万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

スパイク蛋白質合胞体生成説が示唆するワクチンへの疑問

2021年12月30日 13時19分55秒 | その他

 遺伝子ワクチンにつきましては、安全性の証明が不十分な点が、同ワクチンの接種を拒む最大の要因となっております。実際に、厚労省が公表した件数だけでも接種後の死亡報告が1400人を越えており、この数も氷山の一角とされています。軽度の体調不良も含めれば、相当数の健康被害が発生しているものと推測されましょう。このため、ネット上では、専門家から一般の人々に至るまで、様々な立場から同ワクチンのリスクに関する議論が続くこととなったのですが、ニュースサイトのコメント欄にて気になる投稿を発見いたしました。

 

 同コメントの内容を要約しますと、’ワクチンとして体内に投与された人工mRNAは、合胞体でしかスパイク蛋白質を生成しない。人体の細胞における合胞体は、骨格筋繊維、並びに、心筋の細胞である。故に、他の臓器の細胞ではスパイク蛋白質は生成されず、安全である。’というものです。スパイク蛋白質の形成には合胞体を要するとする説は初耳でしたので、読み捨てることができなかったのです。合胞体という聞き慣れない用語が登場するところからしますと、ワクチン安全説を唱える専門家による投稿のようなのですが、何か重要な意味があるように思え、合胞体について調べてみることにしました。

 

 合胞体とは、複数の核を含んだ細胞を意味します。同細胞には、昆虫の初期胚のように細胞分裂で形成される形態と、正常な細胞が融合して巨大細胞となる形態の二種類があり、人体の場合は後者なそうです。通常の細胞には核は一つしかありませんので、例外的で特殊な細胞ということになりましょう。このため、同細胞を有する臓器は限られています。上述したように、同コメントでは、骨格筋繊維と心筋の二つとしています。脳を含む全身の細胞においてスパイク蛋白質が生成されるわけではないと主張することで、ワクチン接種の安心材料にしたかったのでしょう(もっとも、心筋が含まれている時点でむしろ不安が増すのでは…)。

 

 骨格筋繊維と心筋に限定したことで、同説は、コロナワクチンが筋肉注射であること、並びに、政府も認めざるを得なかった健康被害が心筋炎である理由を説明します。しかしながら、ネット上には、心筋については、かつては合胞体と考えられていたものの、今日では、この説は否定されているとの記事がありました。Wikipediaにあっても、合胞体の説明には心筋に関する記述はありません(wikipediaの英語版では、合胞体として胎盤、骨格筋、平滑筋、破骨細胞と並んで心筋が列挙されていますが、複数の核を含む純粋な合胞体ではなく、機能的なものとして区別している…)。心筋が合胞体から外れますと、心筋炎の説明は付かなくなるのですが、その一方で、ワクチンの安全性は高まりますので(少なくとも、再生不能な細胞が免疫細胞や抗体からの直接的な攻撃は受けない…)、この間違いは朗報にも聞えます。ところが、wikipediaの記事をよく読みますと、合胞体として心臓ではない別の臓器が記載されているのです。そして、その臓器こそ、哺乳類の胎盤であるというのです。

 

 哺乳類の胎盤というキーワードで、同ワクチンが登場した時期に注目されたファイザー社の元副社長の方の警告を思い出された方もおられるかもしれません。この時は、同ワクチンによって生成された抗体やキラーT細胞などがスパイク蛋白質の同族体である胎盤のシンシチン細胞を攻撃するというお話しでした。ファイザー社は、一早くこの説の火消しに回ったのですが、胎盤に合胞体が含まれるとしますと、最初の説とは別の機序によって人類の胎盤が危機に晒されていることとなります。因みに、合胞体の英語表記はsyncytium(シンシチウム)です。

 

また、合胞体は、ウイルス感染に際しても形成されます。合胞体を造る代表的なウイルスは、ヒトヘルペスウイルスや、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、パラミクソウイルス等なそうです。新型コロナウイルスについては不明なのですが、この情報も、ワクチン出現初期にあって指摘されていたAIDS患者のリスクを思い起こさせますし(大量にスパイク蛋白質が作られてしまう?)、同患者の体内において変異株が出現しやすいとする説とも符合しているように思えます。

 

そもそも、合胞体でしか人工mRNAがスパイク蛋白質を生成しないとする説が正しいのかどうか(怪しいかもしれない…)、この点も、医科学的な検証を要するものの、コロナワクチンと合胞体との間には、何らかの関連性があるように思えます。謎が謎を呼んでいるのですが、皆様方は、どのようにお考えでしょうか。


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