオバマ大統領は、アサド政権側の化学兵器使用を咎め、対シリアの軍事行動を決意し、議会の承認を求める方針を表明しました。日本国政府も、化学兵器使用の反人道性を重く見て、アメリカの軍事行動を支持すると報じられています。

 政府側と反政府側のどちらが化学兵器を使ったのか、という問題の判断は、国連調査団の報告を待つ必要がありますが、犠牲者の数が子供426名を含む1429名にも上ることを考えますと、化学兵器を搭載したミサイルによる攻撃であったことは確かなようです。ミサイルの発射地点は、アサド政権側の支配地域であったそうですので、反政府側が、大量のミサイル、並びに、発射設備を敵地に持ち込んだとは考えられません。また、シリア軍が、ガスマスクを装置して作業にあたっていたとする情報もあり、アサド政権側の仕業である可能性は、極めて高いと憶測されます。こうした使用者の問題を別に置くとしても、この事件は、兵士ではなく、無防備な民間人に対して大量殺人兵器が使用されております。人道的な見地からしますと、マスコミや平和主義者の人々が、激しい糾弾活動を展開してもおかしくない事件なのです。しかしながら、何故か、マスコミのトーンは上がらず、今のところ、平和主義団体等による化学兵器使用反対のデモも起きていません。むしろ、”軍事介入は平和に反する”とばかりに、化学兵器使用を軽視し、さらには、アサド政権による自国民虐殺をも見逃そうとしているのです。軍事介入の否定は、決して平和や人道主義を意味せず、むしろ、シリアでは地獄が続き、密かに生物化学兵器を保有する国がほくそ笑むことを意味しています。

 仮に、アメリカが、軍事制裁に動かなかったとしますと、法による秩序の構築はその歩みを一歩後退させ、化学兵器使用のハードルは、一気に下がることでしょう。使用しても、何らの制裁も受けないのですから。軍事介入には、大規模な戦争に発展するリスクがないわけではありませんが、国際社会は、化学兵器使用による民間人大量虐殺は許さない、とする基本的な立場を貫くべきであると思うのです。


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