万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本の非核三原則の堅持ーならば核攻撃を100%防ぐ技術開発を

2016年08月06日 13時57分34秒 | 日本政治
安倍晋三首相「非核三原則を堅持する。日本の核保有あり得ない」「憲法改正は国民的論議を」
 本日8月6日は、人類史上、初めて原子爆弾が広島に投下された日であり、日本国のみならず、全人類にとりまして、悲劇として記憶すべき日でもあります。この世の地獄とも称すべき被爆地の悲惨さは広く知られながら、核兵器の圧倒的な破壊力に魅せられている国も少なくなく、中国は、核ミサイルの照準を日本の都市に合わせ、北朝鮮もまた、核ミサイルの開発に邁進しております。

 核の脅威は年々増すばかりであり、日本国に核の傘を提供してきた同盟国のアメリカでも、大統領選挙でトランプ候補が”日本核武装容認論”を口にしたことから、頼みの核の傘の消滅と核武装の可能性も視野に入ってくることとなりました。こうした中、安倍首相は、稲田防衛大臣の過去の発言との関連から、非核三原則の堅持を表明しております。一昔前であれば、”定例の決まり文句”のように聞こえたのでしょうが、近年の核をめぐる状況の悪化を考慮しますと、国民の中には一抹の不安を覚えた人も少なくなかったはずです。何故ならば、最悪のシナリオでは、アメリカの核の傘が消えた後、中国、あるいは、北朝鮮からの核攻撃により、またもや日本国が第三の被爆地になる可能性があるからです。”唯一の戦争被爆国”であることを理由に非核三原則を掲げたところ無防備となり、再度核攻撃を受けるのでは、これほど愚かしいことはありません。暴力国家に核の先制攻撃のチャンスを与えたのですから。

 如何なる状況下であれ、未来永劫にわたって日本国が非核三原則を堅持する条件があるとすれば、それは、100%核攻撃を防ぐ技術を手にすることです。非核三原則の堅持とは、究極的には、核の抑止力の放棄を意味しますので、核保有に代わるより確実な防衛技術を要するのです。今般、次世代技術として期待されているのが、レーザー兵器やレールガンですが、アメリカでは開発が進められているものの(戦術高エネルギーレーザー等…)、この分野でも、中国がアメリカに迫っています。

 政府は、経済対策として事業費で28兆円余りの財政出動を予定しているそうですが、単に”ばらまく”よりも、防衛力の強化に予算を振り向けた方が国民は安心します。核なき世界への道は、核の無力化の方が近道であるかもしれないと思うのです。

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4 コメント

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完璧に同意します (Suica割)
2016-08-06 21:17:15
核攻撃を防ぐには、その投射手段(ミサイルや爆撃機等)を迎撃するのが必定。
まさに非の打ち所がありません。
トランプが大統領になった時に日米安保の価値を示し、日本の安全を守るために、迎撃システムの共同研究や積極的費用負担の推進もアリですね。
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Suica割さま (kuranishi masako)
2016-08-07 07:28:48
 本記事へのご賛同をいただきまして、ありがとうございました。
 九条信者の方々は、”座して死を待て”となるのでしょうが、国民多数が、この提案に合意するとは思えません。核保有も核の抑止力も否定するとなりますと、残された道は、完全なる核の無力化であり、日本国は、自国の運命をかけた技術開発に取り組むべきではないかと思うのです。
返信する
タイドルに同意 (goen)
2016-08-08 08:06:03
ご指摘通り..早急に迎撃兵器の開発が急務です。憲法とか条約は気休めに過ぎません、実態は自己管理防衛力が保証です。急ぐのは迎撃兵器で、迎撃兵器に必要な核融合発電です。次世代の兵器は共通して大電力を消費します、今迄の原子力発電では効率が悪く一気に大電力を消費する方式にはむかない。1連射にギガワット単位で連射するレールガンには、不可欠の発電方式です。基礎研究から既に40年を経過しても未だ見通しが出ない難問ではありますが..。是非日本が先駆けて実用にこぎ着けたいものです。
 第二次世界大戦の飛躍兵器が原子爆弾ならば、21世紀は核融合で世界に貢献する。但し、兵器の共通インフラとしても使えます。
その為の開発投資が数兆円かかっても安い物です。電力は生活基盤そのものですから。
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goenさま (kuranishi masako)
2016-08-08 08:41:02
 本記事へのご賛同をいただきまして、ありがとうございました。
 核融合による大規模発電は、今しばらく時間がかかるようですので、その間に、中国が領土拡張に走る可能性も否定はできないようです。しかも、中国は、将来的には400基ほどの原発を建設する予定であり、当然に、将来の戦争形態を見越した軍事用とも考えられます。電力の問題解決と共に、新たな核兵器無力化技術の開発にも取り組むべきではないかと思うのです。
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