万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

前丹羽中国大使の提言は警告か脅迫か

2013年09月25日 15時39分15秒 | アジア
底流に流れる歴史認識問題 両首脳は不戦の誓いを再確認せよ――前中国大使・丹羽宇一郎氏に聞く(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 本日、前丹羽中国大使のインタヴュー記事がネット上に掲載されておりました。最初は、氏の認識が逆なことに首を傾げていたのですが、真意が別にあるとしますと、これは、日本人に対する恐るべき警告、あるいは、脅迫なのではないかと思うようになりました。

 いささか支離滅裂なのですが、氏の主張を簡略に纏めますと、”戦争では、勝者がオールマイティーであり、歴史を主観的に決めることができれば、敗戦国を”八つ裂き”にすることもできる。このため、日中は戦争をしてはならず、歴史を知らない若者は、青年交流などを通して、歴史を学ばなければならない。”というものです。今日の国際法は、戦争が頻繁に繰り返されたヨーロッパを舞台に形成されましたので、敗戦国を”八つ裂き”する権利を戦勝国に認めておりません。開戦から終戦までの手続きはおよそ決められており、講和条約の締結を以って敵対関係は完全に消滅し、敗戦国の主権も回復されるのです。また、今日の日中関係や日韓関係の悪化は、歴史を知らないことが原因なのではなく、ネット情報の拡散等により、中韓の歴史捏造が明らかになったことが一因です。日教組ともタッグを組んで推進してきた中韓による歴史観の刷り込みが崩壊したのですから、史実を知れば知るほど、友好からは遠ざかります。これらの点を挙げただけでも、氏の主張には、説得力がないことが分かります。しかしながら、氏が、中国赴任の経験から婉曲表現に長けている、あるいは、中国の代弁者であるとしますとどうでしょうか。先の主張は、”日中間で戦争が起き、中国が戦勝国となれば、中国は、国際法の手続きを無視して日本国を”八つ裂き”にする。それが嫌であるならば、日本国は、”中国の歴史観”を受け入れざるを得ない”と読み替えることができるのです。

 前丹羽大使は、好意的に見れば、日本国に対して中国の恐るべき戦争観を提言の形で警告したことになりますし、疑ってかかれば、中国政府に代わって、日本国を脅そうとしたことになります(それとも、本心からの主張なのでしょうか…)。何れにしましても、中国は、国際法の枠の外に出ようとしている、つまり、無法者になろうとしているのですから、青少年の交流で防げるはずもなく、日本国は、中国に”八つ裂き”にされないための対策を急ぐべきと思うのです。

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コメント (8)
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