万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

保守こそ共和政移行を主張すべきでは?

2017年12月03日 15時12分59秒 | 日本政治
皇太子さま即位の前後、10連休? GW「谷間の平日」
新天皇の即位を再来年の5月1日に控え、政治レベルでも、「皇位安定継承」も議論の俎上に上ってまいりました。立憲民主党の枝野代表も、先日、女性宮家創設への意欲を見せておりますが、皇室の現状を鑑みて、将来に亘って現皇室を維持すべきか、疑問に感じる国民も少なくないのではないでしょうか。

 女性宮家創設や女性・女系天皇実現を目指す野党の思惑とは、“女性”を前面に打ち出すことで、男子継承に拘る旧態依然とした皇室に男女平等の新風を吹き込む改革者のイメージを国民にアピールすることにあるのでしょう。しかしながら、性別の問題は枝葉末節に過ぎず、真に重要な議論は、天皇の日本国の国制における役割と位置づけなのではないかと思うのです。

 今日の皇室は、古来の国家神道から離れ、創価学会、あるいは、その背後の国際組織によって傀儡化された可能性は極めて高く、現皇室は、“日本国・日本国民隷従化の象徴”ともなりかねません。与野党含めて日本国の政界も同組織の影響下にありますので、皇室の維持については両陣営とも協力関係にあるのでしょう。その一方で、一般の国民にとりまして皇室は意味不明の存在となりながらも、同組織によって与えられた皇室の役割に対応する“演技”を強要されることとなります。“慈悲深い皇族”が被災地の慰問や視察に赴けば感涙を浮かべ、音楽会に臨席すれば光栄のあまりに満場の拍手を送る“有難がる国民”の役を演じるよう圧力がかかるのです。アメリカ民主党系の論者に依れば、“行動する皇族”こそが理想像なそうですので、今後とも、国外のみならず、国内各地を頻繁に訪問することでしょう。

 日本国の伝統的な御簾の中におわす神聖なる天皇像とは真逆なのですが、全体主義を是とする共産党や公明党等がバック・アップしているのですから、不敬罪が復活する可能性もあり、マスコミも、国民が新天皇を崇敬するよう積極的なプロパガンダを展開することでしょう。かくして日本国は、異形化した皇室の下で、中国の共産党一党独裁体制や北朝鮮の金王朝と同類の言論統制が敷かれ、一般の国民は、自らの良心と理性に照らして皇室を批判する自由をも奪われるのです。

 こうしたリスクは、皇室において男女平等を実現したところで排除できるわけではなく、むしろ、現皇室の継続がより強固に保障されることで、さらに深刻な事態となります。日本国が得体のしれない国際組織の属国となり、日本国民が、真綿で首を絞めるように全体主義体制へと導かれないためには、皇室リスクを取り除く方策こそ必要とされるのです。その一つは、立憲君主制の形骸を残す現体制から共和政への移行であることは、言うまでもないことです(共和政に移行しても、国家祭祀の公職として天皇位を残すことも可能…)。真に日本国の民主主義と日本国民の自由を望むならば、政治レベルにおける共和政移行の提言は、あって然るべきなのではないでしょうか。立憲民主党のみならず、共産党さえ共和制への移行を言い出さない現状こそ、危機的状況の証左かもしれません。もしかしますと、日本国の歴史と伝統を重んじ、かつ、独立と自由を求める真の保守系愛国者こそ、共和政への移行を提起すべきなのではないかと思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

コメント (18)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 英王室と日本の皇室を操る見... | トップ | 高校教科書歴史用語問題-暗... »
最新の画像もっと見る

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おそるべき天皇教 (gateway)
2017-12-03 16:34:00
本日の先生の記事には、いつもに増して決然とした力強さが感じられます。
「皇室リスクを取り除く方策こそ必要とされるのです」
天皇教は、日本を破滅に向かわせているのかもしれません。

返信する
Unknown (mico)
2017-12-03 17:52:00
本当にあんな皇室いらんわです。
尊崇を強要されるのも鬱陶しいです。
マスコミあげて、マンセーする様は北朝鮮のようです。
あんな我が儘放題を見せられて、よくみんな我慢していると思います。
憲法改正すると国家元首とか、勘弁してほしいです。
返信する
Unknown (オカブ/本田伸樹)
2017-12-03 21:04:37
倉西先生
いつもご指導ありがとうございます。
そしてご無沙汰の程、ご無礼の段、お許しください。
ここのところ多忙を極めていて、先生にご指導を仰ぐことがなかったのですが、先生のご投稿は毎日、拝読させていただいております。
さて、今日の先生のご投稿、保守こそ共和制移行を主張すべきでは?はタイトル通りのご論旨で、私もまさに個人的には賛意を述べさせていただきたいと存じます。
ただし、これが普遍的・一般的に見て正当な主張かは、これまた私の個人的な視点から、皇室にまつわる政治的・歴史的・社会学的・心理学的等のあらゆる観点からの学際的検討が必要と存じ、個人的見解と普遍的主張の立場を一応分けさせていただきます。
しかし、以前にも申し上げたように、日本国の合理的統治のためには、既に土俗的意味合いしか残さない天皇君主の「慣習」から離れ、しっかりと近現代に相応しい統治原理に基づく政治体制が必要と、私個人は愚考いたします。
これは決して、左翼的な主張から申し上げているのではなく、少なくともNationStateの今、最も合理的な統治形態を模索した結果、そのような考えに至ったということです。
尚、今回より、本名にての投稿とさせていただきます。
よろしくお願い申し上げます。
返信する
gatewayさま (kuranishi masako)
2017-12-03 21:09:43
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 パーソナル・カルトとしての”天皇教”というものがあるとしますと、それは、我が国の伝統から発するものではなく、国際陰謀なのではないかと思うのです。実のところ、イランの現体制なども、同様の手法が採られているように思えます。グローバル時代なればこそ、日本国の皇室問題も、人類の危機の一環として対応してゆくべきではないかと考えております。
返信する
micoさま (kuranishi masako)
2017-12-03 21:15:07
 コメントをお寄せくださいまして、ありがとうございました。

 皇室が急速に北朝鮮風味となりましたのも、その背後に、国民に公表できない事実があるからではないかと推測いたしております。国民の多くから正統性にまで疑いがかけられている現状では、天皇元首化を含む憲法改正案を国民投票にかけたといたしましても、成立し得ないのではないかと思います。
返信する
天皇陛下 (Unknown)
2017-12-03 21:20:08
稀有な国、日本が存続出来たのは、天皇陛下が太古から国と国民の為に祈る存在であったからと伺っています。
次代天皇陛下も、昭和天皇、今生天皇の
ように、祭祀たる御役目を命がけで真摯になさる事で、国魂をお鎮め下さいますよう祈ります。
日本はそうした稀有な国なのです。
日々の真剣な神事、潔斎を天皇霊が要求して来るのでしょう。
ただの相続ではない、海外の王室ではないのですから。

理論的で冷静な記事が勉強になります。
ブログの更新をいつも楽しみにしています。
返信する
本田伸樹さま (kuranishi masako)
2017-12-03 21:29:09
 こちらこそ、御無沙汰いたしております。今後は、ご本名にて投稿なされるということでございますので、ご返事のコメントも、ご本名にて差しあげたいと思います。

 最も合理的、かつ、多くの方々の納得のゆく統治機構を考察してまいりますと、立憲君主制という形態には、様々な本質的な欠陥がございます。権力であれ、権威であれ、世襲一つとりましても、それに内在する欠陥は、誰もが理解するところです。この観点からしますと、日本国は、歴史的に権力と権威を分けるなど、欠点を是正すべく工夫を凝らしてきたのですが、今日の皇室を見ておりますと、この方向性に逆行し、国際的な謀略の下に、権威が権力まで手を伸ばそうとしているように見えます。現在、議論されるべきは、我が国の将来に向けての国制のあり方であり、皇室、政界、マスコミよりも、一般の日本国民の意識の方がよほど先を見据えており、理性的なのではないかと思います。
返信する
Unknownさま (kuranishi masako)
2017-12-03 21:35:35
 コメントをお寄せくださいまして、ありがとうございました。

 日本国民の大多数が天皇の存在意義は古代から継承されてきた祭祀にあると考えていると思います。しかしながら、現実を見ますと、創価学会、あるいは、その背後に潜む国際カルト組織の影響下に置かれており、国家祭祀は疎かにされると共に、犯罪がらみの情報も伝わり、皇室に魔が入り込んでいるとしか思えない状況です。こうした惨憺たる状況を改善するためにも、天皇を統治や世俗の利権から完全に切り離すという国制改革が必要なのではないでしょうか。
返信する
神武天皇以来の国 (北極熊)
2017-12-04 14:35:48
共和制でも駄目ではないのですが、せっかく神武天皇以来の男系男子で繋いできた皇統があり、政治状況が武士の世になっても、途絶えもせずに日本人が守ってきた皇統なのだから、もったいないでしょう。 エリザベス女王も、ローマ法王も敬意を示す天皇陛下とはそういうものです。 時々の天皇陛下のお考えや言行が、伝統的日本人からすると、そぐわないという事もあるでしょうが、そうであっても、共和制については、悠仁さまの天皇陛下即位の後まで、もう3代くらいの天皇陛下の動向を見てからでも良いでしょう。 
返信する
北極熊さま (kuranishi masako)
2017-12-04 18:14:47
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 天皇という地位を廃止せよと申しているのではなく、本記事では、少なくとも統治体制としては共和制にすべきではないか、という趣旨で提言しております。古来の国家祭祀の長としての天皇の継承については憲法上の国事行為はなくし、政治とはきっぱりと切り離した上で、議論すべきではないかと思うのです。現状を見ますと、皇室が自身が日本国の内部破壊者となると共に、海外勢力の下部組織化しております。のんびりと構えていては、手遅れとなるのではないでしょうか。
返信する

日本政治」カテゴリの最新記事